ルベシベ山(1740.0m)
1/25000地形図 「ペンケヌーシ岳・ピパイロ岳」
![]() |
5ノ沢林道が工事でパンケヌーシ林道に車を止める |
![]() |
最初の滝は2段5〜6mであるが、難なく登れる |
![]() |
2つ目の滝は右岸が容易である |
![]() |
3つ目の一番大きな滝、右側の枯れ沢から取り付く |
北日高には“ルベシベ”の名がつく山が2つあり、カタカナと漢字で区別されている。今回目指したルベシベ山は山容に何処といって特徴がなく、夏道がない上に奥深いこともあり、チロロ岳やペンケヌーシ岳などと比較して、極端に登山者の少ない山である。地形図上、ピパイロ岳〜芽室岳間で山名が標記されている山はここくらいであるため、主立ったピークを踏み終えた後の次のターゲットとして、また冬期の縦走途中などによく踏まれている。最近では営業登山もこの山へ入っているようである。
この山の北側の入口であるパンケヌーシ川5ノ沢林道は修復工事のため、平日は立入禁止となっている。この林道は入口から約1.5km先まで新しく整地されていて、今後はもっと先まで車の通行が可能となり、ルベシベ山へのアプローチがより楽になることが予想される。工事区間終了地点からは今まで通りの雑草の生い茂った林道となる。2.5kmで5ノ沢本流を渡渉するが、ここから先は途切れがちな踏み跡を辿る。コンタ1150mで、今回目指すルベシベ山北面の直登沢出合いとなるが、ここまでは地下足袋をあまり濡らすことはない。3年前に一度同じルートを辿ったが、大雨の翌日で5ノ沢はかなり増水していて、渡渉で流されそうになった記憶がある。この時の計画ではそのまま本流を詰める予定であったが、そのまま詰めるのは困難と判断、比較的水量が少ない北面の直登沢にルートを変更してルベシベ山へ向かった。今回の直登沢は、流れも途絶えそうなほど水量は少ない。
この沢には3つの滝がある。最初に現れる滝は2段5mであるが、容易である。次に現れる滝は傾斜のある流れと考えてもよい。右岸にしっかりとした手がかりがある。3つ目手前で雪渓が現れるが、右岸寄りに雪渓上を通過する。3つ目は10m弱くらいの直角に近い滝である。この滝の左岸にはルンゼ状の枯れ沢があり、この枯れ沢を少し上がってから取りつくと滝の上部へ階段状に上がれる。垂直に近いため高度感があり、慎重に登る。落ち口には残置シュリンゲがあり、この沢がルベシベ山の下降ルートとなっていることを伺わせる。何れの滝も順層であり、手がかりはしっかりしている。
![]() |
![]() |
3つ目の大きな滝は上部が階段状で、容易に突破 | 一瞬ガスが上がり、主稜線方向が望まれる |
![]() |
![]() |
1330m二股からは細い沢形をぐんぐん高度を上げる | ルベシベ山頂上で3パーティが合流 |
3つ目の滝を越えると1330m二股である。この二股は雪渓で埋まっている。中の通過も考えるが出口付近の様子が判らず、結局左岸側の雪渓の際を通過して上部へ抜け、雪渓の状態を観察する。上部から見たところ意外に厚く、崩壊や踏み抜きはないものと判断、横断して左股へ抜ける。
頂上へ向かう小沢は傾斜があり、ぐんぐん高度を上げて行く。1500m付近で水は枯れ、沢形もやがて藪へと消える。北面であるため雪渓は遅くまで残るが、反面藪は薄い。シカが多いのか斜面にはシカの足跡が多く、この踏み跡を利用させてもらうと楽である。多少右に寄りすぎたため、頂上の西側のコルへ飛び出す。ここからハイマツを漕ぎ、約5分で三等三角点のある、ルベシベ山頂上到着である。あいにくのガス模様のため、展望は利かないが、下山間際に一時ガスが晴れて雄大な北日高の姿を眺めることが出来た。
下山は、登って来た北面の直答沢出合いを目指し、右岸側尾根の薮を漕いで下降する。1500mくらいまでは踏み跡があるが、標高を落とすにつれ全くの藪となる。コンパスで真北に見える稜線を確認し、それを目印とする。前回同様に約1時間半で5ノ沢本流に到着する。
【集中登山】
数日前にメールで、2パーティがここを目指すとの情報があった。我々も急遽予定を変更、他のパーティとの山頂での合流を目指すことにする。当日、まさかとは思ったが、12時少し前にGANさんパーティ(GANさん、熊岡さん、島田さん、戸田さん、鳥本さん)とエネルギッシュなHP「山の時計」の EIZI@名寄さんがほぼ同時に上がってきて3パーティが頂上で合流する。GANさんパーティは千呂露川を約8時間かけて、EIZI@名寄さんは止別岳登頂を果たして・・・この2パーティが同時というのも奇跡的である。メールではお互い良く知っていても、会うのは初めてといった顔合わせが多く、感慨もひとしおである。まるで集中登山のように互いの成功を祝い合う。一つの山岳会で綿密な計画を立てても、頂上で合流することはなかなか難しいものである。(2003.7.13)
【参考コースタイム】 五ノ沢林道出合 6:28 → コンタ1150m北面の直登沢出合 7:56 → 1330m二股 9:05 → ルベシベ山頂上 10:36、〃発 12:35 → コンタ1150m北面の直登沢出合 14:08 → 五ノ沢林道出合 15:00
【メンバー】saijyo、チロロ2