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     瀬戸瀬(900.6m)

一等三角点の瀬戸瀬山(1月撮影)

/25000地形図  瀬戸瀬温泉

標高700m地点まで車が入れる

  瀬戸瀬山、この名を聞いてすぐに分かる人は、遠軽町民か瀬戸瀬温泉を一度でも訪れたことがある人くらいだろう。以前は国設瀬戸瀬山スキー場があり、頂上まで山は切り開かれていたそうだ。温泉ホテルには、1973年に訪れた三笠宮殿下の写真が飾ってあった。時代の変遷には逆らえず、昭和50年に廃止になったそうで、現在では写真に残るのみである。

遠く雌阿寒岳、阿寒富士を望む

今回、留辺蘂の北見富士につづいて、丸瀬布の北見富士にも登る予定であったが、丸立峠が道路工事中で通行止めと分かり、他のルートではアプローチが遠すぎるため計画を変更する。道路地図で他の山を探し、瀬戸瀬山を目指すことにした。道路地図しかないというずさんな計画だが、とりあえず瀬戸瀬温泉に泊まることにする。この温泉の主人に登山ルートについて相談したところ、一冊の書類を出してくれた。以前に陸上自衛隊が訓練のために提出した道路使用通知書であり、その3枚目に1/50000地形図のコピーが載っていた。これを譲って頂き、何とか未知の山へ登る下準備を整えることが出来た。以前にも瀬戸瀬山一等三角点の写真を撮るために、東京のグループが宿泊していったそうだ。ここの温泉は素泊まりのみである。泊まり客も少なく、静かな道東の秋が楽しめる。

この温泉宿の前の林道を100200m程進むと、瀬戸瀬山林道入口がある。1/25000地形図では幅員1.5m未満の道路だが、意外にしっかりとした林道である。標高550付近で分岐となる。地図にはないがここを左へ入り、ぐんぐん登って行くと視界が開け、標高700m付近で瀬戸瀬山が最も近づく地点に到達し、車を降りる。ここから頂上までは標高差200mほどで、登山と言うには少々もの足りない。ただし決まった登山ルートはないので、自分でルートファインディングをしなければならず、地図読みは必要である。

瀬戸瀬山頂上には測量で使った看板が落ちていた

藪の薄いところや集材路を利用して頂上を目指す。標高800m付近の集材路からはピンクテープが頂上方向に点々と付いていたので、それを辿ることにする。木々の間からは遠く雄阿寒岳や雌阿寒岳など、阿寒の山々を望むことが出来る。やがて木が生い茂った頂上台地に到着するが、平らでどこが頂上なのか判らない。さらにピンクテープは続いていたので、それに導かれながら進んで行くと、ほんの少し高い笹薮の中に三角点を見つける。倒れてはいるが割と新しい(今年のもの)対空標識が、設置されている。一等三角点の山であるため展望には期待していたが、樹林と笹薮以外には何も見ることの出来ない頂上である。頂上へのピンクテープは対空標識設置のために測量班が目印として残して行ったものであろう。  

瀬戸瀬温泉ホテルの「番頭さん

  【番頭さん】

瀬戸瀬温泉には「番頭さん」と呼ばれている黒い老犬がいる。車が止まると温泉ホテルの玄関から駆け出してきて、迎えてくれる。また、帰る時にも車まで見送りに出て来る。その様子が犬独特の珍しいものや怪しいものを見に出て来るのではなく、まるで仕事のようでユーモラスである。2回目は出てこないところをみると、彼自身も仕事と思っているのかもしれない。瀬戸瀬温泉を経営する渡部ファミリーの一員として、立派にその任を果たしている賢い犬である。

【参考コースタイム】

瀬戸瀬林道 標高700m8:21 → 瀬戸瀬山頂上 9:28 、〃発 9:48 →瀬戸瀬林道 標高700mP 10:22

メンバーsaijyo、チロロ2、nakayama、チロロ3(旧姓naga)

 

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