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 義経山(294m)

    

本別町市街地の南部から見た義経山

1/25000地形図 「栄 穂

本別公園の広い駐車場に車を止める 背景に「義経の館」
義経山神社の石祠
最初のコンタ250mポコから見る義経山
源義経像

 1189年(文治5年)源義経が奥州藤原氏の藤原泰衡の襲撃を受け、衣川館にて妻子と共に自害したのは歴史上の通説だが、ひょっとしたらその時に生きていて、落ち延ていたのではないかとされる源義経北行伝説・足跡の一つに十勝の本別町がある。義経が大陸へと渡ってチンギスハーンになったとされる逸話は少々大袈裟としても、蝦夷渡航であれば物理的にも十分可能で、そんな微妙なあたりに歴史のロマンをかきたてるものがあるのだろう。北海道内いたる所にこの伝説による地名が存在しており、それらがあながち空想ばかりとも思えない。今回は、道内としては珍しく歴史上の人物が山名となっている本別町の義経山に登ってみた。微妙に立入り禁止となっていたかもしれないところへ立ち入ってしまった件は反省するとして、わずか294mの低山であるにも関わらずそれなりに体力を使い、しっかり整備されながらも変化に富んだ登山コースは道内では珍しく、ネット上にUPすることにした。

 義経の里本別公園は整備されており、総合案内所となっている義経の館や義経像も建てられている。義経山については観光地という認識もあって、今回は何も調べていないし、地形図すら持たないで行ってしまった。登山口も判らず、現地の標識と地図入りのGPSのみが頼りである。GPSを見ながら登山口へとたどり着くと「義経の里 治山の森へようこそ」の立派な案内板が立てられていた。すぐ横の入口には例によって道東でよく見られるシカ柵のゲートが設けられており、施錠はされていないので、それを開けて登山道へと入る。登山道は樹林帯の中の笹原に付けられた気持の良い一本道、義経のキャラクターが描かれた新しい標識がポイントごとに設置されている。さすが本別町が誇る名勝であり、町もこの山の観光的価値に期待しているのだろう。しかし、スタートからかなり標高を稼いだにもかかわらず、頂上が1km以上も先というのが何とも解せない感じだった。

頂上への長い階段

 コンタ250mの最初のポコを通過して判ったが、いくつかの小ピークを通過した先に見える崖山が本峰で、この先アップダウンの繰り返しのようである。最初のポコへの手前から右に少し入ったところに義経山神社の石祠が鎮座している。この神社は大正11年に地元有志の手によって義経山の頂上に建立したものだが、その後一部崩壊、昭和53年にここの場所に移転したようである。コンタ250mポコからの下りは階段がコルまで設置されており、かなり大袈裟かもしれないが、中国の泰山を連想させる景観である。工事現場で見られる簡易的な階段だが、欲を言うなら、もう少し景観とマッチしたしっかりとしたものであれば良いのだが… と感じる。もっとも、予算との関係もあって町としてはこの程度で致し方ないところなのだろう。とは言え、この景観は素晴らしく、私としては拾い物の登山コースであることに違いはない。次のコンタ250m小ピーク直下で北側からのコースと合流する。見ると立入り禁止の看板があるが、ロープが張られているわけではないので、通行禁止のロープが張られているところまではとりあえずは行ってみることにする。狭い吊尾根上に遊歩道が設けられており、歩いているだけでも十分に楽しいコースといえる。

 尾根上を本峰へと近づくが、崖に阻まれてそのまま本峰へは登って行けない。コースは右にトラバース気味に進むが、再び通行禁止の看板が見られロープも張られている。逆側にもロープが張られており、通行禁止はどうやら崖の直下をつなぐ区間のようで、そのさらに下を迂回するコースは通過しても良いようである。ここから源氏洞まで登るが、源氏洞は大きく抉れた雨風を凌ぐにはちょうど良い場所となっている。これを過ぎると尾根上に戻って最後の階段で崖上まで登る。この長い階段が微妙に右に傾いていて、あまり気持の良いものではない。さすがに思わず手すりをしっかりと握ってしまう。

最奥の小ピークまでは痩せた尾根を進む 義経山の最奥のピークにも到着

 最後は右から回り込むようにコースを登って頂上である。名の無い山が多い白糠丘陵、どこといって山座同定の対象となる山は見当たらないが、さすがに午前中に登った川流布山だけは判る。だが、木々が邪魔してすっきりとは見えないのが残念なところ。294mとは思えない高度感、眼下に広がる本別の街並みがこの山をより高く感じさせているのだろう。頂上には旧義経神社の残骸が残されている。その先も尾根が続いているようなので、さらに行ってみることにする。ここから次の小ピークまではかなり痩せており、木々につかまりながら進まなければならない。つかむ木がないところもあるので、そこは尾根の左右に微妙なバランスを取りながら進むしかない。いずれにしても、高所に馴れていなければ入らない方が無難だろう。小ピークの斜面には木造の祠が転がっているが、自然に崩壊したものかどうかは判らない。おそらく以前はこの小ピークに建っていたものだろう。回収するにしても一苦労しそうである。

 この山に関していえば中途半端に登山禁止となっている。私が登った印象では特に入山を禁止にする状況とも思えない。もっともっと危険な箇所は沢登りでもやっていればどこにでもある。だが、ここには登山道が設けられており、その登山道に一般登山者が気軽な気持で入山した場合に、安全という担保が得られない状態ということなのだろう。できれば、自己責任ということでもかまわないので、大手を振ってこの山に入れる状況が欲しいものである。そんな価値がこの義経山には十分にあるような気がした。(2012.12.15)

【参考コースタイム】 本別公園 P 12:05 → 250mポコ 12:30 → 義経山頂上 12:55、〃 発 13:10  250mポコ 13:30 → 本別公園 P 13:55  (登り 50分、下り 45分)

メンバーIkkoさん、saijyo、チロロ2

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