<戻る

      暑寒別岳(1491.4m)

増毛山地の主峰・暑寒別岳

 /25000地形図「暑寒別岳」「暑寒沢」

雲海から顔を出す浜益岳
雲海から顔を出す浜益岳
今年は暑寒荘付近も雪渓に覆われている
ホワイトアウトの中、頂上を目指す
暑寒別岳頂上から群別岳(右)と尾白利加岳(左)

  増毛山地には1000m超える山々がいくつも連なり、暑寒別岳はその主峰である。夏は雨竜沼から南暑寒岳を経由する雨竜沼コース、増毛町側の箸別コース、山の神を登山口とする暑寒コースと、三方向から登山道が整備されており、6月中旬の山開き以降、多くの夏山登山者がこの山を訪れる。また、この山域は徳富川・暑寒別川・恵岱別川の源頭であり、初級から上級までいずれも変化に富んだ沢の遡行を楽しむことが出来る。一方、暑寒荘までの除雪が完了するこの時期、同山荘は春山スキーを楽しむ登山者で大いに賑わい、例年休日前夜は満員状態になるほどである。四季を通じて多くの登山者に親しまれている山域と言える。

今回はいつもの「地図がガイドチーム」と離れ、赤平に住むwatanabe氏(北の山ヤ管理人)を慕って集まる恒例の“春スキ−の集い”への参加である。東京からkoizumi氏・fukunaga氏・satou氏が参加されている。5人はこの集いを通しての旧知の仲である。

その年によって残雪量が異なり、佐上台までスキーを担いだこともあるが、今年は山荘の前からスキーで出発出来るほど豊富に雪渓が残っている。岩清水コースを進み佐上台への尾根へ取り付く。小屋の前から、赤地に白文字の数字が1番から適当な間隔で木の幹に付いていて、森林限界付近の100番まで続いている。途中、北海道ではさほど珍しくはないクマゲラを見かけ、東京勢は歓声を上げ登山は一時中断となる。持ち寄ったカメラによるひと時の撮影会が始まる。

日本海へ向けての豪快 ? な滑降 戦い終わって・・・今日のよき日に乾杯!!

ルートはほぼ夏の暑寒コースに添って続き、緩やかに高度を上げて行く。天候は細かい雨から雪模様へと変り、佐上台を過ぎた頃から視界も不良となる。先行者がこの気象条件では難しいと判断したのか、下山の準備にかかっている。また、既に下山してくるパーティも見られる。ホワイトアウトに近い視界のために断念した模様である。我々はとりあえずドーム(通称)までと、スキーを進める。途中koizumi氏が「かつて歩いた山でいきなり雲海の上に出て晴れ間が広がったこともある」など言いつつ歩いていると同様に薄日が差し始め、そのうちに太陽が現れ、八合目の扇風岩に到着する頃には文字通り雲海の上に飛び出して、春特有の青空が広がる。麓は厚い雲海の中の沈んでいる。ピークに続く北斜面は真っ白で、下りの滑走への期待が膨らむ。北斜面を右から左へ大きく横切って進みコンタ1400m付近で箸別コースに合流する。通称「前暑寒」を左から巻いて南北に細長く続く稜線の先にあるピークへと向かう。satou氏の話では、今年の北斜面は積雪量が多いためか例年よりは傾斜が緩いように感じるとのことで、殆ど直登に近いルートを取って上がってきた。

  頂上からは、増毛山地の山々が雲海の上に顔を出し、実に雄大な景色が広がる。頂上にテントを張って泊まった群別岳、暑寒別川から上がって時間切れでビバークした稜線、数年前に縦走した雄冬から浜益岳など思い出深い山々が連なる。視界が良ければ日本海の遠く向うに利尻山の山影を望むことが出来るのだが、残念ながら今回は確認できない。下山にかかる頃には雲海も消滅し好天の中、正に日本海に向かっての大滑降となった。(2005.4.30)・・・記;チロロ2、写真提供;koizumi

【参考コースタイム】暑寒荘前(出発)630 佐上台 810 8合目 扇風岩 1120 頂上 1330 暑寒荘前(下山)1550

メンバーL.watanabe koizumi氏、fukunaga氏、satouチロロ2

<最初へ戻る