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      鬼首山(641.0m) 

 

   

沼ノ沢付近から鬼首山を望む

/25000地形図 紅葉山」

紅葉山からの林道は奥まで続く
鬼首山への痩せ尾根
紅葉山(新夕張)は木工関係の工場が多い
紅葉山市街地の一角から林道へ入る
紅葉山市街地の一角から林道へ入る
林道途中の神社

鬼首山は夕張市南部の西側に位置する山である。標高は641mと低いが、この山域には他に高い山がなく、頂上付近が痩せ尾根となっていることもあって、高さ以上の高度感を味わうことができる。地形図に記載されている山名は鬼首山であるが、頂上に設置されている三角点名は「紅葉山」であり、なぜこの山名となったのかは判らない。今回のルートは石勝線・新夕張駅のある紅葉山市街の初ヶ台地区から、この山の東側の山腹に伸びる、林道を辿って頂上を目指すルートである。新夕張駅の裏側には木工関係の工場が広がり、その中を通り抜けて行くと林道入口がある。

ここでスキーを着け、林道を上がって行く。直ぐに神社があるが、赤い鳥居が目立つ程度で、小さな祠といった方が妥当な感じである。付近は()北海道森林技術センターによる「地球環境保全のための記念植樹」が行われており、近くの学校の記念樹林などもある。ただ、今年の台風の影響か、かなりの大木が倒れていて行く手を塞いでいる。神社を過ぎて直ぐに、倒れた大木を避けるために右側へ寄り過ぎてしまい、林道を見失ってしまう。一週間前にもこの山を目指したが、この時は暴風警報が出ていて、天候の回復が期待できずに中止している。その後、この一週間は大した積雪がなかったのか、雪面だけが硬くなり、スキーが滑らず歩き辛いため、スタートから僅かの所にスキーをデポすることにする。標高を上げることによって、積雪量や雪質が変わることも考えられるが、雪の状態が同じようであれば、下りはもっと大変そうである。そのまま斜面を上がって行くと直ぐに林道が現れる。林道終点まではスキーを付けていった方が良かったのかもしれないが、ツボで歩いても何歩かに一回埋まる程度であるし、シカの足跡周辺の雪面は内部まで締まっていて、意外に歩きやすく、足跡を辿ればどうにか沈まずに歩けそうである。

林道終点は土場となっていて、少し広くなっている。大小様々な動物たちの足跡が縦横無尽に残されていて、まるで彼らの運動場である。ここからは集材路がさらに奥へ伸びているため、このまま稜線へは上がらず、出来るだけ集材路を辿って、頂上部手前(コンタ590m)のコルを目指す方が、より効率的な感じである。とはいえ、周辺の地形を読んでも現在地をしっかりと確認するほどの材料には乏しく、感覚に頼るより仕方がない。左手に稜線直下の急斜面が見え隠れし、つい登ってしまいたいという衝動に駆られるが、ここは辛抱である。こんな時こそGPSがあれば、的確に目的地に到達することも可能であろうが、地形図のみでのルートファインディングも山歩きの醍醐味であり、正確にトレース出来たときの喜びは何にも換えがたいものがある。

少し早い地点で稜線直下の斜面に取り付いてしまう。目的とした最終コルへ向う斜面にしては大きく感じられるため、トラバース気味に次の斜面へ向う。そこは傾斜も緩く、最後の20mだけが急傾斜であり、地形図とは一致している。登りきった所は目的としていたコルで、正に予定通りの地点で稜線上に飛び出す。ここのところ、地図読みでは失敗続きだっただけに、何となくほっとする。

鬼首山頂上に到着 頂上からは雨霧山をズーム

コルからは痩せ尾根を辿り頂上へは一登りである。頂上は平であり、二等三角点の横に立てられている杭には国土交通省と書かれている。鬼首山頂上と書かれた鉄板も木に掛けられており、おそらく一般登山者にも登られているのであろう。冬期間に付けたと思われる赤布が樹木の高い所にある。残念ながら夕張山地の主稜線はガスがかかり見えないが、先日登った雨霧山が平らな山塊の中で唯一頭を出している。

下山後、この山の全体像が気になり夕張側へ車を走らせるが、隣の沼ノ沢市街地からは目と鼻の先に見える山であった。紅葉山からではわざわざ遠回りをして登ったようなものであり、国土地理院のHPに載っている「点の記」に記された、沼ノ沢からのルートがこの山への一般的なルートと言えるのかもしれない。(2004.12.12)

【参考コースタイム】紅葉山・初ヶ台林道入口 8:25 → 鬼首山頂上 11:00、〃発 11:35 → 紅葉山・初ヶ台林道入口 13:20

メンバーsaijyo、チロロ2

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