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     椎常呂(1017.4m)

標高700m付近の林道と椎常呂の山容

/25000地形図  「曲り沢峠」

椎常呂頂上で、倒木を除ける
倒木に隠された二等三角点・「椎常呂」
斜面はいたるところ倒木だらけである
赤松橋右岸の林道跡入口に車を停める
斜面はいたるところ倒木だらけである
標高700m付近の林道から望むクマネシリ山塊

どこの山へ…と聞かれ、“しいところ”と答えると、決まって“いい所?”と聞き返される。「椎常呂」の名が付く山は道内には二ヶ所ある。常呂川上流の椎常呂山(1231m)とおけと湖近くの二等三角点「椎常呂」(1071m)が設置された無名峰であるが、我々が登ったのは後者である。常呂川本流といった意味があるそうだが、置戸町と訓子府町が合併協議の際、新町名を募集したところ、椎常呂町という応募もあったそうである。いっそのこと“良い常呂”とでも転化するのも一考だろう。

近年、おけと湖周辺は整備され、静かなリゾート地となっている。この周辺に設置されている公共の駐車場で、おけと湖を眺めながらの朝食を摂っていると、藪山へ向うことすら面倒になり、昼寝でもしながらゆっくりと一日を過ごしたくなってしまう。人造湖とはいえ、そんな魅力がこの湖にはあるようだ。

おけと湖畔の森林体験交流館から数百mのところにある赤松橋が今回の登山口である。橋の両側には二つの林道入口があり一つは廃道となっている。ルートとなる赤松の沢川右岸の尾根上へと続くのはこの廃道となった方で、入ってすぐに道は途切れるが、ところどころに新しい伐採現場があり、左側の沢方向から新しい集材路が伸びてきている。下山中に判ったが、留辺蕊町・富士見へ向う旭林道からしっかりとした林道がこの小沢の上流部まで伸びていた。

コンタ610m付近からは尾根の傾斜が増すが、集材路は標高が上がっても上へ向って直線的に伸びている。鬱蒼とした森林帯の暗い痩せ尾根を登り詰めると突然明るくなり、いきなり視界が利く草地に飛び出す。驚いたことに、この草地は林道の土手であった。藪山をやっていればこんな状況は日常茶飯事だが、鬱蒼とした森林帯とのギャップがあまりに大きかっただけに驚かされた。標高700m付近で山腹を巻くように続くこの林道、かなりしっかりとしていて乗用車での走行も可能のようである。この林道の入口はおそらく前述の旭林道のどこかであろう。林道を歩き、椎常呂への斜面に一気に近づく。

コンタ770m付近の尾根上は平地となっている。付近は至るところが倒木地帯で倒れた大木が折り重なって行く手を塞いでいる。根っこ側か先端部付近を迂回するように進路を取るが、場所によっては潜ったり、乗り越えたりのアスレチック状態である。針葉樹は細かい枝々が張り出し全く通行不能であるが、無理に通り抜けると、首筋の間から細かい枝が背中に入り込み、虫でも這っているようで何とも不快である。昨年の台風18号の強風によって倒れたものかもしれない。倒れたかかった樹木が立ち木にもたれ掛かり、風が吹くたびに擦れ合い、キュッキュッと悲鳴とも聞こえる音を発している。辺り一帯がこんな状態である。倒木の少ない左手の斜面へ入り込み上部へ抜けることにする。

下山途中で望む、鹿の子ダムとおけと湖 陽光に透ける紅葉

コンタ900m付近で南北に細長い頂上台地となる。概ね見通しの悪い樹林帯であるが、その代りに下草が薄くて歩きやすい。標高差の少ない平坦地を約500mも進むと、頂上付近となる。頂上台地に出てからの景観はほとんど変わらず、展望は全くない。いよいよ三角点探しである。ピンクテープが3つほど付いた樹木があり、付近を虱潰しに捜すが見つからない。捜索範囲を前後100mほどに広げてもやはり見つからない。テープの付いた樹木付近がどうもそれらしい雰囲気なので、そこを頂上としようと思ったその時、チロロ3(旧姓naga)さんが先刻棒で掘っていた場所からわずか数十センチしか離れていない倒木の下に、二等三角点「椎常呂」が顔を出していた。頂上到着から約30分が過ぎていた。

車を降りてからの登山中、ずっと倒木に悩まされた続けた椎常呂だが、最後の詰めもやはり倒木の処理で三角点と対面する羽目となった。 (2005.10.10)

【参考コースタイム】 赤松橋P 9:05 → 標高700m付近の林道 10:10 → 椎常呂頂上 11:55 → 二等三角点「椎常呂」を発見  12:20 → 椎常呂頂上発 12:50 → 標高700m付近の林道 13:30 →  赤松橋P 14:40

メンバーsaijyo、チロロ2、チロロ3(旧姓naga)

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