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   松 山(432m) 1/25000地形図 熊 石  

           ルート図

穴澗山頂上から望む松山
尾根上、途中から見た穴澗山
穴澗山の下山中に現れた雄ジカ

  道南2日目。1日目のスルカイ岳は意外な急登とその登高感で充実した山行を楽しむことができた。この日に予定していたのは賀呂山だが、4Kmの林道歩きとそのあとの薮漕ぎ急登が予想され、日の短いこの時期ではなく別の時期に登ろうとの話になった。そこでIkkoさんが提案してきたのが松山?である。そんな山など聞いたことはなかったが、Ikkoさんによれば函館・sakag氏のホームページには載っているらしく、頂上のすぐ近くまで刈り分け道があるとのこと。自分としてはどこでも良かったので、この新ピークへ行ってみることにしたが、誰かに松山へ行ってきたとでも話そうものなら、四国旅行にでも言ってきたのかい?と言われそうな、山としてのしょぼさが感じられた。

 せたな町の道の駅「てっくいランド大成」で車中泊し、松山の入山口となる「関内川河口東側段丘上の73.4ピークの車道の先(一人歩きの北海道山紀行)」を目指す。途中、Ikkoさんの大サービスで、彼の4WD車で穴澗山(479.7m)へも立ち寄った。もちろんこの穴澗山は登山としてはノーカウントで、いつかスキー登山ででも登り直したい。穴澗山は自分の中ではそのくらいインパクトのある山である。この山の頂上に登り、これから登る松山を見ることができたが、それなりに格好の良い山容で、松山登山へのモチベーションが少し上がった。

 穴澗山の下山途中、立派な雄ジカが管理道に現れた。エゾシカの世界では立派にリーダーであろう。仲間を代表して我々不法侵入者に対して威嚇するために出て来たのかもしれない。責任感のまるでない人間が多くなった昨今、リーダーとして自分の役割を全うしようとする思いには畏敬の念を抱かずにはいられない。狩猟等で不慮の最後とならぬことをただ願うばかりだ。私は狩猟をやるような人間はいかなる理由があろうとも決して許せないし、この類の人間は生理的に嫌いだ。

関内川河口東側段丘上の73.4ピークの車道の先に車を止める
尾根の取付きまで原野の中を歩く

  73.4ピークの車道の先には23台程度の駐車スペースがあり、ここから枯れ野の中の踏跡をたどる。下調べなどいっさいしていないのでIkkoさんにただついて行くだけだ。不明瞭な踏跡も244m標高点のポコへの登りに入る頃からは明瞭になり、ほどなく分岐となる。稜線へと向かう刈り分け道は行く先が薮で覆われていた。尾根を巻く方の刈り分けは明瞭だったので、当然そちらに入った。だが、それも途中からは判然としなくなり、結局 尾根上を目指すことになった。Ikkoさんに「もう刈り分け道なんか消えたんじゃないの?」と言ったところ、「そんなことはない。坂口さんがここに登ったのは去年ですよ」との返答。半信半疑だったが尾根上へととにかく薮を漕いだ。正直、ダニの酷い初夏なんかにこんな山になど絶対に登りたくはない。稜線に到着してもさらに酷い薮。「いや〜、まいった、まいった」と思っていたところ、先を行くYUさんから「道があった!」との朗報。 YUさんの方向へ薮をひと漕ぎしたところ、かなり明瞭な刈り分け道にとび出した。「半信半疑のままではあるべきものも見つからない」・・・ 探し物をする時の鉄則である。

薮を漕いで尾根上を目指す

 刈り分け道は徐々に明瞭になり、登山道と言っても良いほどになった。要所要所に林班界を示す標石が埋まっていて、登りと下りを繰り返しながら尾根線に忠実に続いている。全く巻こうとはしないこの刈り分け道に何とも恨めしさを感じたが、無いよりはマシと思うことにした。そうは言え、帰りの登り返しを考えるとうんざりだった。縮まらない距離もいつしか縮まり、319m標高点の手前で90度北へと方向を変えた。このあたりから目指す松山が鋭角的な姿を現した。途中、随所に見られた糞だが、最初は狸のものと思っていた。だが、よくよく見てみると、かなりヤバイ。形状といいその量といい、明らかにヒグマのものである。道南はヒグマの生息密度が濃い地域で、特にすぐ近くのヤンカ山ではそのことをよく耳にする。ここだってヒグマが行き来するのは当たり前である。

 さらにアップダウンを繰り返し、最後は松山の西側を通って北側の稜線上へと上がった。ここで刈り分け道と分かれて松山へは少しの薮漕ぎ。松山頂上は薮の中であった。三角点はないので、薮の中の一番高い地点を松山頂上とした。頂上風景としてはあまり良くないが、頂上は頂上。昨日に続き今回2山目の新ピークである。

 帰路、YUさんが刈り分け道を見つけたところからさらにそのまま尾根上を進んでみたところ、最初の笹が被って見えたところから最初の分岐に出た。この分岐からYUさんが刈り分け道を見つけたところまでは薮が被った不明瞭な状態で、慣れていなければ多少不安になるだろう。途中、コンタ160mあたりが良い展望台となっていて小休止するには良い場所だった。(2019.11.24)

尾根上の立派な刈り分け道

こんなアップダウンの繰り返し

   途中から松山が見えてきた

松山頂上と金麦

コンタ160mあたりの展望台から見た関内川河口東側段丘

 【コースタイム】 関内川河口東側段丘 P 8:20  松山頂上 10:55、〃発 11:10 関内川河口東側段丘 P 13:05   (登り 2時間35分、下り 1時間55分)    

メンバーIkkoさん、YUさん、saijyo

   

   

  坊主山(374.7m)〜ピリカ湖西側  1/25000地形図 美利河

坊主山頂上の三等三角点「忠士別」
頂上展望はこの通りの薮

      ルート図

Ikkoさんは既に踏んでいるが、時間があったので1時間で往復できるという坊主山に登ることになった。この山は南西側の三角山とセットで登ろうと考えていたが、三角山が意外に奥深く、しっかり作戦を練らなければならないようなので、とりあえずこの山だけ登ることになった。

 アプローチとなる林道入口付近のパーキングにYUさんの車を置き、Ikko車で坊主山直下まで行く。車の駐車地点からは直線距離で500mもないので楽勝かと思いきや、ルート上は濃い笹薮であった。

 送電線の管理用の歩道を進み、小沢から薮に突入した。選定鋏で片っ端から笹を切りながら進んで行くが、日没との競争になりそうだった。GPSがあるので迷うことはないだろうが、やはり真っ暗ではこころもとない。できるだけ帰路でも分かるよう丹念に笹を切っていったが、頂上台地上に出てからはそうもしていられず、Ikkoさんとは離ればなれになった。その後、薄暗くなってきた頂上付近でIkkoさんと合流、Ikkoさんが三角点の標石を見つけた。頂上は濃い薮の中で見えるのは笹薮のみ。この山に登るのはやはり冬が良さそうだ。

 Ikkoさんはカメラケースを繋いだ紐が途中で切れ、どこかにカメラを落としてしまったらしい。途中一緒だった区間で落としていれば分かるはずなので、頂上台地上のどこかである。下山時、目を凝らして探してみたが、さすがにこの濃い薮の中と薄暗さでは見つからなかった。頂上台地からの下降、かなり暗くなってしまったが、笹をしっかり切って進んだ区間のルートは薄っすらと見えていた。(2019.11.24)

【コースタイム】 林道 P 14:50  坊主山頂上 16:00、〃発 16:05 林道 P 16:35    (登り 1時間10分下り 30分)    

メンバーIkkoさん、YUさん、saijyo

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