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  突角山(1059.4m)

/25000地形図  「中愛別」「上 川」

386m標高点のある分岐に車を止める
コンタ800mを過ぎると傾斜も緩くなる
頂上は前方の丘の上

南日高の名峰・ピリカヌプリを終えたEIZI@名寄さんから、携帯電話に明日の予定の山へ同行したいとの申し出がある。富良野や夕張周辺、北大雪など幾つかの候補を考えるが、この地域の山をほぼ登り尽くしているEIZI@名寄さんとの山域調整は難しく、結局何度か訪れていて、よく山域を知っている“上川三山”に白羽の矢を立てることにする。

突角山は上川町の北に位置する、地形図上に山名の載った1000mピーク三山(突角山・摺鉢山・天幕山)の一角である。どの山も冬期の日帰りツアーには格好の山であるが、とりわけこの突角山はアプローチが最も容易な山である。とは言え、厳冬期には除雪終了地点である最終人家からラッセルをしなければならず、それなりの労力は覚悟しなければならない。この山域は以前に所属していた山岳会では“上川三山”(上川町の1000mピーク3)という通称で親しまれ、新人会員の冬山入門コースとして、その魅力を十分に紹介することが出来る手頃な山域であった。

頂上から見る大雪山 頂上から天塩岳

今回は5月ということもあり路上の雪は消え、386m標高点のある林道分岐まで車を乗入れることが出来る。分岐に車を置き、突角山へ向う林道を登って行くが、コンタ510mの林道の屈曲地点までの路上にはほとんど雪はなく、RV車であれば、難なく乗入れも可能であろう。屈曲地点には78mの滝があり、滝の落ち口にはピンクテープが結ばれている。夏にはこの沢を詰めて、尾根上の藪漕ぎによって突角山の頂上を落とすことも可能であるのかもしれない。

 屈曲地点を回り込み、残雪のある林道上から広いなだらかな尾根上へ入り頂上へ向う。尾根上は植林されたトド松の若木で覆われていているが、整然と並ぶ樹林は天然林と比べても遜色がない美しさである。コンタ650m付近からは急傾斜の登りとなり、先頭を交代しながらキックステップをきる。コンタ800m付近まで登ると斜面は緩くなり視界も開ける。今回の山域選びで候補になっていた、辺恵山(715m)を真正面に見ることができ、駐車地点の林道分岐もはっきりと確認することができる。ここからは傾斜の緩い広い斜面を頂上へ向けて一直線に進む。コンタ860m付近からは頂上部が小高い丘となって現れる。再びキックステップで急斜面を登りきると頂上が見えてくる。

“根開き”に嵌る

頂上部は東西に細長く、南側には雪庇が張り出している。南側の傾斜は緩く、崩れる心配はないが、雪庇の付け根付近は雪も不安定であり落し穴に落ちてしまうのも嫌なので、できるだけ樹木のある尾根上を進む。直ぐに頂上到着であるが、さすがに1000mピークの展望である。以前にこの頂上へ立ったときには全く視界は利かなかったが、今回は想像していた以上のパノラマが広がる。天塩岳はじめ、表大雪の山々、ニセイカウシュッペ山、遠くはチトカニウシ山や道北の白く輝く峰々など、山座同定に時間を忘れる。特に国道39号線側は遮るものがなく、すっきりとした展望が広がる。

 下りは本来であればスキーの滑降にはもってこいの山であるが、今回はツボ足登山であるため、同行したスキーの名人EIZI@名寄さんは、スキーの代わりにビニール袋でシリ滑りを楽しんでいる。楽しみ過ぎか、根開き(幹の周りの雪が解けて穴状に開くこと)に見事に嵌まってしまい身動きができなくなる。これも、この時期ならではのご愛嬌といったところか…?

 山には雪が残り、麓にはヤチブキが咲き、ふきのとうやギョウジャニンニクも出てくるこの時期、“山を遊ぶ”には一番の季節である。(2004.5.3)

EIZI@名寄さんの突角山・山行記

【参考コースタイム】 386m林道分岐P 7:00 → コンタ510m屈曲地点 7:25 → 突角山頂上 9:30、〃発 10:05 → 386m林道分岐P 11:15

メンバーEIZI@名寄さん、saijyo、チロロ3(旧姓naga)

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