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    止別岳(1381.3m

/25000地形図  ペンケヌーシ岳

八ノ沢林道入口
止別岳へ登る最短ルート、直登沢出合付近
笹薮漕ぎの向こうには明るい稜線が感じられる
止別岳三等三角点の廻りは笹が刈られている。
止別岳頂上にて休憩
止別岳頂上から見る芽室岳は大きく立派だ

  日高町を流れる沙流川支流のパンケヌーシ川周辺にはチロロ岳をはじめ、ペンケヌーシ岳、芽室岳、ルベシベ山など1700mを越える山々が連なる。止別岳はその中に在って1500mにも満たない目立たない山であるが、立派に三角点が設置されている。一般的には「トベツ」と読むが、「ヤンベツ」という呼び方も耳にする。読み方の出所は不明であるが、後者の方が何となく北海道的で馴染める気がする。

 この山は78年前に一度踏んでいるが、短時間で登れ、上記の山々を違った角度から望むことが出来るという記憶から、再び目指してみたいと思った。当時は1000m以上の山ということもあり面白半分で登っていたが、意外に展望がきき、マニアックな山と片付けられてしまうには少々惜しい気がした。

 今ではメジャーとなったペンケヌーシ岳登山口の六ノ沢林道分岐を過ぎて、少し進んだ八ノ沢の林道から入る。この林道は以前、止別岳直登沢までしっかりと残っていたが、現在は一部分崩壊しており、崩壊個所には八ノ沢が流れ込んでいる。標高1000m付近が直登沢出合である。この沢の入口は藪も被っておらず、スッキリとしている。直登沢は、入口付近に何箇所か小さなナメがあり滑りやすいが、滝が1つもなく登り易い。1130mで二股となる。水流のない右股がピークへ向かう沢形で、細々と続く枯れ沢を石伝いに進む。背後には芽室岳の雄姿を望むことが出来る。標高1200mを越えると笹が被り始め、やがて本格的な笹藪漕ぎとなる。一部笹薮の急登となるが、前方には明るい稜線が見えていて勇気付けられる。我々は少し右よりに進んでしまったため、ピーク北側の稜線上に出てしまうが、5分ほどで三等三角点のある止別岳ピークへ到着する。以前はもう少し鬱蒼としていた記憶があるが、現在は笹も刈られ、以前よりも展望が良くなったように感じた。ペンケヌーシ岳、チロロ岳は樹林が少々邪魔するが、芽室岳方向は遮るものがない。高い山から低い山を見下ろすと、山は小さく平らに見えるが、逆の場合は高い山の姿は大きく立派に見えるものである。ここでは芽室岳、1726m峰の眺めが特に良い。10月にしては暖かく、しばし山座同定を楽しむ。

 下りは頂上から真直ぐ沢を目指して進むが、途中から藪尾根下降に変更する。足元に気を使いながら沢を下降するよりも、方向にさえ注意していれば藪尾根の方がずっと楽だからである。ただし途中でのルート変更は難しく、本来であれば下る前にピークで下降ルートを決定すべきであった。今回はラッキーなことに造材路跡が見つかり、難なく尾根筋への軌道修正を行うことが出来、4050分で八の沢の林道へ下った。

【狩猟解禁】

10月1日からは狩猟が解禁であった。八の沢林道入口には2台の車が止まっており、きのこ取りか釣り人と決め付けていたが、山に入る目的は多種多様であり、我々登山者も慎重な行動を考えなければ、双方に不幸な結果を招くことにもなりかねない。例えば身長を越える藪を漕いでいる場合等、クマと人間の区別は付けようもない。私はいつも藪漕ぎの時には「ヒグマのように」をモットーとしているが、本当にヒグマになってしまっては何ともいただけない話しになってしまう。

【参考コースタイム】

八ノ沢出合P 8:23 → 直登沢出合 8:47 → 止別岳頂上 10:11 、〃発 10:47 → 直登沢出合 11:33 → 八ノ沢出合P 11:49

メンバーsaijyo、チロロ2、yamada

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