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      三角山(795.3m)・二ツ森(679.7m) 

倶知安方面から見る三角山

/25000地形図 「瑞 穂」「赤井川村」

林道途中に車を置く
コルから後方羊蹄山を望む
三角山を登る
三角山頂上に立つチロロ2さん
592m標高点への途中から見た二ツ森

本倶登山から積丹半島へ続く稜線上には稲穂峠までは500m〜700m位の山々が連なる。三角山はその中の一山であり、倶知安の街からは三角形の特徴ある姿を見せてくれる。同町を取り囲む山々には後方羊蹄山やニセコアンヌプリを始め有名な山が多く、それらの山々に比べ標高が低いこの山はほとんど目立たない存在である。登られるとすれば縦走の途中くらいであり、この山だけを目指すことは稀であろうが、里の雪が消え、山が白く輝く今の時期には確かに気になる一山である。今回、同町にお住まいのSugaさんから情報を頂きその存在を知ったが、正に聞いていた通りの360°展望の山であった。

倶知安からは未開通の国道393号線を大和へ向って進む。北六線をそのまま直進し、末広地区から末広林道へ入るのが今回のアプローチである。この林道にはまだ雪が残っていて、車を乗り入れることが出来たのは林道入口から約1.1q進んだ地点までである。こここに車を置き、林道を徒歩で進む。大きな倶登山川砂防ダムの左岸を通り、約3qで予定していた尾根の取付き地点に着く。Sugaさんの情報ではここで川を渡渉して、三角山から西に下る尾根の末端に取付いたとのことであるが、この時期は融雪による水量が思いのほか多く、渡渉が困難であるため、そのまま林道(末広林道クトサン川支線)終点を目指すことにする。

392m標高点で二ツ森からの下降地点を確認し、そこからさらに進んだところで、災害のための復旧工事で架け替えられた橋が現れる。ここで林道は右岸から左岸へ移り、渡渉の心配をしなくてもよくなる。橋は新しく、この林道は現在も利用されているかのように感じたが、すぐに崩壊地点となり林道は終ってしまう。ここから592m標高点を目指して斜面に取付く。しばらくは急傾斜の斜面が続き、キックステップで標高を稼いでいるうちに徐々に傾斜は緩くなり、コンタ520m付近で平らになる。この付近からは三角山の姿が目前に望まれ、背後には二ツ森が堂々とした姿を見せてくれる。コルまでは592m標高点を登りきるよりはトラバースの方が気分的に楽であるため、直接コルへ向うことにする。コルからは後方羊蹄山の眺めが実に素晴らしい。ただし、少し極まり過ぎていてるような気がしないでもない。頂上までは標高差約240mの登りである。登る毎に背後のニセコ連山を始め周囲の展望がパノラマのように広がりはじめ、初登頂と展望への期待が疲れを忘れさせてくれる。稜線上の笹薮は雪解けとともに既に起き上がってしまった部分があり、これをかわすように雪渓上にルートをとる。

頂上は視界を遮る樹木はなく、すっきり360°の展望が楽しめる。正に頂上らしい頂上という感じである。余市岳や無意根山、ニセコ連山は一般的に見られる姿とは丁度逆に見えるところが面白い。また遠く積丹半島の余別岳や積丹岳が双耳峰のような姿を見せてくれる。 

二ツ森へと稜線は続く 二ツ森頂上にて

頂上からの北面は急斜面であるが、二ツ森を目指しキックステップで慎重に下る。稜線上には雪庇も残っている。時期的に雪庇の崩壊は考えにくいが、繋ぎ目あたりの雪は力の関係上締まっていないため、下手すると腰近くまで埋まってしまうこともある。やはりこの時期でも雪庇は避けた方が無難のようである。

コンタ710mは左側の沢形の中から、703m標高点は右側の斜面からかわす。この時期、雪面も安定していて、滑落にさえ注意すれば難なく小ピークは巻くことができる。703mの小ピークからは尾根筋もかなり広くなり、赤井川のカルデラ地形を楽しみながら、締まった雪面上を快適に進む。コルから二ツ森までの登りは標高差約100mであるが、登りの斜面へ入ってしまえば見た目ほどの傾斜はなく、特にこの時期はラッセルがないため、簡単に二ツ森の頂上に到着する。頂上の笹薮は一部完全に起き上がっていて、その中に三角点を探すが見つけることはできなかった。おそらくまだ雪面の下なのであろう。新緑に染まった仁木や赤井川付近と、その背後の真っ白な積丹半島の山々とのコントラストが季節の移り変わりを実感させてくれた。(2004.4.29)

 【参考コースタイム】車止め(林道途中) 8:40 → 尾根取付(林道終点) 9:40 → コル 10:35 → 三角山頂上 11:20、〃発 11:55 → 二ツ森 13:05 → 林道 13:55 → 車止め(林道途中) 14:40

【メンバー】saijyo、チロロ2

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