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   高山(237m)・三別山(217m) ・・・ これでも登山? だが、疲れた

 

道道790号から見た高山

1/25000地形図 振 内  

ゴルフ場内を三別山へと向かう
北のかもしかさん情報で分かった駐車スペースに車を置く
不安定な雪面を高山目指して
Ikkoさん撮影の高山頂上の金麦

  Ikkoさんが提案してきた北広島の二山(高山・三別山)について、これを当サイトで取り上げるには少々・・・と、つい考えてしまった。高山は道路からあまりに近すぎるし、三別山にいたってはゴルフ場内の小山と言っても過言ではない。私としてはノーカウントのつもりでIkkoさんの計画に参加することにした。Web上で検索してみたところ、何と!、こんな山までもが山行記にUPされていた。当サイトともリンクを貼っている“北のかもしか”さんのblogである。以前、当別町の阿蘇岩山で偶然にご一緒したが、双方ともお互いの顔を知らず、失礼してしまった記憶は新しい。北のかもしかさんが踏破する山の密度の濃さは素晴らしく、どんなところでも入っているから驚かされる。今回、blogの写真を拝見する限りでは、説明を読まなければおよそ頂上とは分からない光景で、登りきったところで頂上で目にするものは回りの樹木ばかり、正直言って行く前からは見ない方が良かったと感じた。

 ダイナスティスキーリゾートというスキー場が北広島にあるのは知らなかった。高山の入山口となる仁別神社への道道790号は道幅が狭い割にはスキー場へ向かう車の通行量が多い。停車することすらはばかられたが、北のかもしかさんが神社前の空きスペースに車を置いて行ったことを思い出し、そこを目指してみる。行ってみたところ、確かに車三台分くらいの除雪スペースがあり、まずはほっとさせられた。この時期は駐車スペースの有無で山行の成否が左右されることはよくある事だからだ。北のかもしかさんの情報に感謝、すぐにスタートとする。

 仁別神社の鳥居はなかなかの風格で、さすが大正時代の建立(道央の社としてはそれなりに古い)と感じたが、よく見れば鳥居自体はそんなに古くはないようだ。本殿はログハウス仕様となっているので、ひょっとしたらけっこう新しいのかもしれない。神社本殿からが辛かった。積雪が中途半端に笹に乗った状態では全く安定せず、スノーシューがあっても無くても大差はない。いっその事、つぼ足の方がまだマシかと思えるほどだ。どこまでも沈んでしまうので、数歩進むのにも四苦八苦である。約200mほど進んだ低い稜線上に近づいたところでやっと雪面が落ち着く。スキーを持って来なかったことを後悔するが後の祭り、数キロ先の三別山までスノーシューで乗り切るしかない。

 稜線上を下って行くとダイナスティーゴルフクラブの広い雪面となる。ゴルフ場内と思えばさすがにしらけてしまうが、低山歩きをやっていれば笹原が広がる場面ではこんな光景はどこにでもある。心の持ちよう一つといったところだろう。コースを縁取る樹林帯の一角が最初に目指す高山のようだ。再び樹林帯へ入り、笹が沈まりきらぬ雪面を進んで行くうちに高山の頂上となる。GPSがそう示しているのだから登頂?ではあるが、この道具がなければ通過してしまいそうな樹林帯の中の平凡な1地点であった。まずは金麦撮影。他に特徴的な被写体のない頂上風景の場合には助かるグッズといえる。このグッズをやっつけるにはたった45分の登りではちょっと早過ぎるし、登頂の感動が今いちなので三別山へ行ってからと思っていた。だが、逆にこいつをやっつけることによってその感動が湧き出てきたのだから結果オーライと言えるだろう。セブンイレブンの金麦は割高だが、2ピーク用にと2缶用意したのは正解だった。メンバーには悪いが、しばしのんびり。チロロ2さんはここから下ってしまうとのこと。いつの時もそうだが、男二人ともなればライバル心が剥き出しとなり、自ずとスピードが上がってしまうもの。それなりに覚悟が必要か… さてさて。

三別山頂上にビンポイントで立ち止まったIkkoさん

 正直、私はスノーシューが嫌いだ。傾斜のある斜面では下手糞なスキーよりも効率が良いことは分かっている。だが、この日のコースは正にゴルフコースであり、こんなところをスノーシューで歩くのは最低な選択といえる。そうは言ってもスノーシューで来てしまったのだから、これで歩くしか選択の余地はない。長い長い雪面歩行、“ゴルフ場山行”は札幌リージェントゴルフ倶楽部・トムソンコースへとステージを変る。雪面の中には洒落た建物も見え、自動販売機まであるからここが“山”であり、単なる笹薮の雪面なんだと思うにはかなりの無理がある。スノーシューに拘るIkkoさんは正にこの道具のプロ。そんな状況では三別山がえらく遠いところに感じられてしょうがない。普通(スキー使用)であれば、標高を落とさぬように回り込む谷地形もIkkoさんは一直線に進んでしまう。そうこうしているうちに三別山がぐんと近づき射程圏内と感じられるところまで来た。とはいえ、ここから二つ目の尾根上にそのピークはあり、普通に考えればまだまだといったところ。

 気をとり直した私は気を吐いて先頭となる。もちろんIkkoさんが疲れたわけではない。こんな中でも写真のモチーフを求めて余念が無かっただけのこと。先頭となった私はそれなりにモチベーションが上がってきた。コースから離れて尾根上へ。不思議でもなんでもないが、コースから離れると普通の山となる。だが、GPSを見ながら進んでいたにも関わらず、地形をはずしてしまった。勇み足である。すかさずIkkoさんが修正、私は勇み足から立ち直れぬままIkkoさんを追って行くのみである。そうこうしているうちにblogで見た針葉樹林帯が現れる。

 突入して思うに、何とも暗い。昼なお暗いとはこんな時に使う言葉だろう。いろいろな山の頂上を数々見てきたが、晴天にも関わらず最終局面でこんなに暗いのは初めてである。傾斜のない単なる平坦地にやたら密度の濃いカラマツ林が整然と広がっているだけ、これで頂上なのか?・・・ GPSを頼りに奥へ奥へと進んで行く。先頭を行くIkkoさん、進んだ先の何の変哲もない地点で立止まった。少し前の時代であれば当然のこと感覚的な最高地点を探して右往左往するところだが、GPSという道具が指し示した結果では疑念の余地などない。三別山頂上に到着である。静かな暗いカラマツ林の中だった。どこといって特別のものなど何も無い。強いて特別といえば、ひとかけらの登頂感も感じさせないこの暗い雰囲気である。木々の隙間から日が差して、スポットライトが当たったような雪面に金麦を置いての一枚。何とも神々しい金麦だ。まあ、こんな山行もありか!・・・  エネルギーだけは何時もの山行以上に使わされた。そんな思いが今回の山行記のUPに至った経緯である。もちろん、カウント“2”としよう。(2016.2.7)

【参考コースタイム】仁別神社前・除雪スペース P 9:05 高山頂上 9:50、〃発 10:30 → 三別山頂上 11:55、〃発 12:15 札幌リージェントゴルフ倶楽部センターハウス前 13:00 (山行時間 3時間55分 休憩も含む)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo、チロロ2さん 

 

高山頂上の景観 (180°) 

何とも神々しい金麦だ! 三別山頂上にて(Ikkoさん提供)

 

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