1415m峰「夕張マッターホルン」(1415.6m)
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1/25000地形図「芦別岳」「夕張岳」「幾春別岳」「滝ノ沢岳」
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初めて目にする、1415m峰頂上岩峰 |
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彼も5回目で一緒に登頂 |
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車止め、橋付近(545m)まで車で入れることはめずらしい |
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730m二股へ向かう途中のスノーブリッジ |
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730m二股手前のゴルジュ |
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振り返ると左;シューパロ岳や右;芦別岳が見える |
私が“夕張マッターホルン”という、1415m峰の愛称をはじめて知ったのは 昭和56年の頃で、「札幌から見える山」 (北大図書刊行会)という本を書店で立ち読みした時だった。芦別岳と夕張岳のほぼ中間に映る鋭く尖った姿には、いやが上にも興味をそそられたが、夏道の無いこの山を登ることなど、当時の私にはとても考えられなかった。
夕張方面の鋭く尖った山はみんな “芦別岳”にされてしまう傾向がある。この1415m峰と通称「中岳」が特に間違われるようで、理由として@この山域でガイドブックに載っている一般的な山は芦別岳・夕張岳の2山くらいであること。Aよく写真でみる芦別岳は旧道からのものが多く、その姿は鋭く尖っていることなどが挙げられる。
両岸が迫ってくるとゴルジュとなっていて、すぐに730m二股である。ここはゴルジュ手前から左岸を高巻くのが一般的なのか、沢に戻るあたりは踏み跡らしき状態になっている。この先は水量も減り平凡な沢相となるが、ぐんぐん高度を上げて行く。800m付近で水は枯れる。1000mくらいまでは岩石も安定していて歩きやすいが、1000mを越えると傾斜も増してきて、岩石が不安定となり、後続への落石に対する注意が必要である。1100m付近からは小滝(水流はない)の連続となり気が抜けない。振り返るとシューパロ岳が雲間に見え隠れし、正に水墨画の世界そのものである。1190m付近で乗り越え困難な小滝(岩盤)が現れる。この頃から雨も降り出す。C1にハンマーを置いてきたため支点も作れない状況で、これ以上進み続けることは危険と判断、この日はここまでとする。C1に戻った頃には雨脚もかなり強まり、林道の状態が心配になる。リーダーの判断でテントを撤収、車止めまで戻り一晩様子を見ることを決定する。翌日は橋(545m)からの再スタートとなる。
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1415峰(夕張マッターホルン)頂上にて | 1415m峰頂上の二等三角点「天狗岩」とサッポロ黒ラベル |
翌日(8/4)は雨が止んだため、曇り空のなか5時発で行動を開始する。1100m付近からは尾根に逃げるが、強烈な藪漕ぎとなる。帰路のルートファインディングの難しさを考え、要所々に赤布を結び進んで行く。この辺りの地形は、下降ルートを間違えると当日中に下山出来なくなる危険性が考えられる。山容が急峻であるため尾根上には所々岩壁が現れるが、樹木を利用して何とか攀じ登る(下りはすべて懸垂下降)。
藪突入から約2時間で頂上の肩(1380m)に飛び出す。ここの稜線上の藪中にはナタの跡が残っていた。初めて頂上岩峰を目にするが、進行方向には頂上まで途切れることなく樹木が密生しており、自分にとっての初登頂を確信する。約30分、最後の急斜面を攀じ登ると、意外に広く平坦な頂上に飛び出した。進行方向左手の足元には憧れの1415m峰三角点があり、5度目の挑戦で「夕張マッターホルン」ピークを落とした喜びがこみ上げてくる。最初の計画からずっと共にこのピークを目指してきた仲間が、三角点を触りながら喜んでいる姿が特に印象的だった。(2002.8.4)
【参考コースタイム】(8/3)
【メンバー】L.hachiya、SL.saijyo、m.hachiya、チロロ2、isido