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    如可難山 (804m) ・・・2年前の山行記をUP

  

1/25000地形図 新下川  

松浦武四郎「天塩日誌」のさし絵
道道101号に車を止める
道道からいきなりの急登

 如可難山(ぬかなん山)とは変な名の山である。士別市の旧朝日町と下川町の境界に位置するかなり地味な山だ。mocoさん「如何に難しい」と解釈していたが、なるほど!と思った。正しいところでは、旧朝日町史に松浦武四郎の「天塩日誌」の天塩川上流部についての記述に“ヌカナン” (鳥の卵を産む所)があり、ペンケとパンケがあってどこかの場所を指しているらしい。日誌の挿絵にはテセウ岳(天塩岳)の右側にヌカナン岳が描かれているが、位置的には今回の如可難山とは違う。いずれにしても、山名の起源は同じであろう。標高は784mと舐めてかかった割には遠く感じる山であった。

 この山について、用意周到なIkkoさんは地形図で見て、渡渉しなくても取り付けそうな尾根ルートを用意して来ていた。私は、現地に行きさえすればそこで考えれば良いと、面倒なことは先送りしてしまう無精者なので助かる。当初の予定は砥割山〜登和里山であったが、この日の予報は午後から大雪で風も強まるとのこと。私としては午前中で終わらせたいと思っていたので、山行時間が少なそうな如可難山はどうか?と提案した。結果的には予報は全くのハズレ。この時期としては風もなくてまずまずの登山日和となった。mocoさんから男の更年期と診断され、そのうちあっちこっち痛いと言い出すよと予告された私の今の無力感。この山に登れるかどうかは今一自信がなかった。なんせ、今回が今期初の冬山である。スキーもシーズン初めてとあっては、寒くて面倒くさいとさえ思っていた。

 国道からの取り付きが何とも急である。斜めから横切るように斜面に入りだましだまし上がって行くより外にない。急斜面の樹林帯をキックターンで切り返しつつ、少しずつ標高を上げて行く。途中、三ヶ所で作業道を横切ってさらに標高を上げるが、どこまでも急傾斜が続く感じである。ここ最近、パワフル度が増しているmocoさんが先頭きってラッセルしてくれるのは助かる。無気力病の私としてはこの日の貯金を尾根に上がるまでに使い果たしてしまった気分だった。尾根上は細いが傾斜が緩く、mocoさんやIkkoさんのトレースを使わせてもらう。尾根上からは砥割山か登和里山が見えた。Ikkoさんはそれを背景としてmocoさんに通過してもらって写真を撮っている。私と同じやらせ写真かと思ったが、mocoさんには気にせずに普通に通過してほしいとのこと。私の場合、チロロ2さんには無理やり止まってもらい、彼女はいつも無理な状態で登っているふりをするのだから、誰が見ても不自然だ。プロと素人の違い歴然だ。

砥割山とmocoさん  (Ikkoさん撮影) 784m標高点をとりあえずの頂上とした

 痩せ尾根が徐々に広がって広い雪面となった。背後には道北独特の穏やかな山々が広がり、この山への変更を提案した私としてはまずまずの雰囲気にほっとした。右手にはそれなりの山影が映り、目指す如可難山とすぐに判った。GPSの標高点を取り違えていた先頭の私は変な方向へと真っ直ぐに進んでいて、Ikkoさんから指摘された。次に先頭を歩くmocoさんは損をしたと言いつつ90°方向を変えて頂上部の尾根末端へ。ここではスキー組とスノーシューのIkkoさんが別々のルートで進んだ。ふと見ると我々が先に到着すると思っていたが、Ikkoさんが前方を進んでいた。勝負に出たな・・・ ついそう思ったが、彼も私と同じで1ヶ月のブランクがある。抜きつ追われつ、大きく回り込むスキー組に対し、直線的に一度下って登り返すIkkoさん、結局は広い雪原の少し下がった784m標高点にはほぼ同時の到着となった。笹の無い無雪期はこんな雪原のピークでも視界が広がって気持が良い。三角点が無いので雪原に金麦を置いて記念の1枚。とりあえず、如可難山頂上に到着である。

三等三角点「如可難山」が埋まっているのは1kmほど北西に離れた地点とのこと。やはりそこも踏んでおかなければ悔いが残るとIkkoさん。少し休んで今度はそちらへ移動。無雪期であればこうも簡単には移動など出来るものではない。おそらく、道北特有の根曲がり竹の濃い藪に四苦八苦することだろう。

 スキーで簡単に移動、樹木に囲まれた“本当の頂上?”にも到着した。標石は深い雪の下でお目にかかれないが、複数のGPSがここを示しているのだから、2mの誤差範囲でここに埋まっているはず。この頃から降雪が激しくなった。私としては午後からの荒天に逆にホッとしたが、下山途中からはすっかり雪も上がってしまい風も全くなくなってしまった。ニュース等の少し大げさな予報のせいにしたところでしょうがない。何とも跋の悪さを感じた。

 帰りの運転が遠かった。途中で寄ったコンビで車を降りるとまともに立てない。腰が痛い。mocoさんの予告通り、あっちこっちが痛い。この怠け病の正体はmocoさんご指摘の“更年期”と認めるより仕方がなかった。(2017.1.15)

【参考コースタイム】往路:点まで3.4km・3時間、三角点まで4.3km・3時間30分  復路:3.4km・1時間30分   合計:7.7km・5時間  (Ikkoさん提供)

メンバー】Ikkoさん、mocoさん、saijyo

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