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      米飯山(919.9m)

/25000地形図 石狩瑞穂」

「21世紀の森の湯」までは車を乗り入れることが出来る
林道には15〜20pの雪が積もっている
荒れ気味の林道を振り返る

米飯山は北海道の米どころである、上川盆地に位置していることもあり、“こめめし”もしくは“べいはん”と勝手に読んでいたが、和名ではなく“ぺーぱん”が正解で、アイヌ語で水が美味しい川という意味だそうである。何とも勘違いしそうな山名である。山麓には道立旭川21世紀の森が広がり、アプローチには恵まれた山域である。雪が積もり始めたばかりの今の時期、笹薮も中途半端に起き上がっているため、スキーで直接斜面を上がって行くには少々厳しく、頂上付近まで林道が延びている山を狙うのが一番効率のよい選択と考える。

この日は、発達中の低気圧がオホーツク海にあり、道内は典型的な冬型の気圧配置で、一日で一面銀世界と変わってしまった。昨日までは路面が出ていたそうであるが、「21世紀の森の湯」までは積雪で、車の腹をつかえながらも何とか乗り入れることができた。ここは11月末までの利用が可能で、帰路は綺麗に除雪されていたが、12月以降の乗り入れは難しいかもしれない。この温泉には下山後に入ったが、無料とのことで地元の人達の溜まり場となっているようだ。欲を言えば湯の温度がもう少し高ければ…とは思うが、入山口に無料の温泉があるというだけでも有難く、願ってもないことである。

藪が顔を出す斜面を、頂上へ一登り 頂上は想像したよりは狭い

今回、この中途半端な時期の足回りは、急な冬将軍の到来のため、スキーかスノーシューを考えていたが、参加メンバーの中ではEIZI@名寄さんのみ「ワカン」にての参加である。北海道の山ではスキーの機動性は以前から、断然有利であるということをよく耳にしていていたが、今回はそれを実証する形となる。歩き始めの林道は20cmほどの雪が積もっている。今シーズン最初の軽いラッセルで林道をトレースして行く。地形図上510m標高点のある林道分岐は、どちらに入っても同じところへ出ることになるが、左側は荒れ気味ではあるが何となく近そうに感じ、こちらの林道を選択することにする。今年は台風の当たり年であったこともあり、何ヶ所かで樹木が横倒しとなって道を塞いでいる。途中で現れる、砂防ダムの前で小沢の渡渉となるが、スキーを濡らすと雪が団子状に付着してしまうため、ここは面倒でもスキーを外す方が無難である。ただし、プラブーツの底にも雪が付着してしまい、スキーを履くことが出来ず、無理に履くとビンディングを傷めることにもなりかねないため、丁寧に雪を取り除くことにする。

林道上にはさらに大きな松の木が倒れていて、ここでもスキーを外し、枝の隙間を潜り抜けることになる。中途半端な積雪では、障害物を避けるための迂回も容易ではない。コンタ610m付近の林道が合流する地点からは標高をぐんぐん上げて行く。こちらの林道上は倒木が綺麗に処理されており、510m標高点の林道分岐での選択は右側が正解だったようである。遅れ気味と感じるEIZI@名寄さんは一足先に出発するが、一歩一歩の歩幅が大きいスキーは瞬く間に追いついてしまう。スキーはワカンに比べて足の上下運動が少ないため、エネルギーを無駄使いしないのかもしれない。特にこの差は距離が長ければ長いほど大きな差となって現れるようである。

入山口に無料の温泉があるというだけでも有難く、願ってもないことである。
入山口の無料の温泉

コンタ730m付近のカーブから、頂上間近を通過する林道を目指し、真っ直ぐに上がって行くことにする。さすがにこの標高ともなると積雪量も多くなり、林道から外れても藪漕ぎとはならない。エゾマツの幼木が植林されており、まだ造林作業は行われているようである。ここを過ぎると直ぐに上部の林道が現れる。頂上までは距離にして僅か200〜300mの地点である。EIZI@名寄さんはメンバーのNaさんのスキーとワカンを交換したためか、生き返った様子で上がって来る。やはり道内の山ではワカンが第一選択となる場面は少ないようだ。

頂上は小高い丘となっていて、藪が顔を出す斜面を一登りして到着である。想像していたよりは狭く、頂上としては判りやすい方である。頂上は深い藪の中なのか、スキーを外すと腰まで雪に埋まってしまう。三等三角点「米飯山」は完全に雪に埋まってしまったようである。視界が悪く、周りの様子はよく判らないが、愛山渓温泉側は少し明るくなっていて山影が薄っすらと見えている。

下降時、EIZI@名寄さんはスキーの二人乗りで林道を下った。見ている側としては何ともユーモラスで、思わず笑ってしまったが、よほど足腰がしっかりしていなければ出来ない芸当である。いざという時のためには、日頃からこういった下降方法も試してみる価値がありそうだ。(2004.11.28)

  EIZI@名寄さんの山行記録へ

【参考コースタイム】 21世紀の森の湯(登山口) 8:35 → コンタ710m分岐 10:45 → 米飯山頂上 12:45、〃発 13:05 → コンタ710m分岐 13:05 → 21世紀の森の湯(登山口) 15:40 

メンバーsaijyo、EIZI@名寄さん、Oginoさん、チロロ2、チロロ3(旧姓Naga)

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