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 愛鳥山(235.7m)

1/25000地形図「三 渓」

頂上直下から望む愛鳥山 (Ikkoさん提供)
付近の農家に車を止めさせてもらう

  盟友Ko玉氏からいつも話に聞いていたのが、この愛鳥山である。オーソドックスな山名ではあるが、「羆嵐」で有名な地域性を考れば、妙に可愛らしい名の山だと思っていた。昨年夏の佐官別山の帰り道、先を走っていたKo玉氏から、この山へ登る時にはこの農家に車を置かせてもらえば良いとの電話が入り、ko玉氏はわざわざ車を止めてその地点で待っていた。その時はこんな山など登ることなどないだろうと話半分で聞いていた。ところが、低山なら1日に4山も5山も登るIkkoさんが一緒ともなれば簡単には終わらない。三毛別とセットということで、今回はこの山もターゲットとなる。止めさせてもらう農家の位置など覚えていなかったため、地形図上で尾根末端に一番近い九重地区の農家を訪れることにする。玄関に入るとお年寄りが出て来て「猟でも?」と不思議そうな顔で問いかけられた。「いいえ、愛鳥山への登山です」と応えると、「邪魔にならない場所に止めて行って下さい」と快諾してくれた。地元の人にしてみれば何とも迷惑な話であるが、この時期に里山に登ろうとする場合はどうしようもない。

 積雪状態とは言ってもよそ様の畑をスキーで通過するのは、土足で他人の家に踏み込むようなもの。かなり憚られたが、素早く通過することにする。こんな山ばかりやっていると人様にはついつい迷惑をかけてしまうが、次の登山者のためにもせめて一言ことわって行くのがルールだと思っている。尾根末端までは一気に進み、取付きからは急斜面の登りとなる。息を切らしながら足早に登る。畑から離れたことで安堵感があり、気分的にはほっと一息といったところだ。前線の通過予想が少しずれ込んだこともあって、雨になるはずだった空模様も強風のみ。山行中くらいは穏やかさを保っているだろう。

畑のど真ん中を通過して尾根末端に取付く 尾根途中から見た留萌ポロシリ山 (Ikkoさん提供)
愛鳥山への最後の登り
頂上からの遠望                                              どこの山かはさっぱり判らない (Ikkoさん提供)

 樹林帯の広い稜線を進んで行くが、目指す愛鳥山は見えてこない。いや、実際は見えているのだろうが、地形的な特徴に乏しいために特定できないだけだろう。この山域の山はどこもそうだが、200m程度の標高であってもそれなりに高度感がある。山域全体が低いこともあって、樹林の途切れたところからは山並みの見事な広がりが楽しめる。さらにその向こうには三頭山付近の山群やピッシリ山、留萌ポロシリ山といったメジャーな山々が望めるのが良い。そんな景観がこの山域の魅力と言えるのかもしれない。

愛鳥山頂上の金麦はやはり巣の中に・・・
愛鳥山頂上の金麦はやはり巣?の中に・・・

  コンタ210mのコブ付近でふと気が付くと作業道が稜線に沿って続いていた。潅木がうるさく、無雪期であれば鬱蒼としていることだろう。Ikkoさんによればこの作業道跡をそのまま進んで行けば目指す愛鳥山の頂上までつながっているとのこと。夏に登る山ではないことだけは確かである。GPSを覗くと意外にも次のポコが愛鳥山本峰のようだ。写真派のIkkoさん、愛鳥山の構図を考えて稜線から不安定な雪面を下ってカメラを構えている。私だけなら作業道跡からの何の変哲もない樹林の塊を愛鳥山としてWeb上に載せているだろう。下手糞な山行記よりは写真の方がずっと情報としては有用である。

 最後は緩い樹林帯の斜面を登り切り、愛鳥山の頂上に飛出す。どうせ展望など期待出来ないだろうと思っていたが、どうしてどうして… 山座同定こそままならないが、樹林の間には幾重もの山並が広がっていた。おそらく以前に登っている札足辺山や愛奴山、白頭山もこの山並のどこかに見えているのだろうが、まるで分からない。確かなのは登頂を祝う前景の金麦のみである。

 下りは見栄を張ってシールを剥がすが、実のところは全然自信などはなく、あるのは不安だけであった。なぜなら、雪面が硬くて潅木だらけであるからだ。この日の三回戦目、スタートと作業道跡は辛うじてスノーシューのIkkoさんに付いて行けたが、下りの尾根では大きく水をあけられる。今さらスキー技術の上達などは考えられず、今後は雪面と自分の技量を考えた道具選びが重要という結論となる。(2015.2.22)

参考コースタイム】  九重地区の農家 P 11:40 → 愛鳥山頂上 12:55、〃 発 13:05 →  九重地区の農家 P 13:50 (登山時間 登り1時間15分、下り45分)

メンバーIkkoさん、saijyo

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