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    定寺山(392.3m) ・・・ 東本郷〜禅定寺山〜塩見峠

  山口県・小郡の里山  

 

山口市小郡のビッグ駐車場から禅定寺山(中央奥)を望む

          

      

   

                                                                            

禅定寺山への起点となった高田さんの田んぼ(東本郷地区の最上部)

北海道以外の山の第二段として選んだのが、この禅定寺山だった。選んだ理由は高田さんの田んぼから登れる普通の里山であり、この周辺の自然環境を見てみたいという思いと、禅定寺山という北海道ではありえない、歴史を感じさせる重い山名に引かれてしまったことである。4月に田んぼを見に来た時からずっとそう考えていた。

                                       

登山道入口を示す立派な看板がある

禅定寺山への入山口は高田さんの田んぼのある東本郷地区で、ここにレンタカーを置いてのスタートとなる。ゴミステーションの前くらいしか車の置く場所がなかった。

                                     

東本郷地区は山間の狭いところ。こんなところにも棚田が広がっている

農家の軒下近くまで棚田が広がっており、いかにも“内地”といった雰囲気の中、登山道入口へと進んで行く。

                                                  

イノシシ用の大きな柵が開いていた

少し進むとイノシシ用の大きな柵が現れる。この設置には免許が必要とのこと。田んぼが近いこともあって、このようなものが必要となるのだろう。

                                          

途中で見られた滝

豊かな森林からの清流が小さな滝となっていた。登山道はこの清流に沿って続いており、自然の豊かさが感じられた。

                                                               

小沢沿いに続く静かな登山道

この山の良さはやはり静かさだろう。こんな深い森林の中、貫禄さえ感じさせる細道が奥へ奥へと続いている。日本全国同じかもしれないが、有名でない山ほど味わいのある山行が楽しめるもの。北海道の山と比べ、総じて下草が少なく、虫も少ないように感じられた。

                                    

登山道横の清流

                                                                           

イノシシのぬた場

稜線が近づくとイノシシのぬた場が現れる。北海道で言えばエゾシカのものは良く見るが、さすがに本州である

                                               

御神顔岩に到着

不思議な顔と言われている御神顔岩だが、ユーモラスではあるが、宇宙人の顔にも見えてくる。北海道のような積雪地帯であれば、モンスターを見ていろいろと想像を巡らすが、自然の造形とは時には神々しささえ作ってしまうのだろう。

                                  

禅定寺山頂上から小郡市街を望む

400mにも満たない山だったので眺望への期待などなかったが、どうしてどうして・・・ 地元小郡のビル群初め周防全体の山々を見渡すことが出来た。

                                            

禅定寺山頂上にて

禅定寺山頂上は意外に開けたところだった。残念だったのは場違いなブランコが作られていること。山道沿線の素晴らしい雰囲気を堪能したあとの終着地点がこれでは頂けない。何ぜ、こんなものを作ったのかが全く理解できないが、作った人間のセンスの無さだと思う。北海道であればネット等で散々叩かれた上に、有志が挙って撤去してしまうことだろう。こんな場面にブランコなど不要!

                                    

西峰に三等三角点「禅誓寺」を発見

山名が禅定寺で、点名が禅誓寺、どちらが正解かは分からないが、そんな名の寺が付近に存在していたのだろう。一説には寺院の遺稿が発見されたとのことだが、私の住む札幌ではその真相を調べようがない。機会あれば山口市の図書館にでも行って調べてみたいと思っている。とりあえず「金麦」を置いて恒例の1枚。

                                                                       

下山の途中で見たワンコの墓

個人的なものを山に残してはいけないというのが山ヤとしての常識だが、この墓標を設置した気持は痛いほどよく分かる。余計なお世話かもしれないが、こんな離れた山の中では寂しくはないだろうか? ワンコにとっては大好きな飼い主の傍に眠るのが最高の幸せ。ともあれこのワンコ、安らかに眠ってほしいとつい願ってしまった。

                                    

下山時に御仏峠付近から見た山口市街の全景

人口が少なく、他の県庁所在都市と比較しても見劣りする山口市だが、瑠璃光寺五重塔を始め、歴史の重さを感じさせるなかなか趣のある都市だった。北海道の都市はまだまだ若い。下山途中からは山口市の全景を捉えることができた。

                            

羽根越分岐への下り

送電線を通過して羽根越分岐へと下るが、この辺りが一番急なところ。あまり訪れる人がいないのか、道はあまり整備されてはいない。枯葉のクッション効果は足に優しく、膝の悪いチロロ2さんには優しい登山道だったとのこと。

                                      

塩見峠付近の石垣

驚いたのがこの石垣で、ほとんど人が通らない荒れた歩道の両側に築かれていた。この辺りからは、古くて樹木も茂ってしまった荒れた棚田跡が現れたが、昔はこんな奥地にまで田んぼが広がっていたようだ。ここから高田さんの田んぼまでは歩道もかなり荒れてくる。

                                     

ここまで来れば高田さんの田んぼへはあと少し

 禅定寺山の今回の印象としては十分に満足出来る山行だったと思っている。屋久島では名山と呼ばれる山に登り、山口県では内地の普通の里山を堪能することが出来た。里山であっても北海道とは大きく違って、歴史があること。地元では大事な存在であることなど、今年から決まった「山の日」の趣旨とはこんなところからと感じさせるものがあった。北海道も決して里山を蔑ろにしているわけではないが、人口の減少が極端な上に地区全体が消えてしまうこともあり、忘れ去られて行くのはしかたのないところと思われる。禅定寺山、次回は薄っすら雪が積もる時期にでもぜひ訪れたいと思っている。(2012.7.1)

                                                                  

参考コースタイム】 嘉川登山口 P 10:05 → 御神顔岩 11:10 禅定寺山頂上(東峰) 11:15、〃発 11:45 送電線 12:25 塩見峠 13:05 → 高田さんの田んぼ 13:40    (登り1時間10分、下り1時間55分 休憩を含む)

メンバー】Takataさん、saijyo、チロロ2

 

 

  

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