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      天狗(1553m)、有明山(1634.8 m) ・・・登山口にもなかなか到着出来ず

有明山から望む天狗岳

      

/25000地形図  「平 山」「北見峠」

第二駐車場と書かれたところに車を置く
意外にも立派な登山道があった

 北大雪の天狗岳と有明山は一度は訪れたい山だった。いつも紋別自動車道の車窓から眺めていたが、いつもの藪山低山とは違って標高も1500mを超える立派な山で、雪を被った山容は見事そのものだった。地形図上には夏道が載っており、であれば、いつでも登れると思っていたこともあって、ついついこの歳になるまで登りにくることはなかった。

スキー場上部から振り返る

 休止となっている北大雪スキー場がこの山へのアプローチ。まずはカーナビで北大雪スキー場を目指す。スキー場が近づいたところで、右へ入れとの指示。言われるままに林道へ入って行くとかなり荒れた感じで取水場となる。スキー場は荒れているだろうから、登山口も荒れているのだろうと地形図を眺めてみたら、スキー場は確かに近かったがクワキンベツ川沿いの林道へ入り込んでいた。しまった! またやってしまった。先週の庄司山に続いて、同じ失敗を繰り返してしまったことに気付く。カーナビによる単純な失敗であった。林道を戻り、改めてスキー場の正面入口を目指す。

 スキー場が近づいたところで、天狗岳登山者への案内・休憩施設のような標識が見えたので行ってみたが、さすがにウィークデイのためか閉まっていた。地形図を見てみると、そこから破線がスキー場の上部へと続いていたので、車を施設の前に駐車して出発とする。破線の出発地点へ行き、スタートとするが、雑草が茂っていてかなり荒れた様子である。クワキンベツ川の遅れを取り戻そうと急ぎ足で進むが、けっこう被っていて、かなり荒れた感じである。ところどころ判然としないところもあり、この山は夏の登山者など居なくなったのだろうと思った。さらに進んだところで、完全なる藪漕ぎとなり、このままではスキー場の上部にも到達できないだろうと感じる。いくらなんでも登山道の形跡くらいあっても良いのではないかと、平らなところを選んで進むが、完全なる笹薮漕ぎとなってさすがに無理と判断、引き返すことにする。ひょっとしたら間違っているのかもしれない。そんな不安が頭を過ぎる。

帰り道、ピンクテープがあって、荒いが笹刈りがなされていたので、入ってみる。さらに奥にピンクテープがあり、そのまま進んでみたが、こちらも最後は藪漕ぎとなる。帰り際、小沢をのぞいてみると先が赤く塗装されて木杭が打たれており、測量か何かの作業用のピンクテープと判明する。結局ダメか・・・ 悔しい気分で、スキー場へと出てみた。すると何やら掲示されている。中身を読んでみると7月に開催された大雪山ウルトラトレイルの案内板で、放置されたままの登山者への注意書であった。とすると、ここが天狗岳への登山口か! 何と、あまりにも立派な道路である。登山道がまだまだ健在であることを知る。

天狗岳が間近となる 天狗岳手前のポコから頂上
天狗岳頂上から見た有明山 ・・・何とも遠い 有明山頂上にていつもの写真

 2時間ほど時間を浪費してしまったが、行けるところまで行ってみようとすぐにスタートする。森の中を大きくカープしながら上へと向かっているので、この道でほぼ間違いなさそうだ。途中、リフトの横に踏み跡が続いていたので、これを利用してショートカット、第一リフトの終点となる。第二リフトから先は急斜面。その急斜面をつづらで登山道は続いている。先ほど藪を漕いだところはこの下あたりで、あのまま漕いでいても、おそらくここに飛び出していたことだろう。しかし、確信が持てなければ、ここまで漕ぎ通すことは出来なかった。まあ、仕方がない。私の気持の弱さである。岩内国際スキー場でも同様のことがあって、荒れたスキー場は舐めてかかると酷い目に遭うことをつい思い出してしまった。

有明山の途中で見た樹氷

 つづらの登りは辛いものがある。樹林帯であれば見通しが悪いので、進んだ距離は判らないが、これだけ見通しが良ければ、いかに登っていないかが一目瞭然だ。何度も一息つき、進まない距離につくづく歳を感じる。山行中で一番辛いところである。第二リフトにはやっとの思いで到着、時間的な遅れが気になるところ。第三リフトまではほぼ真っ直ぐで、途中までは急傾斜だが最後は緩くなって到着となる。ここからがやっと登山の開始といった雰囲気である。反射板のある1313mピークまで登ると目指す天狗岳が真正面に見え、高山的な景観となる。ここまで1時間ほど。まだまだ、行けそうなコースタイムだが、体はヘロヘロ。

 しばらくは平らな登山道となり気力回復。1468mへの登りとなる。ここも辛いが、そもそもが最初の浪費のため、時間を取り戻そうと急ぎ過ぎたための疲労である。ここは落ち着いてマイペースで行くに限る。頂上手前で小さなコブとなり、下って登って天狗岳となる。ただ、下れば帰りは登りとなり、帰路では難儀しそうだ。鎖梯子を登って手前の小ピーク、すぐに祠のある天狗岳に頂上となる。祠の先の最高地点は積み重なった岩の上で、展望が素晴らしい。

 さて、有明山だが、けっこう遠く感じる。止めるか行くかで迷うところだが、帰りの登り返しは考えただけでも疲れそうだ。既に時間は正午を過ぎており、時間的には厳しい。でも、今行かなければいずれ再びここまで来なければならない。1時間だけ進んで、1時間で戻ってくることにしよう。とりあえずはコルまで下って体力と時間を考えてみようと思った。だが、下ってみると意外に近く、登り返しも大したことがない。難なく有明山頂上に到着となる。やはり思い切って天狗岳を下ってみて正解だった。山では見た目の錯覚につい引いてしまう自分と、地形図を信じる自分との鬩ぎ合いとなるのはよくあること。経験というのはこんな場合に生きて来るものだ。二等三角点「有明山」に金麦を立てて記念の1枚。通過してきた天狗岳もここから見れば尾根上のポコに過ぎない。これでこの日のノルマは完了。帰路の登り返しなど完全に頭から消え、後は往路をゆっくりと引き返すのみだった。(2016.10.4)

 【参考コースタイム】 天狗岳登山口 (北大雪スキー場) 9:50 → 天狗岳頂上 12:10 、〃発 12:25  → 有明山頂上 12:50 、〃発 13:00 → 天狗岳頂上 13:40 → 天狗岳登山口 (北大雪スキー場) 15:15  (有明山まで 登り3時間、下り2時間15分)

メンバー】  saijyo

リフト終点から続く登山道

 真正面には「鹿砦」が見える

 リフト終点を過ぎて見えたチトカニウシ山

 1313mピークから見た支湧別岳

天狗岳へと続く道

天狗岳手前から屏風岳を望む

武利岳をズーム

天狗岳頂上からのパノラマ

有明山頂上 オオカメノキ?と天狗岳

帰路、天狗岳を見上げる

 

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