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       支湧別岳(1687.7m)

 

/25000地形図  「上支湧別」

沢の上部は開けて歩きやすい
林道終点付近は以前と比べ鬱蒼としてきた
林道終点付近は以前と比べ鬱蒼としてきた
林道終点付近は以前と比べ鬱蒼としてきた
滝は登りやすいが、滑りやすいので注意が必要である
滝は登りやすいが、滑りやすいので注意が必要だ

  支湧別岳は道東・喜登牛山と共に地図上ではよく見かける山であるが、どのガイドブックにも紹介されていない。以前「北の山脈」(北海道撮影社刊)39号に載っていたパンケ支湧別川からの遡行記録を見て、2度ほど同じルートを辿ったことがある。滝が連続しており意外に面白い沢であったのを覚えている。 今回のルートはこの時とは違い、1020m二股から右股を辿るルートである。リーダーの北見・熊プーさんから頂上からの下山ルートの情報があり、下りで水に浸からなくてもよいルートがあるということを知り、どんなルートか楽しみにしていた。

パンケ支湧別川の740m三股右股から入渓する。1020m二股までは以前と同じルートである。以前と比べ流倒木は少なくなり、樹林は鬱蒼とした気がする。砂防ダムその他の工事も終り、自然が復活してきたのであろう。ただし、沢中での魚影はほとんど見られず寂しさを感じる。以前に訪れた時には、細い流れにも関わらずその数と大きさには驚かされたものである。その後釣り人が入ったのか、個体数はかなり減少してしまったようだ。

沢には難しい滝はないが、数ヶ所小滝を通過する。1020m二股手前に78mの滝が出てくるが、水流の右側から難なく登ることが出来る。ただし滑りやすいので油断は禁物である。1020m二股を過ぎると、やはり78mの手がかりの細かい滝が現れる。そのまま取付くのも面白いが、自信がなければ左岸にはしっかりとした踏み跡もある。 ここを過ぎると、1/25000地形図に滝記号が記載されているコンタ1210mの大滝が現れる。見たところ垂壁となっていて三段を合わせると30mはありそうである。しかし、実際には二段目までは倒木などを利用して登り、三段目は右岸側が階段状となっていて意外に簡単に滝上へ抜けることができる。ただし、高度感は抜群で、後続には安全を考えザイルを使用してもらう。ここを下るとすれば懸垂下降は必須であろう。

支湧別岳頂上でくつろぐHYMLのメンバー 頂上からは遠くオホーツク海が望める

この滝を過ぎると1〜2箇所小滝が現れるが、やがて水も枯れる。1370m二股からは見通しのよい沢形となり、ぐんぐん高度を上げて行く。鹿の踏み跡を利用してハイ松帯に入るが、直ぐにハイ松の背丈も低くなり、程なく頂上への到着となる。山を覆ったガスのため視界はほとんど利かないが、遠くオホーツク海の水平線が印象的だ。

  ※下降ルートは予想以上に歩きやすく、難なく740m三股へ下山することができた。このルートは後日、正式に登山道となったらしい。

【お客さん】

 いつも自分達で地図を頼りのルートファインディングを行って来たが、今回は “お客さん”であった。“お客さん”であっても地図読みをしなければならないのは当然のことであるが、頼れるリーダーの許ではついつい怠りがちである。いつもポケットの中でボロボロになる地図のコピーも、しっかりとした状態で残っている。札幌へ帰ってきて、さて文章化となると、いつものようには記録が書けない。積極的にルートファインディングに参加しないと、地形などの細かな様子はあまり記憶に残らず、楽しさばかりが残る。よく「連れて行ってもらう山行ばかりやっていると、山行を遂行する力が育たない」ということを耳にするが、今回は身をもってそれを体験させてもらった。(2003.9.7)

sakagさん@一人歩きの北海道100名山    名寄のEIZIさん@山の時計

【参考コースタイム】 林道終点(登山口) 6:45 → 1020m二股 8:20 → 支湧別岳頂上 11:00、〃発11:35 → 林道終点(登山口) 14:00

  【メンバー】熊ぷーさん、花sakagさん、EIZI@名寄さん、ogino@旭川さん、fusakoさん、inoue@北見さん、fujimuraさん、takayanagiさん、sakagamiさん、TAMA@北見さん、saijyoチロロ2

 

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