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    羅臼岳と東斜里岳(2009.4.6〜8)

              …米沢さんからのメール

烈風の羅臼岳

大曲付近 

地吹雪で埋まる知床峠付近

愛山荘

横断道路から夕日に染まる羅臼岳

斜里岳東稜より南斜里岳〜1508m峰〜東斜里岳

東斜里岳山頂から本峰を望む

 

1/25000地形図「知床峠」

※三年越しの目標だった南西ルンゼ、斜里岳東稜を登ってきました。 

   〔4/6〕 関西からの直行便が廃止になったので関西〜羽田〜釧路と乗り継いで網走で伊藤さんにガスカートリッジとルート旗を頂いて愛山荘に向かいました。 

横断道路は既に除雪されて明るいうちに小屋に到着しました。 日が暮れるまで羅臼岳を眺めていました。 小屋は扉が開かず二階の扉から入りました。一階に通じる階段に気付かずに二階の物置で過ごしました。 前回は確かに二階から降りることが出来なかったので不思議でした。 

 〔4/7〕知床峠は風が強く、大きな岩の陰でアイゼンに履き替えました。 ルンゼはピッケルのシャフトは刺さらず横にして2本のピックを刺して手掛かりにしました。 上部は氷の大斜面で緊張しました。 ルンゼ内は風はマシでしたが時々突風が吹き荒れて常にピックを刺した姿勢でしか動けませんでした。 盆地からは初めての左巻きにしました。岩の上に出ると猛烈な風と氷の粒の地吹雪で四つん這いになって何とか夏道に合流しました。 あと10mが大変でエビの尻尾にピックを刺してしがみついて山頂の岩陰に逃げ込みました。 

天候の回復を待ちましたが風の勢いが増して降りられなくなりそうなので気合いを入れて右巻きで1620m峰に向かいました。下降は風が酷いので羅臼側のルンゼを下りました。雪の斜面は少しだけで氷の斜面を後ろ向きで慎重に降りました。 
南西ルンゼで落とした手袋が下降中に発見出来ました。兎に角風が凄かったです。

朝きれいに除雪されていた道路が地吹雪で半分埋まっていました。日暮れまで小屋の周辺の樹林帯でスノーハイクして下山しました。 

 〔4/8〕帰る日はお昼までに下山しないと飛行機に乗り遅れる危険性があるので東稜は欲張り過ぎかなと思いましたが行けるところまでと云うことで出発しました。

スキーのトレースが何本もあり迷いましたが一番ハッキリした跡を辿りました。左に寄りすぎかなと思いましたがピークを巻いて効率的なルート採りやなと納得してトレースを辿りましたが尾根をトラバースしだして沢の底に到着しました。なんとスキーで滑り降りた後の帰り道を辿ったみたいです。尾根に戻るまで標高差200m近くの急斜面は消耗しました。

東稜は眺望が素晴らしく、雪は堅くて全く沈まず快適でした。 岩場は氷や雪が柔らかく不安定でピッケルで氷を叩き割ってダケカンバの枝を掘り出して手掛かりにしました。急な雪壁を登りきるといきなり山頂のナイフリッジに飛び出しました。

本峰が素晴らしい!!本当に優美な姿をしています。今まで登った中で一二を争う美しさです。感激しました。飛行機の時間があるので本峰は諦めて下山しました。下りはロープと捨て縄があれば安全かなと思いました。 

網走でメヌキとオヒョウのお造り食べました。こいつは旨いです。吟醸酒にピッタリですね。北海道の人は幸せな食生活をされていて羨ましいなと思いました。 
夏はまた日高の山に行ってみたいと思っています。 


【行動記録】
4/6 16:00知床自然センター→17:30愛山荘(泊)
4/7 5:20愛山荘→9:30〜10:00羅臼岳山頂→1:20〜18:00愛山荘→19:15知床自然センター 
4/8 6:10根北峠→9:30〜9:40東斜里岳山頂→11:30根北峠 

 

 

 

 

■いつも精力的に道東・知床周辺を探索されている米沢さんから、今回も山の記録と美しい写真を送って頂きました。道内在住ながら、未だ羅臼岳に足を踏み入れていない私として、このサイトで羅臼岳を紹介できることは何よりだと思っています。私もぜひ米沢さんの記録を参考に、一度この山を訪ねてみたいと思いました。(2009.3.6 管理人)

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