※網走・伊藤氏に同行された、北見の清水氏の記録です。氏は現在、一等三角点踏破にこっているそうです。またまた藪山仲間が拡大しそうですね!
遠音別岳登頂記
(遠音別岳とモアイ像)
平成18年9月23日(土)〜24日(日)
遠音別岳(1330、5m)(写真1:右 7月2日撮影)
23日午前6時前に北見出発、網走で合流後、車2台で登山口をめざした。国道244号をオホーツク海に沿って斜里方面に進むが知床方面、それに斜里岳や海別岳は真っ黒い雲で雨が激しく降っている様子。どうやら昨夜激しく北見で降った雨雲がまだこのあたりにあるらしい。途中雨がぱらついたが国道334号の知床国道に入ると雨もやみ順調にオペケプ林道からチャラッセナイ林道に進む。送電線を越えて少しいくと駐車スペースが十分あり、鴨さん車でその先を偵察する。林道はさらに奥まで続いており、4WDなので行けないことはないが、何せ新車なのでやめ、先ほどの駐車スペースに車を止めることとする。今回のメンバーは知床の山を知り尽くしている伊さん、手にはGPSとビールが手放さない栗さん、リュックにしこみ杖ならぬ笛(ケーナ)を忍ばせている鴨さん、花の女、水さんと1等三角点オタクの私、計5人で遠音別岳めざして午前8時半過ぎ出発。林道を30分ほど歩きそこから、チャラッセナイ川沿いに進む。(写真2)
原生林の林は神秘的で道なき道を進む。午前11時過ぎに湧水の出ている小沼に到着。(写真3)沼の木々には美しいコケがびっしりとはえ、とても素晴らしかった。また湧水の水もおいしかった。
再び道なき道を進む。所々コケのじゅうたんがあり、足にその感触を楽しみながら、(写真5)午後1時前、テント場の大沼に到着。(写真6)沼のほとりは熊がミズバショウの根を掘り起こして食べたあとがあちこちに見られた。
テントを2つ張り(写真7)とりあえず、安着をビールで祝う。沼は水面に陽光があたりキラキラと美しい。時折、鴨の姿も見られ、ぜいたくな時間を過ごした。そして、鴨さんがおもむろにリュックからケーナを取り出し、コンサートの開催とあいなった。コンサート終了後、栗さんが遠音別岳の見えるビューポイント発見。沼のむこうに遠音別岳が見え、明日のルートのガレ場も見えた。(写真8)(写真9)
時間が過ぎテント場では夕日が水面に映り、日が沈み、今度は一番星が水面に映り、夜には満点の星空となった。
翌朝、3時半起床。満点の夜空で、南にはオリオン座が見える。支度を済ませ、午前5時前、サブザックで出発。道なき道の複雑な地形を進む。2時間後、ようやくガレ場に通じる沢に出る。沢をつめ、午前7時過ぎに岩展望台に到着。(写真10)これから登りつめるガレ場の右奥に巨大な岩が4つ遠くに見える。あとで近づくとさながらモアイ像のように見えた。(写真では右上奥の石)
展望台を出発してガレ場をのぼりつめていく(写真11)。このガレ場は最近、熊も登ったらしく、ヒグマの爪あとがはっきりと上まで続いている。さらに登っていると右側に巨石が並んでいる。(写真12)まさにモアイ像のように4つ綺麗に並んでいる。(写真13)(写真14)奇妙な光景にしばし見とれた。
ガレ場をつめハイマツ帯に突入。眼下にはテント場の沼も見え、頂上は近い。(写真15)
展望台を出発して1時間半後の午前8時50分、頂上到着。念願の1等三角点もある。(写真16)羅臼側は切れ落ちており、眺めは360度素晴らしい。頂上にはヒグマの糞が多くあり、中身はハイマツの実であった。
頂上からは知床連山をはじめ、(写真17)知西別岳、ペレケ山、国後島、野付半島、標津山地、オホーツク海の弓なりの海岸線、海別岳その向こうに斜里岳、手前にはラサウヌプリとラサウのきば(写真18)、遠くには雌阿寒岳、雄阿寒岳、阿寒富士、藻琴山、能取岬と素晴らしい展望であった。
思い思いの写真を撮り、午前9時30分、下山開始。しばらくは尾根を下り、途中からガレ場へと下降する。途中、モアイの巨石の横を通り横から見てもモアイだなと納得する。ガレ場をくだり、やぶをこぎ、午後1時過ぎテント場着。テント撤収後、沼に別れをつげ下山する。途中、川が逆流しているのではないかと錯覚するような場所があり、遠音別岳の地形は複雑だなとあらためて感じた。午後4時過ぎ下山。
■遠音別岳のモアイ像
■遠音別岳頂上からの展望
コースタイム | |||
9月23日 |
午前 |
8:35 | 出発 |
9:10 | 林道から入山 | ||
11:10 | 湧水の沼 | ||
午後 |
12:25 | 沼 | |
12:45 | テント場着 | ||
24日 |
午前 |
4:45 | 出発 |
7:10 | ガレ場展望台 | ||
8:50 | 遠音別岳 | ||
9:30 | 下山開始 | ||
午後 |
1:15 | テント場(沼) | |
4:05 | 下山(車) |