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       当別・(500.0m)

四番川から見る丸山

 1/25000地形図「四番川」

丸山の頂上付近は少し高くなっていてすぐに判る
コンタ270m林道分岐に車を停める。この分岐で間違える
西の肩へと向かう作業道路は雨裂が入り荒れている

道内最多の山名である“丸山”、今回は時間もあまりないので近間で済まそうと当別町四番川の丸山を訪れることにした。地形図上にも山名があり、地形的な手頃感からか積雪期にはよく登られているらしい。私の場合と同様で、冬期間も時間がない時のお助けの一山となっているようだ。現在はマイカーを使って札幌からは数時間で行き来できる四番川だが、以前は陸の孤島と呼ばれた時代もあった。明治39年、この地区への初めての入植者があり、大正15年の青山トンネルの開通で浜益方面への交通の要衝となった。戦後は緊急開拓指定地域となって最盛期には小学校や中学校もあったそうだが、現在は無人となっている。そもそもは丘陵傾斜地が多く土地自体もあまりよくないため、飛躍的にアクセスがよくなった現在では人々がここで生活する意味合いも薄れたのだろう。当別ダム(現在は工事中)側から四番川へ向かうと、丸みのあるこの山の山容が見えてきて四番川到着を教えてくれる。高さはちょっきり500m、これといった特徴はないが一度覚えれば忘れることのない山容である。

付近は道有林で、五番川の「かわむら橋」を渡ってすぐにゲートがある。この日は幸運なことに開放されており、そのままコンタ270mの分岐まで車を乗り入れることにした。ここまでの林道はしっかりとしており、走行には何ら支障はなかった。ここからはこの山の西の肩へと伸びる地形図上点線で示された小道?をたどることにするが、林道はそのまま延びてすぐに下り出す。地形図上には載っていない林道で、うっかり間違えてしまった。一端戻り、この分岐から山側へ100mも進まないうちに目的とする古い作業道があり、自分の読図のちょっとした詰めの甘さを思い知らされる。この作業道は現在使われていないようで、藪が被っている上に雨裂が深く刻まれていて車両での通行は難しい。作業道と考えれば決して快適とはいえないが、これを純粋に登山道だと思い込みさえすれば、かなり良いほうの部類と満足できるだろう。既に廃道となっているようで、今後はさらに荒廃が進んで行くことだろう。ヒグマの糞も数箇所に見られ、そちらへの注意も欠かせられない。台地上が近づくと逆にしっかりとしてくる。南側の山腹をぐるりと回って東側から入ってきている道路がメインとなっているようで、残っているタイヤ痕を見る限り、台地上に飛び出したこの辺りが林道の終点となっているようだ。

三等三角点「丸山」

ここまで来れば単なる道路歩きだが、初見の山とあってはやはり頂上への期待は大きい。頂上付近は少し高くなっているのですぐに判る。付近には何本かの刈り分け道が入っており、ふとタケノコ園でも作っているのかと思ったが、道有林内でそんな怪しげな商売をするわけもない。おそらくは植林のための笹刈りだろう。この刈り分け道を利用して出来る限り頂上へと近づくことにする。最後は密度の濃い背丈を越す笹薮となる。いつもの薮山山行を考えればある意味ほっとさせられるが、三角点探しにはひと苦労させられる。三角点は全くの藪の中に埋まっており、ぐるり見渡しても見えるものは笹薮ばかりだ。しかし、こんな状況でもやはり三角点発見には格別のものがある。真夏日のこの日、ありえない山域選びの中で唯一充実感を感じられたのはやはりこの瞬間だった。

さて、下山である。強烈な竹籔をひと漕ぎするとすぐに刈り分けに戻る。下りは東側から山腹を巻いて下る林道を使うことにする。ピークハンター・Ko玉氏も昨年この山へ来ているそうだが、隣の察来山とセットで一日二山をやっているとのこと。我々も当然のことながら察来山も視野に入れていたが、残り少なくなった札幌近郊の手軽な山、こんな暑い日にそう先を急ぐこともないだろう。あとは沿道にアジサイが咲く林道をひたすら歩いて下るのみである。

この山行を振り返り、行動自体はタケノコ採りのそれとあまり違うものではなかった。Web上には冬の記録しかなく、樺戸山地の山々や別狩岳などの写真で展望の良さを印象付けられてきたが、夏のこの山に関していえばとても登山という感じではない。道路歩きも含めておよそ展望というものはなく、当別丸山に登頂したという事実のみであった。この山に登るとすれば、やはり籔が雪に埋まる積雪期がよいようだ。(2011.7.31)

【参考コースタイム】 林道・分岐 P 8:15 → 当別・丸山頂上 9:15、〃 発 9:25  → 林道・分岐 P 10:15  (登り 1時間、下り 1時間 )

メンバーsaijyo、チロロ2

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