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      佐賀山(805.4 m) ・・・作業道が頂上まで続く山

土場から見た佐賀山

      

/25000地形図  「上武利」

陽に映える紅葉は美しい

作業道入口の土場に車を置く
作業道の途中からは頂上方向へ向かって藪漕ぎ

 こんな名の山が道内にあることすら知らなかった。おそらく、佐賀県からの入植者が関わっての命名だろう。丸瀬布温泉からさらに奥へ入ったところに位置しており、位置的にも標高的にもかなり地味な山と言える。

 当初の予定は白滝の辺留加峰であった。マピオンでポイント予報を検索してみたところ、6時〜9時で晴れマーク。ところが、Ikkoさんと待ち合わせた奥白滝の道の駅に到着してみると、けっこうな降り。しばらく待ってはみたが、降りはおさまらず、とりあえす丸瀬布へ移動することになる。高速道路ではほんの一区間だが、天気は急転、雨は落ちているが晴天となる。「で、どこに登るの?」 そこに、出てきたのが佐賀山だった。地形図に名があるのだろうか? 私にとっては地形図でもお目にかかったことのない山だった。Ikkoさん曰くは、googleの航空写真では頂上直下まで作業道があるとのこと。しかも、標高は800m以上もあるとの驚きの内容である。それにしても良く調べたものだ。さすが、低山歩きのスペシャリスト!

 丸瀬布温泉へと向かう道道1070号線をひた走る。丸瀬布温泉を過ぎてもさらに奥のようだ。登山を目的に道東までやってきたが、登る山の名も初耳、どこへ向かっているかも知らない。藪山を数多くやっているとこんなこともある。途中、武利岳登山口へは行けないとの表示、7年前の無類岩山へのアプローチとは逆に入っていることが判る。道道は途中で通行止め。さて、どうしよう? だが、ラッキーにもゲート前がトムイルベシベ沢の林道入口で、そこから3.7kmほど進んだ先にgoogleに写っていた作業場への道があるはずとのこと。明日は天狗岳を予定しているので、今夜はここで車中泊の予定。

 悪路に強いIkko車に便乗、航空写真を見ながら進んで行くと、その作業道の入口は確かにあった。入ってすぐが土場となっていて、その先はまるでシャンツエ状態、Ikko車でも仰け反ってしまいそうな感じである。車は土場に置いて、そこからのスタートとする。急な道路は歩いて登るにもきつく、ステップがない分だけ登山道よりも遥かに登り辛い。こんな斜面、おそらくブルトーザーくらいしか登れないだろう。急傾斜の道路はそのまま尾根上まで登り詰めそうな状態で続いていたが、目指す佐賀山はさらに奥なので、適当なところで奥へと続く枝道へと入る。頂上近くまで道路を利用、近づいたところで一気に斜面を登り詰める作戦だ。

作業道の法面を攀じ登って次の斜面へ 頂上には到着したが、肝心の標石が見当たらない

入った枝道は上手い具合に奥へと続いていた。GPSを眺め、かなり近づいた枯れた沢形で縦への移動となる。下草は枯れてかなり薄く、これなら楽勝かと思われた。登り詰めたあたりで左側の稜線方向へと進み、笹を頼りに真っ直ぐ急斜面を登る。大分登ったと思ったところでブル道が現れた。ブル道なので法面を何とか攀じ登り、そこから別の急な笹斜面が続く。これを登りきれば頂上だろうと思っていると再びブル道と、しばらくはこれの繰り返しとなる。地形図上はすぐ上が頂上と思っていたが、コンタが混んでいてなかなか遠い。

 最後に現れたブル道の直登はパスして横へと移動、何と! 頂上へと続くブル道の出現。道路の真ん中に三角点の標石があるのではないかと思われるほど真っ直ぐに頂上へと向かっていた。登り詰めた横の笹薮が頂上で、標石までは3040m、ここまで来ればこの勝負、もらったという気持になる。笹薮へ入るとすぐに頂上到着、やった、やった、やりました! この日は奥白滝の道の駅ではかなり本格的に雨が降っていて、とても登山へ行くという感じではなかっただけに、拾い物とも言える登頂である。

 さて三角点だが、これがなかなか見つからない。GPSで地形図上の三角点を最大限に拡大すると、大抵の場合はそのエリアに納まっているものだ。三角点内のとくに中心点付近のどこかにあるはずと、虱潰しに見てみたがなかった。そうこうしているうちに、三角点内のログが線から面となる。中心点付近には朽ちた倒木があり、その下と断定、倒木に金麦を置いて記念写真。もちろん金麦は空き缶となる。まあいいか、こんなこともあるさと、ふと見れば、Ikkoさんは全然かけ離れたところでまだ探していた。1時間位は経過していた。前線通過で晴れてはいるが、強風が吹きまくり木々がぎしぎし音を立てている。Ikkoさん、もう止めようや・・・ 彼は納得したが、目だけは藪の中を追っていた。さて、出発とザックを背負った時に「あった!」とIkkoさん。本当に嬉しそうだった。地形図上の三角点からはかなり外れた地点だった。常識的に考えれば、一番高く開けたところであった。私も最近は少し文明の利器に頼りすぎていたようだった。

 名実共に登頂となり、既に空となっている金麦の缶を三角点に立てる。倒木の下に三角点があると決め付けたのはせっかちだった・・・ 標石上の中身の無い金麦の缶を見ていて、今の自分の山に対する意気込みの乏しさを象徴しているかのようにも感じられた。(2016.9.27)

 【参考コースタイム】 入山口土場 P 11:15 → 佐賀山頂上 12:35 、標石発見 13:45 、〃発 13:55  → 入山口土場 P 14:35  (登り 1時間20分、下り40分)

メンバー】  Ikkoさん、saijyo

 

 Ikkoさんが1時間かけて見つけた三等三角点「佐賀山」

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