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      下然別山(1093.1m) 

樹林帯の中が下然別山の頂上

  /25000地形図「然別湖」「ウペペサンケ山」

途中から望む然別山
野営場への分岐に車を停める
頂上方向へ向う集材路は、ぐんぐん標高を上げて行く

 士幌町の北部、通称“然別峡”に位置する菅野温泉は、温泉ブームの昨今、秘湯のイメージからか、人気のスポットとなっている。通年営業のため、道道1088号線は菅野温泉までが冬期間でも綺麗に除雪されていて、付近の山々への格好のアプローチを提供してくれる。付近には今回の下然別山を始め、1000m超えの手頃な山が多いが、これらの山々には登山道がないため、あまり登られることはない。ガイドブック登山の範疇を超えて、地形図に載っている山々すべてが登山の対象となっている登山者にとっては“登る山”が多い地域であり、菅野温泉から容易に日帰り可能なこの下然別山は、正に定番と言ってもよいだろう。

 菅野温泉の駐車場は利用客が多いため遠慮することにして、少し手前の野営場への分岐付近に車を停める。菅野温泉の客が野外温泉へ向かうのか、野営場への道はしっかりと雪が踏み固められている。この踏跡は野外温泉とは反対側の、シイシカリベツ川沿いのユーヤンベツ川砂防ダムへ向う方へも、しっかりと続いている。砂防ダム手前で踏み跡は河原へ向かって下っており、温泉源管理のためか砂防ダムの維持管理のために続いているのかもしれない。

 我々は砂防ダムを右手に見ながら、なおも林道を進む。下然別山への取り付きは、788m標高点のある780mのコンタで囲まれた広い平地へ上がりやすそうなところを探す。適当なところで斜面に取付くが、地形図には表現されていない細かな地形や集材路で、現在位置の特定が不安になる。とりあえずは集材路を下然別山の方向へ進み、地形図との一致点を探すことにする。最初は傾斜のあった集材路は序々に平になり、やがて目的の広い平地の中に消える。この平地には樹木がほとんどなく、おそらく以前は土場だったに違いない。

下然別山への最後の登り 下然別山、頂上に到着

 土場かは北に針路を取り、下然別山の南斜面を目指す。直ぐに樹林帯となり斜面の傾斜が徐々に増してくる。今シーズンの特徴として、台風の北海道上陸が多かったためか、どの山域に入っても倒木が行く手を塞いでいることが多い。積雪期に入っても未だ同じ状況で、余計な回り道を強いられる。登山道であれば直ぐに整備されるのであろうが、我々の目指す山は自然のままであり、当分は同じ状況が続くことだろう。

 樹林帯の中の登りに一汗かくと集材路へ飛び出す。この集材路は何処まで続いているのかは判らないが、とりあえずは頂上の方向へ向って上がって行くことでもあり、これを利用することにする。辿ってゆくと、ラッキーなことにぐんぐん標高を上げて頂上へ近づいて行くようである。下るようであれば、何時でも右手の尾根に取付こうと思っていたが、最後まで下ることなく頂上南側のコンタ1100mの出尾根直下まで続いていた。

 集材路終点からは一登りで出尾根の頭に飛び出す。右手には尾根が続いており、正面には下然別山の小高くなった頂上を見ることができる。頂上部への緩いコル付近からは右手に作業道らしき跡が見える。無雪期であれば藪に覆われていることであろうが、歩くには特に問題はなさそうである。多少の藪漕ぎさえ覚悟すれば、頂上直下まで続くこの作業道跡を利用して、夏期の登頂も可能かもしれない。とりあえずこの作業道跡へ入り、頂上へ向う。頂上へは緩い登りが続き、左手の然別山、後方の北ペトウトル山や遠望山付近、さらには、頂上部はガスがかかっていて見ることが出来ないウペペサンケ山等を眺めながら登って行く。

 頂上は樹林帯の中に在り、期待していた展望は全くない。頂上を示すテープには山仲間であるKo氏の名が書かれており、この世界の狭さを感じさせられる。(2005.1.2)

【参考コースタイム】菅野温泉 9:20 → 下然別山取付(林道) 10:00 → 下然別山頂上 11:55、〃発 12:05 →  下然別山取付(林道)13:00 → 菅野温泉 13:30 

メンバーsaijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓naga)

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