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    (372.3m) ・・・中国人に乗っ取られた?地味な山

     

道道573号から見た丸山

  

1/25000地形図 野田追岳  

丸山頂上の漢詩が書かれた立看板
登山口となる大倉バス停
スタート地点の釜別沢を渡渉

  児玉さんの全山登頂本に取りかかって約2年、久々に藪山に戻って来た。その間、体重も増え、腰椎のヘルニアの状態も今ひとつ。今回目指す山は、西高東低の気圧配置で荒天予想の健八流に代えて、内浦湾側の八雲の丸山となった。私としては登れるのならどこでも良かった。

 誘ってくれたIkkoさんによれば、sakguさんのホームページに載っているとのことで、そのページを印刷して持ってきていた。細かくは見ないでルートだけ見た。なるほど、川の渡渉があるので、下流から作業道跡を利用して尾根上に乗っているようだった。であれば我々は別ルートからということで、どこか良いルートはないかと考えたのだが、結局、ピークへ最短で到達できる林道の最短地点からの東斜面直登となった。

 釜別沢は長靴なので簡単に渡ることができたが、斜面はかなり急。Ikkoさんは頂上まで約400mと言っているが、この際距離などどうでもよい。斜面の角度と標高差、そして藪の状態である。笹藪だが中途半端に雪が積もっているので、かき分けると頭から雪を被り、たちまち雪だるま状態となる。だが、人が行かないルートは気持的に新鮮で、みるみる標高が上り、対峙している尾根の向こうに内浦湾が見えてきた。久々の藪漕ぎ登山に我を忘れ、ひたすら登ったが、結局のところ以前のような体力などなく、途中でIkkoさんに先頭を託した。

 倒木が酷いとIkkoさん。よく見れば自然倒木ではなく、斧の入った切り口である。ほどなくかなり開けた頂上に到着。何やら中国語の書かれた新しい看板が立っていた。こんなところも中国人に土地を買い占められてしまったのかと驚いたが、後でsakagさんのホームページを見て判ったが、この土地に縁の人の漢詩らしい。「たいせつにしよう三角点」は真新しいプラスチック製で、Ikkoさんによれば、sakagさんの登った時の写真とはかなり様子が違うらしい。その後に測量が入って木を切り倒して視界がきくようにしたのだろうとのこと。

 大事なものを忘れてきてしまった。「金麦」である。三角点とのコラボ写真を撮ることが出来ず、そのまま下山開始である。自分のホームページで藪山復活をアピールするつもりだったが、まだ時期尚早ということだろう。

 下山は急な分だけ速く、ゆっくり慎重に下ったつもりだったが、約30分で車の止まる道路にとび出した。全身ずぶ濡れ状態だった。

【コースタイム】林道 P 7:35 丸山頂上 9:00、〃発 9:05 林道 P 9:30 (登り1時間25分、下り25分)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo

   

      

  

  常丹山(405.9m) ・・・私有地通過は?

  

1/25000地形図 山 越  

林道と私道の分岐に車を止めた
常丹山頂上は藪の中

 丸山下山後、久々の冬山の寒さを肌身で感じ、藪山チャレンジの最初の気概は完全に失せてしまった。この日2山目の常丹山はスタートから持ってきたsakagさんのホームページの印刷が頼り。広い林道や作業道を歩く藪漕ぎではないことを裏付ける写真に勇気付けられた。

頂上で標石を探すIkkoさん

 車を道路分岐に置いてスタート。5分もすると向こう側から4WD車がやってきた。私より10歳くらい年配の爺さんが車から顔を出した。「直ぐ先にヒグマがいたよ。ここのすぐ先だ」とのこと。となりの酒谷山のヒグマの糞だらけの林道を以前に見ていたので、別に普通だったが、この爺さんは常套手段で脅してきた。「笑わせるな・・・誰でも考える程度のレベルだぜ!」私はそう思った。愛想は良いが、どことなく我々を疑っている目つきはすぐに分る。聞けば、ここは私有地で、ここに入る登山者が道路奥の施設から発電機を盗み出したりゴミを撒き散らしたりした上、植えているアイヌネギも刈って行ったとのこと。正直なところありえないと思った。ただ、立看板でも立ってなきゃアイヌネギ採取は有りか・・・とも思った。いや、おそらく私やIkkoさんならアイヌネギは刈って行くかもしれない。天然ものか植えたものか、そんなの分るはずはないからだ。この爺さん、おそらく毎日見張りに来ているのだろう。猜疑心のこもった目つきは見れば直ぐに分るもの。私もだてに60年も生きてきたわけではない。

 ここで一つ考えてみたが、常丹山へ入る登山者はかなりマニアックな部類の人間で、もちろんピークハンターくらいしかやって来ないだろう。そんな山ヤにしてみれば、発電機など単なるガラクタか粗大ゴミ。新品が道路に落ちていたって障害物以外の何者でもない。真の登山者はそんなセコイことなどしない。とりあえず、私有地立入りは許可すると言って爺さんは走り去っていった。

 谷間の建物群から尾根上へと続く作業道跡を辿ると、尾根上で立派な林道に出た。これから常丹山へ入る御仁には、分岐からこの林道を歩くことをお勧めする。確かにここで小ぶりだがヒグマの新しい足跡があったので、あの爺さん、嘘は言っていないようだ。だが、あらぬ疑いをかけられてはやはり感じの良いものではない。

 sakagさんのトラックログとすっかり一致、まずまずである。途中で左へと分かれる作業道跡があったが、様子を見るためにもう少し先まで林道を進むことにした。トラックログは常丹山頂上部の北西側に張り出した小尾根の西側となっていたので、そちらに向う集材路跡を登ると、分岐からの作業道跡に出た。そのまま登り詰めたところで、頂上北西側のコルとなり、あとは軽い藪漕ぎで頂上に出た。頂上からは内浦湾や八雲の市街地が見渡せ、当然だが持ってきたsakagさんのHP写真と同じ眺望が広がっていた。

 下山中、私有地を通過していてIkkoさんが「あの爺さんまた見に来たね」とひと言。確かに我々の足跡が新たなタイヤ痕で消されていた。ふとIkkoさんを見て思ったが、いくら我々が登山者だと説明したところで、普通の人が登山者だと思うスタイルとはかけ離れていることに気付いた。藪山愛好者はマイナーな分だけ、一般的には挙動不審者と紙一重なのかもしれない。(2018.11.24)

【コースタイム】 道路分岐 P 10:35 常丹山頂上 11:40、〃発 11:50 道路分岐 P 12:25 (登り1時間 5分、下り35分)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo

 

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