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     狭薄山(1296.1m) ・・・狭薄沢川から

中山峠から狭薄山を望む (2016年9月撮影)

/25000地形図  「札幌岳」

豊平峡大橋に車を置く
F1を越えると新しい林道に出る
核心部の7〜8mの滝

狭薄山は、札幌市街からは空沼岳と札幌岳の中間に見える、ピラミット状のシンプルな姿の山である。残雪期には遅くまで白く輝く頂を楽しむことが出来る。この山は残雪期に札幌岳〜空沼岳の縦走路から登られることが多いようである。

狭薄沢川はナメ床が多い トリカブトが美しい
ガスの中に狭薄山頂上が見えた 狭薄山頂上に到着

今回のルートの狭薄沢川は定山湖にかかる豊平峡大橋を渡って直ぐに右側の林道へ入る。この林道はほとんど廃道状態で、狭薄沢川へのアプローチくらいに考えた方がよいようである。 入渓してしばらくは平凡な流れが続き、1時間ほどで最初の滝(7〜8m)が現れる。順層の滝で水際の左側が階段状となっていて登りやすいが、右岸からも容易に高巻くことが出来る。その後ナメ床が現れ、登り始めから約1時間30分で林道と交差する。

ここから林道を利用するが、再び入渓する時に現在地を読み違える。地形図上コンタ730mのカーブから地形図には記載されていない林道が入っていてコンタ750mの二股のさらに上流を横切っている。入渓した地点は750m二股で、ここを730mのカーブと思い込んでしまったため、右股へ進んでしまう。途中林道を横切るが気付かず、右股を約20分進んだ地点で、あまりの水量の少なさにやっと違いに気付く。地図上の林道情報は古いものしか載っておらず、細かい作業道や新しい林道は当然のことだが載っていない。途中で横切った林道まで戻り、隣の正しい沢まで移動する。

仕切り直しで入った薄狭沢川本流はやはり水量が多く本流らしい。地図上S字状の地形まではナメ床が多く、小滝もたびたび現れるが、どれも難なく通過できる。標高800m付近のS字状地形がこの沢の核心部であるが、この付近もほとんどが小滝である。78mの滝が一つあり、少しだけ苦労させられる。取付き4mほどが垂直になっているが、スタンスはしっかりしていて、フリーでも登ることができる。下りでは万一を考えロープを使うことにする。920m二股を過ぎると水量も少なくなるが、苔むした岩は安定していて歩きやすい。940m付近で緩やかな10mほどのナメ滝が現れるが、流木を利用して難なく通過する。1040m二股は左へ入るとコルに出て、藪漕ぎは少ないようであるが、ここは右に入り頂上を目指す。直ぐにまた二股が出てくるが、こちらは左を選んだため、コルと頂上の中間くらいの尾根上に飛び出す。尾根上には薄らと踏み後が出来つつあるようで、比較的軽い藪漕ぎで頂上へ到着する。残念ながらガスがかかっていて、視界は全く利かないが三角点を確認する。18年前に正月山行で雪洞訓練を兼ねて空沼岳・真簾沼から上がってきたが、この時はかなり遠いピークだった記憶がある。

下りは北西に伸びている尾根上の1080m標高点を目指す。下りでは時間的には藪尾根下降が効果的であるが、傾斜が緩く広い尾根ではルート取りが難しい。予定のルートから少し右側にずれてしまい、斜面のトラバースとなってしまう。雨足が速くなってきたため、時間的な予測の立たない尾根筋を諦めて、沢筋にルートを変更し足早に下降する。標高1000m付近で往路のルートと合流する。ここから先はザイルを2度出したが、頂上から約2時間で林道へ下りることが出来た。結果的には薮の尾根下降より沢筋下降が正解だったのかもしれない。

林道からは沢へは戻らず、そのまま駐車地点まで歩くが約2時間を要する。この林道はわだちも雨裂もなく、普通乗用車でも750m二股まで入ることが出来、入山のアプローチに利用すると登り2時間、下り2時間の簡単な沢歩きで、しかも狭薄沢川上流部のおいしいとこ取りだけをして、狭薄山頂上が踏めそうである。 (2003.8.24)

 【参考コースタイム】 豊平峡大橋 7:30 → 林道との交差地点 9:00 → 750m二股 9:20 → 狭薄沢川本流へ 10:00、 → 狭薄山頂上 12:10、〃発 12:30 → 750m二股(林道) 14:40 → 豊平峡大橋 17:04

メンバーsaijyoチロロ2

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