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   二股山(605.2m)

 
国道452号線から望む二股山

1/25000地形図 「奥芦別」「崕 山」

看板に偽りなし  この日の三段滝は迫力満点だった
三段滝駐車場公園はドライバーの休憩ポイントとなっている
林道の駐車スペース ここまで入れればすぐに取り付ける

 札幌から富良野、美瑛へに向かう大動脈となった国道452号線だが、三笠を過ぎてから富良野までは自然以外には何も無いこともあって、三段滝公園はドライバーが一息つける憩いのスポットとなっている。今回は、そのすぐ横にある二股山への挑戦である。車窓からはいつも見ていた鋭峰だが、もちろん登山道は無く、籔山登山の領域である。三段滝側からは取っ掛かりが難しく、かなり鬱蒼とした急斜面で、さすがに表側からでは二の足を踏んでしまう。第一、こんなところを登っていては目立ち過ぎで、目的不明の怪しいやつらだと思われるだろう。ルートは当然、ほとんど人が入らない裏の林道からが良いだろう。

この日はヤナギランが目立っていた 薄い笹薮のシカ道を進んで行く
前方に空が見えてくると二股山の頂上は近い 二股山頂上は実に地味なところ

      

 三段滝は芦別市の名勝の1つで、「原始林にも似たうっそうとした深林を背景に、両岸の岩盤をぬって激流が三段になり落下、逆巻く様は壮観である」と、立看板には少々おおげさな表現で解説が書かれていた。だが、この日は前日に台風崩れの低気圧が通過したこともあって、その大雨のために正に激流で、看板に偽りなしの壮観な景観を楽しむことができた。メンバーのIkkoさんとはこの駐車場で落ち合うことになっており、彼を待つ少しの間にこの滝を初めて見て来た。そうこうしているうちに待ち合わせの時間となりIkkoさんが現れる。そもそも時間に几帳面なIkkoさんを私が待っていること自体が不自然だったが、案の定、彼は早々に到着していた。二股山のアプローチはもとより、時間があったら登ろうと言っていた笠森のアプローチとなる、尻岸馬内の林道まで偵察を終えて来たらしい。最近の「地図がガイド」はIkkoさんのお膳立ての上に成り立っており、「Ikkoさんがガイドの山歩き」となっている。 

 

  二股山登頂の成否はアプローチとなる右惣沢林道の状況にかかっていると言えば少々おおげさだが、できれば楽をしたいのも人情。この日は上手い具合にゲートが空いていた。もちろん国道から歩いてもさほどの距離ではない。この林道、分岐から先へと車を進めるには少々勇気が必要だ。いつ崩れるとも知れない崖斜面を削った通過地点が1ヶ所あって、降雨後のゆるい状況では何とも不気味である。特攻隊のようなIkkoさんでもなければ平気でここを通過することなど出来るものではない。結果的には崩壊場所はしっかり護岸工事がなされていたが、これについてはコロンブスの卵である。気さくなIkkoさん、故障がちなチロロ2さんが久々の参加とあって、一番コンタの緩い尾根筋まで車を走らせようと思ったのだろう。  

   

 車のデポ地点から100mも進むと、予定の沢の出合となる。増水気味のこの日は細い水流となっているが、普段であれば涸れ沢であろう。ふと見れば尾根上へと歩道らしき踏跡が続いている。シカ道である。これがあるということは、尾根上にも同様のルートが存在している可能性が大である。さっそく、シカ道を利用して尾根上へと上がる。尾根上は広い針葉樹の斜面となっていて、そのためか下草も少なくて歩きやすい。場所によってはシカ道が登山道状態を造り出している。斜面は急だが、足回りをスパイク長靴にしてきて大正解、ピンがしっかりと地面に刺さって歩きやすい。思いのほか効率が良く、ぐんぐんと標高を上げる。

三等三角点「二股山」と金麦
三等三角点「二股山」と金麦

      

 途中、古い作業跡を利用するが、考えて見ればこの斜面のトドマツ林は植林されたもので、その当時に使っていたものだろう。トドマツの大きさから見て、かなり以前の作業道と思われる。作業道跡から尾根に移ってさらに標高を上げて行くと、藪は被っているが明瞭な作業道跡に飛び出す。その後は尾根が狭まり、笹が被り始める。笹籔といってもここのものは薄い笹で、藪漕ぎというほどのことでもない。前方に空が広がり始めると頂上到着である。簡単といえば簡単な山ではあるが、三段滝公園を通過する度にこの二股山もいつかは登りたいと考えていたこともあり、やはり感慨ひとしおである。先頭を行くIkkoさんが三角点を発見する。三角点の回りは少々伸びてきてはいるが綺麗に笹が刈られた跡があり、つい1〜2年前にここを訪れたと言っていたKo玉氏によるものと思われる。再測量でもない限り、この山を訪れて、三角点の回りを綺麗にして行く人間など、彼以外には考えられない。頂上の展望は樹林に邪魔されて何も見えない。

 意外と簡単な二股山登頂となったが、この山は三段滝見物とセットで考えれば、それはそれで満足できるものがある。特に山が赤く染まる紅葉の時期であれば、ここならではの充実の一日を過せること間違いなしと思われた。(2014.7.25)

参考コースタイム】  右惣沢林道 P 9:35 → 二股山頂上 10:35、〃 発 10:45 → 右惣沢林道 P 11:25 (登山時間 登り1時間、下り40分)

メンバーIkkoさん、saijyo、チロロ2

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