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 三等三角点「山田峰」(756m)・・・札幌岳北側の端正なピーク

     

三角点頂上までもう少し

  

1/25000地形図 定山渓  

冷水沢川の流れ

 山田峰? 勝手に山名なんかつけちゃダメだと思った。しかし、今回Ikkoさんの誘いでこの山に登ることになり、国土地理院のHPで調べてみたところ、しっかり点名として記されていた。ひょっとしたら地形図にも載っていたかもしれないと思うと、貴重な一山として、私の中でにわかに値が増したのは事実である。道央自動車道を旭川方面から帰ってくる時、車窓から札幌周辺の山々が見えてくるが、札幌岳の右側に見える端正な山がいつも気になっていた。今回、それが「山田峰」であることが分かったのは一つの収穫だった。一年間で一番日が短いこの時期の山は選択が難しい。距離はそれなりにあるが、札幌岳の登山道を途中まで使えるという前提で、手軽な一山として、今回はこの山とした。

急斜面を登るIkkoさん (写真では急斜面に見えないが)
雪面から30cmのところに埋まっていた三等三角点「山田峰」

 札幌岳登山口の駐車場は雪に埋まっていた。路上には豊平峡ダム専用道路のゲート付近で立っているガードマンのものと思われる車が止められていた。Ikkoさんはオフロード車で無理やり駐車場に入ったので。私のコンパクトカーも何とか駐車場に入れることができた。冷水沢沿いの登山道には前日のものと思われるスノーシューとツボ足のトレースが続いていて、沢が林道と交差する地点まで楽に進むことができたのは助かった。その地点が「山田峰」への実質上の登山口となる。

 最初は針葉樹林帯の平らな雪面だが、途中から徐々に傾斜が増し気がつけばけっこうな急斜面の登りとなっていた。なんせ、私はスノーシューという道具は好きになれず、嫌うが故にこの道具にも嫌われている。私の取り付け方が下手くそなのか、この道具自体が山行の途中で取り付ける場合をあまり考えていないのか、靴底に雪が貼り付いている場合はすぐに外れてしまうから余計に面倒くさい。さらに言えば、深雪ではスキーと違って埋まりやすいし、スキーのようにも滑らない。個人的には中途半端な道具だと思っている。そんなわけで、Ikkoさんの踏跡を追うのに必死で、辺りを見回す余裕など全くなかった。

 そうこうしているうちに、気付けばコンタ900mの小ピークに到着した。三等三角点「山田峰」は、次の一番高い地点(コンタ960m)を通過して、さらに370m進んだ地点に埋まっているので、この小ピークからは少し遠い。時折、青空がのぞくが冬型の気圧配置なのか、北西風が強くて晴れている感じは全くない。小ピークから少し下り、山全体で考えれば本来の頂上であるコンタ960mで囲まれた地点に到着する。あまり頂上らしさはなく、単なる稜線上の一通過地点といった感じだ。そこを少し下って、さらに少し進んだところで、150mほど先に三等三角点「山田峰」が埋まるピークが見えた。ただ、山田峰のピークと言ってもこの地点よりも低く、そこを踏まずして山田峰に登ったことにはならないので行くだけである。

 先行していて先にピークに到着していたIkkoさんが、「山田峰」の標石を見つけたと言っている。見れば、雪面に刺したポールの下に埋まっているらしい。偶然にコツンと当たったようだが、偶然といったら本人に怒られるだろう。雪面を手で掘ってみたところ、30cmくらい掘ったあたりで標石が現れた。その上にはシカの糞も現れたが、こんなところで用を足すとは何とも迷惑千万な話だ。

 いくらGPSが示しているとは言え、やはり標石を見ると到着したという思いを強くさせるものである。

「山田峰」という目の前の小さな標石が、今の時代にもこの山全体を山田峰として印象付けている証であるからだ。札幌岳の大きな姿が雪雲の中から時折見えるだけで、他は霞んで眺望は良くない。遠くに平野らしきものがボッと見えたが、それも確かではなかった。(2018.12.24)

【コースタイム】定山渓神社 P 8:30 夕日岳頂上 10:05、〃発 10:10  756m峰「夕日岳」頂上 11:55、〃発 12:10 林道 P 13:55 (山行時間 5時間 25分)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo

 

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