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 夕日岳(594m)

 756m峰「通称;奥夕日岳」(756m)・・・定山渓神社が人気スポット?

     

定山渓ファームから見た756m峰「奥夕日岳」

  

1/25000地形図 定山渓  

夕日岳の頂上標識は立派だが、眺望はない
夕日岳からが本番
756m峰「奥夕日岳」の頂上直下で岩稜となった
登山口となる定山渓神社の駐車場に車を止める

 定山渓には、温泉街を挟んで里山とも言える朝日岳と夕日岳が対峙して存在するが、街から見て朝日と夕日に映える両ピークという意味でこんな山名で呼ばれるようになったのだろう。今回はそのうち夕日岳とさらにその奥の756m峰、通称「奥夕日岳」まで足を伸ばすことにした。756m峰は付近では一番高く、山としては夕日岳よりも山らしい。

 定山渓神社の駐車場に車を置かせてもらい、夕日岳登山口から雪面に続く踏跡をたどった。踏跡はかなり踏み固められていて、さすが札幌のハイキングコースだと思ったが、いくらも行かぬうちに消えてしまった。私もIkkoさんも、この山に関する情報は皆無で、冬はどこをスタートしても同じと、すぐに沢の右岸側の尾根に取り付いた。初っ端からの急登はけっこうこたえたが、見る見る標高を上げた。途中、コンタ470mで登山道を発見、そのまま登山道を移動して、夕日岳手前の550mポコから伸びる小尾根に取付き、夕日岳への登山道に飛び出した。夕日岳頂上はそこからすぐだったが、頂上標識だけが立派で、眺望はあまり良くない。樹林の葉が茂る夏であれば期待はずれの頂上だろう。

◇◇◇◇

登山口から尾根に取付いたのでぐんぐん標高を上げた

 夕日岳からは徐々に積雪に足を奪われた。先頭でラッセルするIkkoさんは股まで埋まること度々。尾根上はまだ良いが、尾根を外すと深雪に埋まってしまうようだ。夕日岳を登っている途中に見えていた岩壁をまとったピークがまさか…と思っていたが、それが756mピークだと判り不安が過ぎる。ひょっとしたら、岩壁に行く手を阻まれるかもしれない。いやいや、地形図上のコンタは緩く、見えているのはこのピークの側面だろうと自分の中で納得させた。

 コンタ600mからの緩い登りにホッとしたのもつかの間、頂上まで距離にして90mと迫ったところでまさかの岩稜が出現した。結局、正面突破は無理っぽいので、西面の急斜面をトラバースすることになる。木々が生えていればどうにかなるとは思ったが、あまり気持の良いものではない。岩壁の基部付近から回り込んでみると、なんと、まさかの人工物、反射板である。この岩峰にどうやって設置したのだろう? Ikkoさんはヘリで設置したのだろうと言っていたが、後でWeb上で探してみたところ、このピークの南側は緩く、作業用の道路があったようだった。それにしても、定山渓付近は意外と地形図上には現れない岩峰や岩壁が多く、安易にルートを考えると痛い目に遭うことしばしばである。

 最後は頂上へと続く雪面を登ってピークに立った。反射板の建つピークは意外に広くて平だったので、拍子抜けの感があった。Ikkoさんは反射板の鉄塔に登って写真を撮っていたが、「立入り禁止」の看板はなく、ここでは何の問題もない。もっとも、ここに登山者が来るというのは設置者の開発局側としては想定していないのだろうと思うが、今の登山者はどこにでも登る。設置者側の認識不足と言える。

 下山は624mピークを回って尾根上を定山渓神社へと下る予定であったが、途中で面倒になって、沢筋を下ることにした。この時期であれば未だ古い雪面はなく、表層雪崩の心配はない。ただ、沢の場合は段差があって雪面を踏み抜くこともあるので、それなりの慎重さは必要である。途中、砂防ダムで登山道と合流し、朝方の尾根に取付いた地点に出たが、例の踏跡で中国人観光客グループに出会った。固められた踏跡は登山者のものではなく、神社と雪という日本らしさを見に来ていた外国人観光客のものであった。こんなローカルなところにまで“観光立国・日本”の足音が鳴り響いていたのには驚かされた。(2018.12.23)

【コースタイム】定山渓神社 P 8:30 夕日岳頂上 10:05、〃発 10:10  756m峰「夕日岳」頂上 11:55、〃発 12:10 林道 P 13:55 (山行時間 5時間 25分)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo

 

 

 

          西面へと回り込んだが、見えた頂上には反射板が建っていた

          頂上に建つ、立派な反射板

反射板の上からさっぽろ湖周辺をズーム

 

 

        西側岩塔への狭い雪稜に続くキツネの足跡

反射板の上から、北側のパノラマ写真

 

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