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      三角(741.2m)

八雲市街から見る三角山(前方)と雄鉾岳(後方)

1/25000地形図日」

地形図上の橋マークから続く林道がアプローチ
取り付きの尾根末端
やっとたどり着いた三角山頂上
やっとたどり着いた三角山頂上
三角山(左)と間違えやすい591m峰(右)
沈みきらない笹薮を登る

三角山という名の山は道内では丸山(60山以上)についで多く、約20山を数える。どの山も読んで字のごとく、どこかに三角形の山容を示している。今回登った三角山は八雲温泉で有名な鉛川の上流にある山で、八雲市街からははっきりと見えるが、秀峰・雄鉾岳と隣り合って見えるため、相対的には見劣りしてしまう山である。八雲温泉へ行くとその先に鋭角的に見える山があり、つい三角山と思い込んでしまうが、こちらは手前の591m峰であり、三角山はもう少し奥へ進まなければ見ることができない。アプローチはおぼこ山の家へ向かう途中の地形図上では鉛川を渡る橋マークからで、支流沿いに砂防ダムの作業用道路が続いている。

この支流は短くて流れも細いが、大雨の時には豹変するのか、古い砂防ダムの上部にはさらに二つの立派な砂防ダムが作られている。三つ目の新しい砂防ダムでこの道路は終わり、コンタ300mの二股までは沢沿いに進む。この日はスキーを使うほどの積雪量がなく、ツボ足としたので、落としを踏み抜かぬよう慎重に進んで行く。小動物の足跡が点々と続いていて蹠球跡まで判るが、小熊のものかどうかは判らない。二股から痩せ尾根に取り付き、三角山の一番緩い北尾根を目指す。尾根上は笹薮であるが、両側が切れ落ちているだけにかえって安心感がある。尾根は徐々に広くなり、朝日に輝く雄鉾岳が向かい側の尾根上に美しい姿を覗かせ、疲れを癒してくれる。背後には岩子岳の鋭角的な山容も姿を現す。

標高が上がるにつれ積雪量が増すためか、笹藪が積雪面に隠れるようになる。藪が少々濃かったために途中でストックを置いてきてしまったが、膝まで埋まるツボ足では持ってきた方が良かったと後悔するが後の祭りである。コンタ400m付近で平らとなり、北尾根上へと小沢を越えて軌道修正である。笹が出る緩い雪面が続き、ツボ足では思ったようには進んで行かない。晴天の中、背後の山塊がさらに広がり、遊楽部岳を中心に冷水岳、ペンケ山など、標高ごとに少しずつ見え方も変化してくる。ここまで登ると鋭角的な岩子岳も遊楽部岳の派生尾根の一突起にしか見えないように感じられる。

コンタ610mで地形図からは読みきれない沢形地形と急斜面が現れる。一見、どこに取り付いたら良いか判断に迷うところであるが、沢形に一度降りてみると何処にでも取り付けることが判る。我々の登る斜面の木々にはピンクテープも見られ、おそらくはこのルートでこの山は登られているのであろう。急斜面を抜けて一息であるが、ここからがさらに長く感じられる。そもそもはこの三角山、全体に急峻な傾斜が頂上に続いていて、北尾根が一番緩いがその分だけルートも長い。コンタ700m付近で頂上かと思われたが、傾斜のある斜面を登りきるとさらに奥が頂上であることが判る。もっとも高度計を見ればすぐに判ることであるが、つい面倒でこの日は見ていない。木々には林班界の赤いプレートが見られ、ひょっとしたらどこからか集材路か歩道が伸びてきているのかもしれない。

最後の斜面、小動物が登ったと思われる足跡を辿り一登りすると、今度こそ明らかに頂上である。地形図上では小さな山と見ていたが、どうしてどうして、4時間を要する立派な登山となってしまった。期待していた遊楽部山塊と雄鉾岳の険しい姿が樹林に邪魔されて見えないのは残念であるが、その他三方の眺めは素晴らしい。特に内浦湾全体の眺めは圧巻である。Ko玉氏持参の1/25000地形図4枚を4人でつなぎ合わせ、山座同定である。昨日登った横山や届かなかった砂蘭部岳、この山と同程度の賀呂山、さらに木々の間からは元小屋沢山が陽光を浴びて輝いている。内浦湾の向こうには昆布岳や室蘭の絵鞆半島までもが見渡すことができる。風もなく穏やかな正月の頂上であった。(2007.1.3)

 

下山途中の遊楽部山塊の眺め(左から白水岳、遊楽部岳、岩子岳:下、太櫓岳、ペンケ山)

【参考コースタイム】 作業用道路入口P 7:30 → 尾根撮り付き 8:15 → 三角山頂上 11:30 、〃発 12:00 → 尾根撮り付き 13:05 → 作業用道路入口P 14:25

  【メンバー】Ko玉氏、Yama氏、saijyoチロロ2

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