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     塩狩山(521m)増子(505.6m)

  

    

塩狩第二付近から望む塩狩山

 1/25000地形図「蘭 留」

除雪終点に車を止める (塩狩第二のかなり手前)
除雪の無い道路を進む (正面に塩狩山)
案内標識には塩狩山の名が登場する
塩狩山頂上は広いところ

 塩狩山? 当然のことながら有名な塩狩峠の近くに位置する山だが、最新の地形図にその名は載っていない。通称と思いきや、現地の道路・案内標識には立派にその名が載っていた。頂上には各テレビ中継局やNTTのマイクロウェーブの電波塔が立ち並び、「電波の森 塩狩山」とも呼ばれている重要拠点となっているらしい。登山の対象というよりは社会的インフラのための山といった感じであり、もちろん頂上へも立派な道路が付けられている。そうは言え、除雪されていない今の時期であればそれなりに奥深く、本格的な冬山装備が必要となる。山名については、もちろん石狩国と天塩国の境界ということになるが、この山の山麓が塩狩(塩狩第二地区)という地区名になっていたことに拠る。

塩狩山への途中から見る増子山

 国道40号線を士別・名寄方面へと走り、塩狩峠に差し掛かると道路を横断する陸橋を潜る。こんなところに陸橋? 通る度にいつも気になっていたが、特段調べるほどのことでもなかった。今回はこの陸橋が入山口となる。国道からJR塩狩駅へと右折、少し走るとすぐにこの陸橋を渡る。地形図上の旧塩狩第二地区付近まで続くのかと思ったが、最初の分岐を過ぎて直ぐのところで除雪終点、今回のスタート地点となってしまった。駐車スペースに悩む今の時期としてはこんな便利な駐車スペースはないと喜ぶべきところなのだが、車止めの予想が塩狩第二地区付近だっただけに、少々がっかりしたというのが正直なところだ。ここにもNTTドコモの中継アンテナが建っていた。

 気温マイナス10℃以下、北西風が冷たい除雪のない道路上をラッセルで塩狩第二地区へと向かう。視界が良いだけに余計に寒さを感じる。かつては農家や小学校があったと言われる第二地区だが、20年ほど前に廃村となったようだ。その後、道路だけは新しく整備され、地区全体が塩狩山への単なる通過地点となってしまったようである。237m標高点のある分岐から案内標識通りに「塩狩山電波中継所」へ向かって進んで行く。道路は途中で左右に分かれ、頂上へは右に折れるようだが、我々はそのまま真っ直ぐに進み枝尾根に乗る。ここからが本番といった感じとなるが、トドマツの植林帯を過ぎると大きく切り開いた放牧地のような緩い斜面となり、まだまだ本番ではないようだ。広い雪原となったこの辺りからは和寒山始め塩狩地区全体が見渡せる。

 そのまま樹林帯へと入りジグをきって標高を上げ、やっと山に登っている感じとなるが、登り詰めたところで再び道路に飛び出す。結局、そのまま道路に沿って登り、電波塔が林立した塩狩山の頂上到着となる。確かに冬山準備なしでこの時期のこの山に登ることは出来ないだろうが、冬山に登った時の満足感があまり感じられないのが残念なところ。施設間の一番高そうな雪面を頂上としたが、念のためにGPSを取り出して電源を入れたところ、40mもずれていた。こんな広い頂上での人間の感覚というのはかなり怪しいものだ。次はこの日2山目の増子山である。となりの506mピークまでは緩い下りと緩い登り、少しは山らしい感じとなる。到着してみるとここにも反射板があり、確かに“電波の森”と呼ばれているだけの密度で建造物が現れる。旭川と道北を結ぶ重要地点、この山全体が電波の大きな流れの中で幹線上に位置しているようだ。

399mコルから見る増子山 増子山頂上に到着
増子山を下る コンタ320mを越えた向こうに道路がある(山遊人さん提供)

 増子山への最低コル(399m)へと向かって滑って行くが雪質は重く、シールを付けたままではほとんど滑らない。真っ直ぐにのみだが、辛うじて滑ったのは頂上直下とコルへの最後の急斜面くらいのも、あとは下りもラッセルである。コルは広く、左右に大きく広がった増子山へと緩やかに登って行く。506mピークからは雪崩れるかと見えた斜面も、実際入ってみるとそんな気配は全く感じられない。緩い斜面をピーク方向へと斜めに標高を上げる。稜線と合流、直ぐ先が一番高く感じられたが、ここでもGPSの電源を入れてみると頂上は200mも先であった。どう見ても少し標高を落としている感じがするが、えっ!…こんなところで? と思える稜線上で頂上に到着となる。ひょっとして、GPSに入れたポイントが違っていたのではと心配になったが、下山ルートを追ってみても間違ってはいなかった。頂上の展望は木々が邪魔してあまり良くない。木々の間からは塩狩山が見える程度である。

 下りは山遊人さんを先頭に下る。車を止めている方向へと下っているようだ。途中、山遊人さんが最後尾へと回り私が先頭になる。山遊人さんが後から私に方向の指示を出す役割である。方向が微妙に旧第二地区へと向かっている。標高を落としてからは緩い尾根地形を回り込んだり乗り越したりと進み、最後は広い伐採地の沢地形へと飛び出す。ところが、先頭の私と山遊人さんの間でのルートについての打ち合わせが無かったこともあって、仕上げが微妙にズレてしまったようである。私は車を目標に、山遊人さんは塩狩第二地区付近の道路を考えていた。結果、道路には近づいたものの、右側に、しかも下り過ぎてしまったようだ。出た場所は、何とも中途半端なところ。道路が近いのだけは間違いなさそうなので登り返すが、どこまで登っても道路が出てこない。道路が見えたのはコンタ320mの小ピークを乗り越えてからだ。しかも、かなり下方の山の反対側である。私は計画通りの2山を終えてGPSしか見ていなかった。山遊人さんは何となく私への遠慮があった。余計に歩く結果となったが山行全体の運動量としてはまずまず、この2山の規模から考えれば精一杯身体を動かせたことは良かったことと思っている。(2012.2.24)

【参考コースタイム】 除雪終点 P 9:00 塩狩山頂上 11:25、〃発 11:40 → 増子山頂上 12:40、〃発 12:50 → 除雪終点 P 14:45   (山行時間 5時間45分)

メンバー山遊人さん、saijyo、チロロ3(旧姓naga)の手温泉

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