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      丸 山(622.0m) 

のっぺりとした山容の白老・丸山

1/25000地形図「飛 生」

林道分岐に車を停める
山行は終始深い藪の中

 白老の奥に位置するタクタクシヌプリは地形図上では丸山と記載されている。積雪期にオロフレ峠へ向う道道2号線から加車山を越えてこの山へ登ったという記録をWeb上で見たが、無雪期の記録はどこにもなかった。我々は登別温泉から白老へと続く林道からのアプローチで、飛生川上流に面した南面の一番急な斜面から藪漕ぎで頂上を目指す。午前中はKo玉氏のたっての希望で倶多楽湖・外輪山の西側に位置し、同外輪山の最高地点ともなっている四方嶺の三等三角点(549.3m)を見学に行く。のぼりべつクマ牧場の敷地内にあり現在は立入禁止となっているが、同牧場には予め許可をもらい、職員立会いの下での見学である。この時のKo玉氏のことが下記の同牧場公式ページ「クマ山ブログ」に載っているが、一般的な観点から見て、我々の目指す登山が変わっていると見られてもおかしくはないのかもしれない。

  さて、丸山に話は戻るが、林道上・314m標高点から、飛生川上流沿いに続く作業道へ入り、三角点が一番近いと思われる地点まで進むことにする。この作業道へ入るとすぐに大きなヒグマの糞のお出迎えである。クマ牧場でヒグマをたっぷりと見て来た直後だけに、イメージ的にはかなりリアルなものがある。途中に作業道の分岐があり、ここらで良かろうとの話になり、笹藪へ突入する。沢へは根曲がり竹の強烈な藪、沢からは息つく暇もなく藪斜面の登高の開始である。出発の時点ですでに正午を過ぎており、気持的には多少の焦りを感じる。単なる藪漕ぎのみの山行であり、確実に登って行くより術はないが、登り一辺倒の藪斜面は短くても意外に時間を要するものである。せめてもの救いは最初に沢へ下降した辺りの藪と比べ、登りでの藪は多少薄く、腕力で押し開くことが可能な範囲というところだ。

丸山頂上到着で万歳するチロロ2さん

  当日の予想最高気温は28℃と出ていたが、この暑い日に長袖を着ての全身運動はかり堪える。長袖を忘れてきたKo玉氏の職場の友であるYoneちゃんは雨具の上着を着ての藪漕ぎとなり、見ているだけでも暑苦しさこの上ないといった様子である。途中、大木が根こそぎ倒れ、乾いて砂地となった斜面が数箇所ある。登れども、登れども、なかなか稜線上とはならない。沢の取り付きから約1時間半でやっと傾斜が緩む。植生の様子はまるで変わらないが、頂上台地へ飛び出したことは確かである。三角点には拘らないYoneちゃんを藪中に残し、Ko玉氏と地図がガイドチームは標石探しに向う。こんな平らな笹薮の中ではGPSが有効であるはずなのだが、藪が高いせいか正確に衛星を捕捉できないようで、距離も方向も大きくズレて表示される。地形図を見ても辺りの地形は平らで変化に乏しく、ましてや標石が必ず最高地点に埋まっているとは限らない。最後は得意の“臭い”だが、午後発ということで、翳りはじめた日差しに頼りの“第六感”も空振りとなる。ただし、冬期に付けられたと思われる頂上を示すピンクテープだけは確認できた。ひょっとしたら、倒木の下に隠されているのかと、30分以上も倒木の下や周辺をくまなく見たが、やはりダメだった。

  こんな藪中に一人を残しての行動は、普通は考えられない。Ko玉氏曰く、笹を折って目印を付けて来たから大丈夫とのこと。確かに薄っすらと残る掻き分け跡を辿ると折れた笹が続いている。GPS否定派の彼特有のサバイバル術とでもいうか、衛星がキャッチできない状況下ではより確実な方法とい言ってもよいようだ。冬場であれば効果的な文明の力も、夏場の藪漕ぎでの頼りすぎは禁物である。声を掛けつつ下山方向に進むと、Yoneちゃんの声がだんだん近づいた

  明瞭な四方嶺の三等三角点、付近は立入り禁止となっているが、クマ牧場内では最高の眺望である。変わって、丸山頂上は深い藪に覆われ眺望は全くなく、およそ夏場の訪問者は皆無のようである。午前と午後に渡り、別の意味で熊の気配が濃厚に感じられる両ピークを踏んだ一日であった。(2008.8.17)

 クマ山ブログ のぼりべつクマ牧場公式ホームページより抜粋

2008817

みなさん、こんにちは。

さて、みなさん。「最近のクマ山ブログはあまり更新されないばかりか、クマ以外の話題ばかりじゃないか・・・」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。でも、今回もクマが登場しない記事です!すみません!!

実は今日、クマ牧場に面白いお客様がいらっしゃいました。クマ牧場にクマを見に来たんじゃなくて、石の標識を見に来たそうです。

みなさん、三角点ってご存じですか?「三角点とは、三角測量に用いる際に緯度・経度・標PhotoPhoto_5高の基準となる点のことで、測量法で定められている測量標の一つであり、永久標識に分類される。通常、見晴らしの良い場所に設置されるため、高山の山頂付近に設置されている場合が多い(『ウィキペディア』より)」なのだそうです。クマ山の山頂には三等三角点があります。私もその存在は知っていましたが、三角点とはどのような意味があるのかも詳しく知らず、ましてやその石柱を見るのを目的にクマ牧場にいらっしゃったお客様にお会いするのは初めてだったので、ちょっと面白いなぁと思い、皆さんにもお知らせしたくなりました。

そのお客様は登山愛好者のグループで、牧場のクマにはわき目もふらず三角点にまっしぐらでPhoto_3向かって行かれました。全道の三角点巡りをしていらっしゃるそうで、三角点の前での記念撮影では「綺麗な三角点だ」と、とても満足そうでした。さすがに、お帰りの際にはお仲間の一人に「せっかくだからクマも見ていきましょう」と促されて、ようやくクマを見てくれていましたが、いろんな楽しみを持った方がいらっしゃるなぁと、あらためて感じたひと時でした。

晴れた日、クマ山からの景色は本当に見事ですよ〜〜〜♪

【参考コースタイム】林道分岐P 12:50 藪漕ぎ開始地点 13:00 白老・丸山頂上 15:10、〃発 15:55 藪漕ぎ開始地点 16:45 林道分岐P 16:50  (登り 2時間20分、下り 1時間40分)

メンバー】Ko玉氏、Yoneちゃん、saijyoチロロ2

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