<戻る

           昆布岳(1045.1

 

金山から望む昆布岳  2014年10月19日撮影  (Ikkoさん提供)

/25000地形図 昆布岳

登山道から見る昆布岳・頂上
頂上からはニセコ連山の眺めが良い

 地図で昆布岳を見ると、後方羊蹄山とほぼ同じ位の山域面積を持つが、侵食が進み、高さは約半分である。遥か未来の後方羊蹄山の姿なのかもしれない。この山は一等三角点の山であり、頂上からの眺望は、ニセコ連山をはじめ、内浦湾周辺のほとんどの山々が見渡せ、第1級である。夏道が出来たことは夏山ガイド(北海道新聞社刊)で紹介された時に知った。「こんな展望抜群の山が、どうしてもっと登られないのだろう」と思ってはいたものの、いざ“簡単に登れる山”となってしまうと、何とも寂しい気持である。

頂上からはニセコ連山の眺めが良い

 最初にこの山に登ったのは17年前(1985)5月である。登山道(いつ開削されたのかは不明)がまだ開削されていない当時であろう。出来るだけ奥まで入っている林道を利用し、沢からさらに奥へ進み、あとは雪渓を利用する方法を考えた。この条件に一致したのが、ニセコ側の昆布岳北面・名無川だった。ニセコ町の福井地区から林道へ向い、途中に車を置き、名無川とこの林道が交錯する地点まで歩き、入渓した。水量は多くはなかったが、5月であり、北面にはかなりの雪渓が残っていて、雪解け水の冷たさが身に凍みた記憶がある。詰めは北面の急登で、木々を伝って攀じ登った。飛び出したところに昆布岳の一等三角点を見つけた時の喜びは今でも忘れない。その後、同じアプローチで再度昆布岳ピークへ立ったが、このときは1回目の経験を生かし、東側の急斜面の雪渓から回り込んで登った。ピークを落とすための“作戦”を練った当時が懐かしく思い出される。

久々の昆布岳登山は夏道を辿ることにする。札幌から行く場合、登山口までが少々分かりづらい。今は有珠山の噴火でルートが変わった国道230号線から、道道97号線へ入り大和から細い道を三和へ向かう。三和からは「昆布岳登山口」の標識に従う。登山口は農家の玄関先のようで、標識にさえ従えば、農家へ迷惑を掛けることはない。地元豊浦町のHPに初級の山とあったが、登山道は良く整備されていて歩きやすく、迷うような個所は無い。5.7km程歩くと一等三角点の山、昆布岳の展望を欲しいままにすることが出来る。

この山の北面には、漫画で書くヒヨコのような可愛らしい形状の雪渓が遅くまで残る。本州の白馬岳、爺ケ岳に例えるなら、昆布岳ではなく「ヒヨコヶ岳」のほうがファミリー登山の山として親しまれる気もするが、少し弱々し過ぎるかもしれない。(2002.9.22)

 倶知安・菅原氏より届いた2006'春山の昆布岳山行記

 

 

【参考コースタイム】

登山口 9:35 → 昆布岳頂上 11:23 、〃発 12:06 → 登山口13:23

【メンバー】saijyo、eiko

  <最初へ戻る