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      燈明(577.5 m) ・・・人がいないのに明かりが灯る?山

国道228号から望む燈明岳

/25000地形図  「千 軒」

ゲート手前、送電線下の駐車スペースに車を置く
登山道はかなり被り気味
頂上から木古内湾と木古内市街、丸山、駒ケ岳を望む

  燈明岳という名の山は三つあり、いずれもこの山域である。知内町のホームページには「昔から人がいないのに明かりが灯るのでこの名があります。また、明かりが灯ると不吉な事が起きるとも言われており、頂上に祠があります」とあり、何となく気持ちの悪い山というイメージだった。当初の予定は桂岳だったのだが、林道ゲート前からウシアブに集られて、林道を進んでいるうちに唇が腫れ上がり、終いには頭もやられてしまった。矢も盾もたまらず殺虫剤を買いに一度木古内へと戻ったが、改めて林道へ戻る気分にもなれず、代替案として持ってきていた燈明岳へと山域変更する。襲ってくるウシアブよりはお化けや祟りの方がまだマシである。入山情報は山遊人さんの去年の記録と「一人歩きの北海道山紀行」sakag氏の記録をコピーして持ってきているので大丈夫。

 車の終点となる予定のゲート前にはカーナビに導かれて難なく到着する。送電線も通っており間違いない。燈明岳は登山道のある山で、しかも今日は今年から始まった「山の日」である。当然、他に登山者がいるものと思ってやってきたが、10時を過ぎたこんな時間にも関わらず一台も車が無く、誰も登ってはいないようだ。車外に出て準備を開始するが、ウシアブはかなり少ない感じで、せっかく買ってきた殺虫剤の出番がない。場所によっての発生状況はかなり違うのだろう。ゲートを潜って林道を進み、細い登山道へと入る。時期的なものか、少々夏草が被って鬱蒼とはしているが、明瞭な登山道は奥へと続いている。暗い雰囲気は少々不気味ではあるが、ウシアブに集られることを考えれば全くOKと思えた。時々視界が開けて七つ岳や木古内方面の山々が見えるのが良い。登山道は燈明岳の斜面を巻くように続いており、途中で下りながらも東側のコルへと向かう。下山は頂上から藪漕ぎで直接西側へと下って来た方が良いように思う。

頂上の祠 三等三角点「神馬山」は草むらの中 金麦は止めにした

 やっとのこと北面を半周、コル付近で90度方向を変える。そのまま真っ直ぐに進めば頂上と山遊人さんは言っていた。それにしても暑い。「こんな日にこんな急な登りは堪ったもんじゃない」が本音。そんなことを考えながら最後の登りに一汗も二汗もかく。と、突然、バサバサバサと大きな動物が左側の藪の中から飛び出したようだ。こちらは突然のことに冷や汗。思わずウォーと大声を上げる。23度大声を出すと、向こうからは「ピ〜ピ〜」との返答。シカだった。悪い冗談は止せよ・・・ 正体を知らせてくれたのはありがたいが、野生動物であるなら、こちらの鈴の音に逸早く気づいてほしいものだ。何度かエールの交換をした後、彼は下方へと下って行った。

 途中、古い作業道の横を通過する。見るからに暑そうだ。いよいよ燈明岳か・・・ 遠く離れた松前半島に三つの燈明岳を地形図上で見ていただけに、やっとこんな遠いところにまで足が運べるようになったことには感慨深いものを感じた。傾斜が緩むといよいよ頂上、辺りが開けて壊れた?祠前に到着となる。草はぼうぼうだが、その中に三等三角点「神馬山」を見つける。反対側へと下って行く立派な刈り分け道がある。山遊人さんから聞いていた奥丸山や知内岳への開削道だろう。燈明岳をやる時にはこれらの山々もセットと考えていたが、さすがに暑すぎて全く行く気にもならない。もっと涼しい時期、出来れば積雪期が良いだろう。金麦・・・ ここでは止めておくことにした。祠の後ろへの侵入も止めることにして、おとなしく来た道を下ることにしよう。何たって祟りのありそうな山だから。頂上からは木古内湾を挟んで木古内の町や丸山、横津岳、駒ケ岳まで見える。尖ピークだけあって、さすがに眺望が良い。

 江差の姥神大神宮渡御祭に合わせて、簡単に登れる山ということでやって来たが、この山も含めてこんな真夏の連日の低山歩きは少々キツいものがある。山のイメージそのものも悪いものになってしまいそうだ。やはり3月〜4月か、11月〜12月の涼しく虫のいない時期に出直してみたいものである。 (2016.8.11)

【参考コースタイム】 ゲート前 10:50 →  燈明岳頂上 11:50、〃発 11:55  → ゲート前 12:35  (登り 1時間、下り40分)

メンバーsaijyo

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