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      札幌岳の門構え2峰 ★★★ 札幌150

 1/25000地形図「定山渓」

 最近はさっぽろ文庫48「札幌の山々」で取り上げられた50山巡りが人気である。札幌山びこ山遊会のHPに、さらに100+番外編を加えた「めざせ!札幌150峰」が載っていて、それらの山や三角点を目指す人間も増えてきた。札幌150峰、だれが考えたものかは知らないが、さすが200万都市で、登れるものなら何でもといった感じだ。確かに札幌近郊の山を登り尽くし、新たなる未踏ピークとなれば、登山時間よりも移動時間の方が長くなる。新ピーク登頂の新鮮さをすぐに味わいたと考えるなら、登山としてモチベーションが上ること間違いないしで、いわば身近にミニ冒険が体験できる。ただし、ルートの選びようによってはそれなりのものもあるから、要注意ではある。

 Ikkoさんに誘われ、札幌150峰のうち札幌岳登山口付近の三等三角点「山之神」714.6m706m標高点(通称;三峰山)に登ってみたが、それなりに厳しく、藪山登山としても十分に楽しむことができた。

 

 三等三角点「山之神」(714.6m)・・・苔むした標石

苔むした三等三角点「山之神」
札幌岳登山口をスタート

 札幌岳登山道はスノーシューのグループと思われる踏跡が続いていた。寒気団の影響で氷点下−10℃の曇り空。おかげで取り付き予定地点の植林地にはラッセルすることなく到着した。Ikkoさんの作戦では針葉樹林帯だと下草の笹がな楽とのこと。だが、急斜面である。Ikkoさんはスノーシューでそのまま真っ直ぐに登って行くが、私はツボ足なので傾斜の緩い派生尾根上へと逃げた。針葉樹林帯が途切れた地点で合流、かなり登ったと思ったがGPSを見たところ半分も登っていなかった。だが、傾斜の緩い笹の出た普通の尾根上を進んで行くうちに、先に到着したIkkoさんが「頂上到着、三角点も出ている」と。普通の尾根だけになってからは意外と早い感じの到着だった。

 頂上というよりも尾根上の単なる一地点で、尾根続きに次の高みはこの“頂上”よりも明らかに高い。苔むした「山之神」に新雪が被り、時代ものの趣が感じられ情緒たっぷりだった。

 下りは札幌岳登山口へと続く尾根を下るとのこと。下ってみると等高線とは違って思わぬ痩せ尾根。1/25000地形図も意外に大雑把?というか、10m幅の等高線では実際の地形が十分に表現されていないのだろう。アップダウンを繰り返し、意外に長い尾根歩きの末、登山口手前の左に入るゲート近くに飛び出した。登山口に止めた私の車が見えた。

植林地を登る

「山之神」に到着

 

 706m標高点(通称;三峰山)・・・トンネル直上ルートはやばかった

 昼食を札幌岳登山口の車の中で摂って、“三峰山”へ出かける。Ikkoさん曰く、水平距離250mの山。250m、ささっと登って今日は終了。私は最初から舐めてかかっていた。

250mと聞いていたので、実際見て驚いた(矢印が登ったルート)
急斜面を登る
706m標高点“三峰山頂上”に無事到着

 豊平峡への冷水トンネルへ近づいて行くと目指す“三峰山”直登尾根(豊平峡トンネルの真上)が真正面に見えてきた。見たところ、とても登れる傾斜ではない。Ikkoさんに言わせれば平均30°くらい。それなら樹木も生えてるし楽勝だと思った。トンネル手前は擁壁となっているので、少し手前から笹藪に入り、尾根に取り付いた。なかなかの急傾斜で、上部ではさらに傾斜が増しているようだった。

実際、途中からはかなり傾斜が増して、あげくのはて岩壁まで出てきた。平均30°はあくまで平均で、緩いところがあれば垂直だってある。雪が中途半端に付いたこの時期は微妙で、プラブーツを選択してきたため樹木の根っこや埋まった笹は滑って要注意だ。灌木や飛び出した笹をしっかり握りながら登ったが、それなりに頼りになりそうな枝も体重をかければ折れてしまうから始末が悪い。雪で生きているのか枯れ枝かの見分けがつかないのが困る。

私としては、藪山復帰のための練習くらいのつもりだったので正直言えば止めたくなったが、Ikkoさんは札幌150山完登も目標としているようなので彼にとっては正に本番山行。止めることなど毛頭考えていない感じだ。

岩壁手前でIkkoさんと左右に分かれた。私は左を選んだが、岩壁でトラバースして、Ikkoさん側へ移動した。トラバースするルートは傾斜が緩い雪面だが、その下はストンと落ちているので、慎重に通過して樹林帯へ逃げた。既にIkkoさんは通過したようで、足跡が上部へと続いていた。

岩壁の上部へと斜面を巻きつつ進んだ尾根上でIkkoさんが待っていた。尾根上の直下には手がかりが少ないので、灌木を掴んだところ折れてしまい、もう片方で掴んでいた幼木の幹で支えた。Ikkoさんはストックを出して掴まるよう言ってくれてるが、セルフビレイのない状態で、仮に動荷重でもがかかればひとたまりもない。この場合、自力で登れるのであれば登るのがセオリー。

尾根の傾斜はそこから緩くなり、ほどなく706m標高点に到着。通称三峰山頂上である。標識も何もない稜線上の一地点だが、後で山びこ山遊会の記録を見たところ、西側に誰かがが付けた標識があったとあった。

下山は等高線の緩い東側の沢形を下ったが、わずか25分でトンネル入口に出た。(2018.12.8)

【コースタイム】山之神 登り 1時間30分・下り1時間10分   三峰山 登り 1時間35分・下り25分

メンバー】Ikkoさん、saijyo

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