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   主待山(463.5m)

林道途中から主待山を望む

1/25000地形図 「振 内」  

西面の尾根の登り … ここを登りきれば主待山の頂上
峠の林道入口に車を止める

  主待山という山は今回の山行を計画していて始めて知った。この山域には小さな山が多く、1日で数山はやれる。そんな中の候補の1つだった。午前中に江無須志山と岩知志山を終え、さて、温泉にでも浸かって帰ろうかと考えていた。だが、元気いっぱいのIkkoさんにはまだまだ足りないようで、彼の気持は既に次の一山へと行っている。結局、この日3山目の主待山へと向かうことになった。主を待つ山、全く妙な名の山だ。私を待っている山かとも考えたが、主やはり平取町域の完全登頂を狙うIkkoさんだろう。一般的かどうかは判らないが「しゅまちやま」がとりあえず一般的な読み方である。だが、この山の東面にはシュッタ川が流れており"待"は音読みでは"タイ"あるいは"ダイ"で、シュッタの宛字がこんな奇妙な山名を作り出したのだろう。シュッタは正確にはシユツタシヤリキ(姥が此処へ来たりて死せしところ) …松浦解、シユータ(鍋を作る) …永田解の二つの解釈がある。(平取町百年誌) この山の北部にも宿弗山(シュッタ山)というのがあり、語源は同じと思われる。

 この山の登頂ルートは西側の峠からである。日の短いこの時期、昼発ともなれば出来る限りのスピーディさが要求される。車を林道入口へと突っ込んで、すぐに出発とする。午前中に2山付き合ってくれたチロロ2さんは車にて待機とのこと。確かにその方がよい。縁起が悪いと感じるなら止めるに限る。 車を止めた林道をスタート、100mも進まぬところで突然道が途切れてしまった?… 一本尾根を間違えていたようだ。峠へと300mほど町道を移動しての仕切りなおし、いよいよ藪漕ぎの開始である。笹籔は背の低い種類で、ラッキーと、つい嬉しくなった。だが、進んで行くうちに林道と平行していることに気付く。当然だが、林道へと下った方が楽に決まっている。林道が尾根上をどこまでも続いていることを祈りつつ進んで行く。直線の距離で約1キロ強、わずかでも距離が縮まればこっちのものだ。距離半分で林道は北側へと方向を変える。そのまま進んで様子を見たいところだが、午後発ともなればそんな悠長には構えていられない。残念だが、林道を離れて尾根へと取付くことにする。

なぜか赤く塗られた二等三角点「主待山」 主待山頂上はこんなところ

 本格的な痩尾根だったが、痩せ尾根を下ったところでは再び林道へと降りることになる。ひょっとしたら進んできた林道と同じ林道なのかもしれない。だが、それはそれで仕方のないところ。正攻法を選んだのだから多少の無駄は承知の上。林道から再び尾根上を進んで行くうちに主待山への尾根末端に到着。思っていたよりも短く感じたが、単に私が距離感覚を把握していなかっただけのこと。やはりGPSだけではなく、地形図もしっかりと見ていなければならないようだ。いよいよ後は登るのみ。主待山は南北に長く、東西には狭い山で、当然のこと西側から攻めれば詰めは急傾斜となる。じっくりと構えれば大した登りではないが、午後発の冬至に近い今の時期では、やはり時間感覚で考えれば急がなければならない。息を切らして一気に稜線へと上がる。

 この山の近くには高い山がないこともあって、345mの里山と言ってもなかなかの高度感がある。登った感覚としては独立峰にでも登った感じである。最後は頂上への緩い尾根を辿って難なく到着することが出来た。残念だったのはこの山も午前中の2山同様で、眺望の面では樹林が邪魔して今ひとつだったことだ。だが、この標高では贅沢など言っていられない。二等三角点「主待山」はなぜか赤いペンキで塗られていた。業務のためか悪戯かは判らないが、標石はある意味で貴重な文化財である。特に電子化された現在の測量界においては歴史遺産そのものでもある。「大切にしよう三角点」ではないが、われわれ登山者にとっても正に登頂の目安であり、ぜひとも大切にしてほしいものと感じた。(2014.12.7)

参考コースタイム】 町道峠 P 12:20  主待山頂上 13:05、〃 発 13:15 → 町道峠 P 13:45    (登り 45分、下り 30分)

メンバー】Ikkoさん、saijyo、チロロ2(取り止め)

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