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   オコタンペ山(967.9m) 

    三等三角点「大丹別」  1/25000地形図 恵庭岳  

         トラックログ

オコタン分岐の手前に広い駐車スペースがあった

登りでは終始恵庭岳が見えた

存在感のあるオコタンペ山

 朝からの雲ひとつ無い晴天に、どこか手軽に登れる景色の良いピークはないものかとWeb上を探して見つかったのが、この三等三角点「大丹別」が埋まる通称;オコタンペ山だった。大丹別がなぜオコタンペ山と呼ばれるようになったかは分からないが、せめて点名の大丹別山にしてほしいものだ。愛犬サブローの散歩を終えて家を飛び出したのが午前10時、行動食の買出しや地図のコピー等で、現地到着は既に11時を回っていた。午前に出ればセーフだろうと思いつつも、知らない山での出遅れは自分としてはルール違反だった。

 オコタンペ湖への道路は冬期閉鎖中で、分岐の少し札幌寄りに広い駐車スペースがあり、平日にも関わらず既に何台もの車が止まっていた。この駐車スペースからは最近話題となっている通称;幌平山へ向かっているのか、斜面にはスノーシューのトレースが刻み込まれていた。

 私は道道を渡って向かい側の雪面に入ったが、ここにも既にスノーシューのトレースが続いていた。オコタンペ山への一般的なルートなど知らないし、調べても来なかったので、トレースから離れそのまま針葉樹林帯から尾根の末端に取付いた。日陰はカリカリでスキーのエッジがまるで立たず、日の当たる南寄りの斜面へ逃げた。こちらは逆にザクザクだったが、スキーなので簡単に標高を稼ぐことができた。途中、集材路に出たので南寄りに進み尾根上へ出た。

 尾根上には数日前のものと思われるスノーシューのトレースがあり、オコタンペ山の人気のほどがうかがえる。尾根上はカリカリで、たまらず雪庇の下の斜面へと逃げたが、沢形などの通過は効率が悪く、再び尾根上へ戻った。コンタ880mポコへの登りがかなり急斜面なのでスキーをデポしてつぼ足で登ることにした。スノーシューの跡がしっかり踏み込まれていたので、この気温であればこの方が速いだろうと思った。

振り返ると支笏湖の青い湖面が広がっていた

880mポコへ出てみると、この日初めてオコタンペ山が見えた。とても漁岳の尾根上の小ピークとは思えない風格があり、これは立派に一山としても十分だろうと思えた。個人的にはオコタンペ山ではなく根拠のある大丹別だと思うが、大勢の人間がそう呼んでいるのであればしかたがない。ところどころズブズブ埋まりながらも頂上への尾根に取付いた。誰一人登っていないが、スノーシューの跡や尻滑りの跡などが斜面いっぱいに広がっていた。とても12パーティのものではない。平日にもかかわらず午前中から多くの入山者で賑わっていたのだろう。

頂上直下から見たオコタンペ湖と丹鳴山、徳瞬瞥山

 ◇◇◇◇

   頂上展望は素晴らしかった。思いもよらぬ大展望だ。白く氷結したオコタンペ湖。さらに丹鳴山とその向こうに徳瞬瞥・ホロホロ山。もちろん岩群青の支笏湖とその周辺の山々。遠く札幌の市街地までもが一望の下である。これは人気があって当然だと思えた。通称名であっても一般化して年数が経てば1839峰のように地形図に山名が載ることだってある。将来的に、この通称名が地形図に載ることを想像しつつ下山した。

 ここ最近の登山ブームは目を見張るばかりである。私がガイドブックに載っていない山に目をつけたのはかれこれ40年前であった。当時は山岳会の中でも、変な山に登る変わった人間と思われていた。今やメジャーな昆布岳、本倶登山、丹鳴山でさえも当時は変わった山の部類であった。積雪期は夏道のある山もない山も条件は一緒である。当時の私はとにかく道路地図に載っているガイドブックにはない山に登ってみたかった。今はネットの時代。だれかが情報発信すれば、良い山であればたちまちメジャーな山と化す。そんな意味ではこの“オコタンペ山”も、ネットが生み出した「名山」と言えるのかもしれない。 (2019.3.7)

頂上直下から見た小漁山はみごとだった

頂上から漁岳を望む

空沼岳をズーム

【コースタイム】オコタン分岐 P 11:35   オコタンペ山 13:25 オコタン分岐 P 14:45 (山行時間 3時間10分)    

メンバーsaijyo

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