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      砂原(1112.2m)東丸山(481.3m) ・・・帰路は自衛隊演習場

東丸から望む砂原岳

      

/25000地形図  「駒ケ岳」「鹿 部」  

駒ケ岳登山口駐車場に車を置く
剣ヶ峯への途中から見た砂原岳

 今回の山行の目的は先週やり残した剣ヶ峯の最後の岩峰56mの登りだった。P1の最高地点を触らなければ駒ケ岳登頂とは納得が出来ない。私のつまらぬ拘りだが、盟友のmocoさんに話したところ、クライマーのTさんだったら大丈夫とのこと。日程を調整、この日となる。その目的はいとも簡単に達成した。私にとっては納得の結果で、その後のことなど何も考えてはいなかった。ところがこの日参加のIkkoさん、彼の目的は駒ケ岳裾野の東丸山(481.3m)とのこと。人の拘りなどとても理解できるものではなく、さすが低山歩きのスペシャリストとでも言う他にない。結局、私も東丸山へ行くことに・・・

砂原岳へは真っ直ぐに進む 砂原岳頂上に到着したIkkoさん
一等三角点「砂原岳」  頂上にて (Ikkoさん提供) スギゴケ地帯まで下ったが東丸山はまだまだ  (Ikkoさん提供)

 砂原岳は駒ケ岳稜線上の1ピークに過ぎないが、そんなことを言ってしまえば旭岳に登って大雪山登頂となってしまい、かなり大雑把な話となる。そんな意味ではこの砂原岳は別のルートから登って一山にカウントしようと考えていた。今回は東丸山への通過地点ということで、図らずも砂原岳頂上を踏むことになる。剣ヶ峰からは決まったルートなど無く、真っ直ぐに砂原岳ピークを目指す。どこでも歩けるが、コケ類を踏み潰すようで、何とも罪悪感を感じてしょうがない。出来る限りコケ類をかわしつつ砂原岳を目指す。砂原岳へ近づくと徐々に急な登りとなり、火山性の砂礫にずり落ちながらも斜面を登る。驚いたのは稜線上には休憩用のベンチが置かれていることだ。別のルートからであれば砂原岳に関しては一般開放されているということ。

 砂原岳が近づく頃には通り雨かもしれないがポツポツと落ちてくる。開放的な稜線上からは大沼の向こうに函館山や当別・丸山の姿が見える。大パノラマとはこんな風景を言うのだろう。砂礫に覆われた火星のような風景の頂点が砂原岳だった。一番高いところに頂上を示すように一等三角点の立派な標石が立っていた。成り行き上登った一山ではあるが、満足感がないと言えば嘘になる。私としてはこのまま戻っても十分だったが、それでは義理が立たない。はりきって言ってしまえば面倒だったが、Ikkoさんを追って頂上を後にする。約300m先の頂上の肩までは細い稜線上を進む。

 肩に到着、目指す東丸山が遠く低く饅頭のような姿を現す。山の真ん中には広い道路が頂上へと続いている様子が見える。それにしても遠い。しばらくは砂礫地の下りとなっていて、途中からはコケ類が絨毯のように覆いつくす見事な光景だ。砂礫地は急傾斜、油断しようものなら尻餅を突いてしまいそうだ。オープン斜面となっているだけに余計に遠さを感じる。終わりがないと思えるほど下って行くと黄緑のエリアとなって傾斜も緩む。このエリアと東丸山の間には樹林が茂っており藪漕ぎとなるだろう。とりあえずはスギゴケがクッションとなって歩きやすくなる。

やっと東丸山へ到着  (Ikkoさん提供) 三等三角点「丸山」 東丸山頂上にて

 さらに歩き続けると徐々に潅木が増え始め、終いには樹林帯となる。雨裂もやがて深い沢形となり、歩いていた斜面も尾根筋となって周りの沢形にのまれてしまう。その度ごとに沢形を下っては隣の尾根筋へとルートを変える。そうこうしているうちに、右側が平らで谷地形とはなっていないことに気付く。東丸山へは200300mとかなり近づいていた。そのまま進んで行くうちに道路となる。見れば、この道路と平行して進んでしまったようだった。この道路は途中から見えていた東丸山頂上へと続くものだった。

 東丸山へは道路歩きだがけっこうな急斜面。Ikko車が登れるかどうかは微妙なところ。少しの登りですぐに東丸山頂上となる。広い頂上の少し進んだ地点に剥がれた赤いペンキが残る三等三角点「丸山」が埋まっていた。とりあえずこのレアなピークに登頂である。標石からは砂原岳がよく見える。写真だけ撮ってすぐに出発としたいところだが、今来た道は大きく山側へと戻っているし、今現在は使っている感じではない。頂上で終点となっており、大規模な砂防堰堤が築かれている反対側へと斜面を下ることにする。

 東丸山と鹿部町市街や国道間には自衛隊の演習場が広がっており、地形図上にも道路は載ってない。堰堤を築いたのだから道路があるという前提で砂防堰堤へと下る。堰堤の対岸で道路を発見、後は感覚で行けるか・・・ と思ったが、演習地があってやばいとIkkoさん。とりあえずは海側へと進む。下山時に見えていた一台の軽自動車が我々を追い抜いて行く。見れば地元の老夫婦のよう。道路は途中で立入り禁止のゲートとなるが、過ぎ去った軽自動車のタイヤ跡はすぐ手前で回り込むように別の作業道へと入っていた。最後は雨が落ちてきた荒れ気味の作業道を海岸に向かって延々と歩くのみだった。

 今回の砂原岳山行について、核心部といえば東丸山からの帰り道だった。普通であれば道路にさえ出れば自然と大きな道へと続くものだが、ここでは自衛隊の演習地が行く手を塞いでいた。偶然に地元車が入っていたので判ったが、私一人であれば演習地のど真ん中を縦断していたことだろう。まあ、こんな山行もあるということである。(2016.10.8)

 【参考コースタイム】 駒ケ岳登山口 P 7:05 → 駒ケ岳・剣ヶ峯頂上 9:40 、〃発 10:45  → 砂原岳頂上 11:50  → 東丸山頂上 13:05 → 林道で山遊人さんに拾われる 14:20  

メンバー】 Ikkoさん、 saijyo

 ★山行写真(Ikkoさん提供)

駒ヶ岳山頂岩峰から横津岳

駒ヶ岳山頂部から砂原の街

砂原岳稜線

 砂原岳山頂から室蘭の街をズーム

 砂原岳登山道から函館山

 

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