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      班渓幌内山(901.3m)

 /25000地形図  「石狩新城、神楽岳」

途中からイルムケップ岳周辺の山々が望まれる
芦別双葉学園に車を置かせてもらう
樹林帯を進む

 北部に石狩川、南部に空知川が流れるこの山域には、イルムケップ山・沖里河山などガイドブックで紹介され、多くの登山者に登られている山もあるが、それ以外の山は夏道がないため、ほとんど話題にも上がってこない。班渓幌内山もその一つで、この山域の最高峰でありながら山容も平坦で、目立たない山である。この山を遠くから見つけるには、南側に小岩峰が2つあり、それを目印に北側の丸い台地状のピークを探すと容易に見つかる。今回この山を目指したのは、HYML(北海道・山メーリングリスト)でなぜか最近話題に上がり、どんな山なのか興味がそそられたからである。

この山の山麓には知的障害者の更生施設である芦別双葉学園がある。地図上に標記されているので、同学園を目標にすると後々、ルートが判りやすい。積雪のため駐車スペースの少ない時期でもあり、同学園に頼んで敷地内に車を駐車させてもらう。ここをスタートして、標高550m付近の等高線上に付けられている林道までは、樹林帯の中の緩い登りである。古い林道跡を利用しながら、高い方・高い方へと進んで行く。この時期、多くの小動物の足跡が雪面に残っており、その姿が想像されて実に楽しいものである。約1時間で前述の林道付近に到着する。処から取り付いたのか、スノーシューの足跡と合流する。この山で他にも登山者がいるどとは考えてもいなかったため、この足跡を見た瞬間、いたいどんな動物なんだ??・・・熊だろうか?と思ってしまった。林道上にはスノーモビルの走行跡もあり、思ってもいなかった人の気配に驚かされる。

頂上台地は平坦であり、何処が頂上だか判りづらい 頂上周辺の高い地点を何箇所か踏み、頂上とする

林道からは自分でルート取りを考えているにも関わらず、結果的にはスノーシューの足跡沿いに進んでしまう。先行者も同じルート取りでの登頂を目指しているのだろう。標高800m付近はこのルート上一番の傾斜であるが、大変だと感じるほどではない。振り返るとイルムケップ山付近の山々と背後に広がる石狩平野を望むことが出来る。ここを過ぎると徐々に傾斜も弱まり、左右の尾根が合流すると頂上台地である。広い平原状で山の頂上付近にいるという感じはしない。離れたところに、下降するスノーシューの先行者を見るが、双方ともわざわざ近づくことはしなかった。地図上の頂上付近まで進むが、どこがこの山の三角点設置地点であるのかよく判らない。このような山ではGPSあれば、頂上の特定に威力を発揮することだろう。付近の一番高そうな所を数カ所踏で、頂上到着とする。薄曇りで他の山はよく見えないが、深川や赤平・滝川付近の平野はよく見渡せた。

シールを外し下降を開始すると、スノーシューを履いた先行者には直ぐに追いついた。地元山岳会に所属するyamaさんと同行の一名である。Yamaさんの話しによると、今までこの山に何度も登っているが、別パーティに会うのは今回が始めてとのこと。また、スキーで登るのであれば、南側のカナディアンワールドから入ると面白いという情報をもらう。地元では、この山はしばしば登られていて、ガイドブックでよく名を見る札幌のS.Uさんからは、夏道開削を期待されているとのことである。 途中10分間の休憩を挟んで、約1時間で芦別双葉学園に到着する。

 それぞれの地域には、ガイドブックには載っていなくてもそれぞれに愛着があり、なくてはならない“名山”があるのだと思う。この班渓幌内山も、地元では北海道100名山に勝るとも劣らない“名山”ではないだろうか。 (2003.2.22)

  芦別双葉学園 9:50 → 550m付近林道横断 10:51 → 標高900m頂上台地 12:14  → 班渓幌内山 12:31、〃 発 12:44 → 550m付近林道横断 13:20 → 〃 発 13:30 → 芦別双葉学園 13:57

メンバーsaijyoチロロ2

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