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      庄司山(570.3 m) ・・・登山口は反対側だった

函館市内、信号待ちで撮った庄司山

      

/25000地形図  「赤 川」

徐々に傾斜が増して、ついには岩壁が現れる

T字分岐まで戻って車を置く
針葉樹林帯からのアプローチ

 函館市内からは急峻で特徴的な山容を見せる庄司山はいつも気になっていた。だが、小さな山といった程度の認識で、登山口すら調べてはいなかった。駒ケ岳が午前中に終わったため、せっかく函館までやって来たのだからと、午後からは庄司山を目指すことにする。登山道はあったはずなので、日曜日ということもあって誰かは登っているはず。そんな軽い気持でカーナビを庄司山に合わせた。函館新道七飯大川ICで下りて桔梗町から庄司山へと向かう。道は段々細くなり、舗装が切れて林道となり、分岐から左へ入れとカーナビの指示。分岐には車が一台。初老の男性と若い女性が山のスタイルで何やら帰り仕度。ここで間違いない。既に昼過ぎなので、これから登る登山者など居ないだろうと思いつつ左にハンドルをきる。

 ところが、道路が急傾斜で登り始めた。普通車なので、こりゃあまずい… とは思いつつも上って行くしかなかった。上りきったところで、T字分岐となり、さらに左へ進めとの指示。狭いので、やっとハンドルをきって左へと入って行く。草木がかなり被っており、倒木もぎりぎりでその横を通過。変だ??? これではまるでIkkoさんと愛車・サファリの状態。こんな普通車でこの状況はヤバイ、いやヤバ過ぎる。ほとんど使っていない感じの怪しい道路は下りとなる。この先、急な下りや途中で崩壊でもしていたらUターンすら出来ない。困った(゚_゚;)??? そうこうしているうちに「目的地周辺に到着しました。案内を終了します」のメッセージ。おいおい、それはないだろう! 置き去りにでもされたような、孤独感・・・ ふと画面を見れば、至近距離にはしっかり「庄司山」・・・何てことだ

 Uターンなど出来るわけもなく、バックでそろりそろり後戻り。倒木横の通過は特に神経を使う。しばらくそんな緊張状態が続き、少し膨らんだところでハンドルを細かくきって何とか方向転換、苦境からの脱出に成功する。こんなところが登山口ではないことだけは明らかだった。あの下の分岐に居た登山者はいったい何だ・・・? 何しに来ていたんだ?〜 思っても仕方がない。とりあえずは庄司山まで至近距離の場所に居るのは間違いなく、分岐付近に車を置いて真っ直ぐに登るしかない。時間的に考えても選択の余地などなかった。分岐でGPSのスイッチを入れ、カーナビで連れて行かれた場所まで戻り、そこから藪に突入と決める。道路を戻って行くうちに山に向かって針葉樹林の植林地が広がっていることに気付く。ハンドルを握っているときには周りを見渡す余裕などはまるでなく、全く気付かなかった。少々薄暗いがこれを進んで距離を稼ぐのが効率的にも良さそうだ。

この斜面を登りきると踏み跡が現れた 頂上から望む新中野ダムと蝦夷松山、雁皮山

 針葉樹林帯を抜けると背の低い笹薮となって傾斜が増してくる。付近はコンタが混んでいるようで、GPSの地図を拡大してみると庄司山の中で一番急な南東面だった。上部は岩壁となっているので、岸壁と岸壁の間の凹地形を探さなければならない。岩壁の少し上が稜線となっているので、ここさえ抜ければ何とかなるだろう。岩壁の基部を回り込みながら登って行くと急ではあるが笹や樹木が上部までつながっている斜面を見つける。笹につかまり、木々につかまり、ずり落ちながらも岩壁の上部へと抜ける。確か、稜線上には踏み跡があるとsakag氏の山行記で見たような気がするが、登った稜線上は単なる藪尾根上で、GPSを見る限りでは未だ斜面上にいる。おそらくだが、コンタで表現されていない枝尾根の先が岩壁となって落ちていて、その枝尾根上に居るのだろう。この小尾根をひと登り。小ピークのような感じのところでやっと踏み跡を見る。あとはこの踏み跡を辿りさえすれば庄司山頂上に到達できるだろう。

 踏み跡は明瞭で難なく頂上付近の二つの祠? を通過。後でWeb上で調べたところによると不動明王と弘法大師が祭られているとのことだが、荒れた感じであった。だが、頂上展望は意外だった。特に感動的だったのが、ススキの向こう側に見えた函館山と市街の広がりで、なかなかの眺望である。低山なので、あまり期待していなかっただけに得した気分。藪山を数多くやっていると、山の標高で眺望の期待度が決まってしまう傾向があり、未知の山は楽しいとは言いつつも、実はいつもあまり期待などしていないというのが本音だ。今回は藪から上がってきたこともあり、いつもの藪山の感覚で登りきったところこの素晴らしい眺望に出くわしたので、びっくりしてしまったのかもしれない。

 下山時、急斜面では何度か行き詰まる。降りられる斜面を探しつつ下って行くが、行き詰まったところでは登り返したりと、それなりに緊張する場面も現れた。問題となったカーナビの機能だが、山そのものを案内地とした場合はその登山口へ誘導するくらいの心配りが必要で、次回購入時にはそんなカーナビを探したいと思っている。 (2016.9.25)  

庄司山頂上から函館市街

【参考コースタイム】 T字分岐 P 12:50 → 庄司山頂上 13:35 、〃発 13:45  → T字分岐 P 14:15  (登り 45分、下り30分)

メンバー】  saijyo

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