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     1185m「点名;多牛別」(1185.0m)

 

夕暮れの糠平湖と多牛別山

1/25000 「幌 加」

多有珠別林道の途中が取り付き地点

幌加の除雪センターに貼っていたポスター    渇水期のタウシュベツアーチ橋梁

 東大雪・糠平湖周辺には二ペソツ山やウペペサンケ山、石狩岳といった北海道を代表する有名な山が多いが、三角点名のみで山名がない、でも立派に“山”であるといったピークも数々ある。その中で今回目指したピークは糠平湖東側に位置する1185m三角点(点名・多牛別)であるが、静かな素晴らしい山頂の展望を独占することが出来た。もし夏道があり、“多牛別山”もしくは“タウシュベツ山”とでも記載されていれば、きっと東大雪の素晴らしい展望台となっていて、多くの登山者を迎え入れていることだろう。

東大雪周辺は豊かな森林が広がり、以前に運行されていた士幌線は正に森林鉄道といった趣を感じさせてくれた。白樺の林間を走り抜ける列車の光景は鉄道ファン為らずとも思わず魅了される素晴らしさがあった。糠平〜十勝三股間だけでも運行されていれば、今の時代であれば、おそらく多くの観光客で賑わっていることだろう。現在、その士幌線が残したアーチ橋が文化遺産として脚光を浴びている。目指す多牛別への砂利道に沿って士幌線・旧線が走っていたとのことで、そのアーチ橋の中でも最も有名な「タウシュベツ・アーチ橋梁跡」が途中にあることを立寄った幌加の除雪センターで知った。林道を走っていて、行き交う車の数には驚かされる。晴天に恵まれた連休ということもあるが、パンフレットに載っている、何か洋画のモチーフともなりうる白い朽ちた橋梁は西欧風の古城を連想させ、なかなかの魅力である。昭和史の一コマであるが、それ以上に歴史のロマンを感じさせるから不思議である。現在、この橋梁群を守るために「NPOひがし大雪ア−チ橋友の会」が結成され活動しているそうであるが、これからの地域文化の一つのあり方として大いに期待したい。

斜面の下草は薄い 二ペソツ山も真正面から見える
多牛別頂上にて 視界が開け、背後には石狩連峰が広がる

目指す多牛別三角点へはこの“遺跡”からさらに林道を進み、タウシュベツ川沿いの多有珠別林道へ入る。地形図上、コンタ650m二股が取り付き地点である。紅葉の最盛期ということもあり、斜面を見ているだけでも十分に目を楽しませてくれるが、他の時期であれば決して魅力のある山とは思えない。何時ものことではあるが、何の変哲もない樹林帯へと足を踏み入れる。道内の藪山は根曲がり竹に行く手を阻まれることが多いが、この山の違うところは下草が少ないことである。鬱蒼とした森林に覆われた北斜面であることが大きな要因であろうが、根曲がり竹そのものもほとんど見られない。急斜面をぐんぐん登って行く途中、集材路跡が何度も現れるが、藪漕ぎのない斜面は真っ直ぐに登るのみである。地形図上の距離はかなり短く、登山と言うには少々おこがましい感じさえするが、この傾斜では体力のない私には時間を要しそうである。

コンタ900m付近で一旦視界が開けるが、背後に広がるパノラマには圧倒される。展開する東大雪の山々は石狩連峰や二ペソツ山の真正面である東面など、角度的には願ってもない位置にある。しかも他の登山者もなく静かであることは正に北海道らしい贅沢さと言える。再び森林帯となり後は登り詰めるだけである。先頭を行く八谷氏夫人の「頂上に着いたよ」という声に元気を与えられる。見ると上り詰める先には同行メンバーが小さく映っている。あそこが頂上か…付近の樹木はきれいに伐採され頂上が鋭角的に飛び出している。

にわかに視界が広がり、“多牛別”山頂に到着する。三角点は最近整備されたのか、真新しい杭も周りに設置されている。作られた頂上といった感は否めないが、それにしても立派な頂上である。ウペペサンケ山から三国峠へ至る東大雪のメインとも言えるスカイラインが見事に展開している。山の時計のEIZI@名寄さん、持ってきたデジカメはバッテリー切れとのことで、丹念にスケッチをしているが、スカイラインの特徴を見事に捉えた腕前はなかなかのものである。写真を見てのスケッチとは違い、目の当りにする山並をじかに表現することによって、書く者の感動が一緒に伝わってくるのかもしれない。足もとの林間には白く輝く糠平湖が映っている。

山名が無くてもここは立派に多牛別山である。タウシュベツ・アーチ橋梁と多牛別山、当初は考えてもいなかった組み合わせが、秋の素敵な一日をプレゼントしてくれた。(2005.10.9)  

「山の時計」by EIZI@名寄さんの山行記へ

【参考コースタイム】 コンタ650m二股P 10:50 → 1185m峰「多牛別」頂上 12:40、〃発 13:25 →  コンタ650m二股P 14:20 

メンバー】L.hachiya氏、m.hachiyaさん、、 EIZI@名寄氏、saijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓Naga)

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