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      セタウシ山(859.0m)

/25000地形図 「セタウシ山」「美 河」

865m標高点にて
セタウシ山頂上への最後の登り
木々の間からぺテガリも・・・セタウシ山頂上にて
ゲートが開いていたため、かなり奥まで車むを乗り入れる
この沢最大、20m以上はありそうな滝
藪尾根を黙々と…

1/25000地形図「セタウシ山」を見る限りでは、セタウシ山は高見湖の山であり、アプローチは高見湖側からしか考えられない。高見湖へ続く日高横断道は工事が凍結となったが、なぜか通行止めとなり、一般には開放されていない。最近、この道路への裏口として、三石ダムからの山越えルートの話題をよく耳にするが、鍵を入手した一部の車のみがペテガリ山荘付近まで入っているとのこと。おかしな規制が、不公平な状況を作り出したようである。貴重な自然が残される地域でもあり、開発の手など加えずに普通の林道のままでの利用がなされるべきであったように思われる。この裏口のゲート手前から、セタウシ山へは登れるとの情報をEIZI@名寄氏から頂く。地形図をくっ付けて見ると高見湖側よりは遠いが、確かに日帰りでも手が届きそうだ。

三石川支流の右九号川沿いの林道がアプローチである。林道のゲートは締まっているが、ラッキーなことに鍵が開いている。3〜4kmを歩く予定でいたが、地形図上の258m標高点の先まで車を乗り入れる。さすがにここまで乗り入れれば、高見ダム側と距離的な差はない。地形図上の林道終点を過ぎても林道跡は続く。以前にはかなり奥まで入っていたようで、ところどころにその形跡が残っている。セタウシ山の南面へ突き上げる沢の出合に到着するが、肝心の水流がない。あるのは荒れた集材路跡のみである。昨夜はセタウシ山のピークよりも高い標高点(865m)が直ぐ東側にあり、これを踏まなければセタウシ山登頂とは言えないのではないか?との話題となった。そうそう再訪することもできないので、宿題を残すよりは最初にこのピークを片付けてしまおうとの結論となる。結局、水流のない予定の沢を止めて、東側から突き上げる一つ上流の沢へ入ることにする。

この沢は地形図を見る限りでは最初は何もない感じである。コンタも緩く、最後のみが変化がありそうだと読んでいた。ところが、一ヶ所だけコンタがくっ付く部分があり、そこが20m以上はあると思われる滝となっているのには驚かされる。水流の奥が長いチムニー状となっていて、登攀系の人間であればチャレンジしたくなるであろうが、規模から考えれば高度感は相当なものと思われる。滝下へ行って眺めるとさらに迫力満点で、自分の力量では門前払いといった感じである。後続メンバーは既に巻きへ入ったようだ。巻きルートは薮に覆われていて安心感を得られるが、薮の隙間からは滝底が見え隠れしている。ここが草付きであれば、足がすくみ身動き不能となるところだろう。いつもの巻きであれば、終わったかと思われる地点でも、しぶとく滝の真ん中くらいである。結局、巻き終わってもV字状の沢底へは簡単には戻れず、灌木につかまりながらズリ落ちるように沢身へ下る。ゴルジュ状を過ぎると険しい地形とは打って変わり、地形図通りの広い河原となる。左岸には集材路跡も見られる。

以降、途中で一ヶ所、両岸が迫った5mの緩い滝が現れるが、記憶にも残らない程度のものである。変化のない枯れ沢がしばらく続き、前方に崖状の地形が現れる。コンタ670m二股と思われ、各人の高度計を平均して考えても間違いないようであるが、どうしても地形図とは一致しないように感じられる。だれもがそう感じながらも、結局は多少のズレがあっても薮斜面さえ登れば目的の865m標高点に到達するだろうといった見通しで、暗黙の了解となる。踏み入れた沢形は予測通り直ぐに斜面に消える。薮は中程度であるが、斜面が急であるため結構なアルバイトである。背後に見えるセタウシ本峰も中々低くならず、ここは我慢のしどころといえる。始まりがあれば必ず終わりがあるものと思いつつ、スパイクを利かせ一歩一歩確実に急斜面の笹をかき分ける。傾斜が緩み、笹薮に変わって灌木帯となり目指す稜線上となる。期待していた最高地点も単なる稜線上といった感じであり、目立った地形は何もない。本峰より高いとはいうものの、やはり標高点に過ぎない個性の無さである。

本峰へは低い笹薮の稜線上をたどる。ところどころにシカ道がみられ、考えていたよりは歩きやすい。目指す本峰は一塊となったその存在感で迫ってくる。やはり山というものは、個性の主張があって然るべきである。その意味で、セタウシ山の頂上はここをおいて他にはないだろう。頂上への笹薮漕ぎで一登り、遮るもののない小ピークへ出るが、三角点頂上はさらにもう少し先であった。数十メートル先の頂上は樹林の疎林となっていて見晴らしはいまいちであるが、ペテガリ岳をはじめとする日高の主稜線は樹間から望むことができる。

連続300ヶ月登山達成!! ・・ セタウシ山頂上にて

下りは往路で予定していた枯れ沢を下る。頂上からいきなり枝尾根を下り、笹原の緩い谷地形に入るが、水流の通り道もなく単なる笹薮漕ぎ下降である。約20分でラッキーなことに集材路跡へ出るが、これもすぐに崩壊地点となっていて続かない。途切れがちな集材路跡を無理矢理つなぎながら標高を落とすと、最後は前述の大滝上部へ向って行くようである。ここの下降は苦労しそうなので、集材路跡を離れることにする。少々の藪漕ぎで難なく往路へと合流する。(2006.10.1)

 【300ヶ月連続登山】

 今回同行の八谷氏(道内1000m以上全山登頂)、この日の山行で300ヶ月連続の登山を達成したとのこと。25年もの長い年月を費やしての記録である。地味な記録であるが、決して容易なことではない。仕事や家庭の事情、健康管理の面など、実生活の中には中断する要素は多い。一つ言えることは、山への情熱をいつも絶やさぬことがそれへの必要最低条件ということになろう。この記録、ぜひ400ヶ月、500ヶ月とさらに伸ばしてほしいものである。

■同行して頂いたEIZI@名寄さんの山行記

 参考コースタイム】 林道P 7:20 → 直登沢出合 8:10 → 865m標高点 10:40 → セタウシ山頂上 11:20 、〃発 12:00 → 直登沢出合 13:10 → 林道P 13:55

メンバー】EIZI@名寄さん、hachiya夫妻、nakayamaさん、aketさん、キンチャヤマイグチさん、saijyo、チロロ2、saijyo、チロロ2

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