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   仁宇布山(631.3m) ・・・ 点名「仁宇布」が仁宇布山となった

    

        

部落山から見た仁宇布山 (中央の平らな山) 

    

 

   

1/25000地形図 仁宇布  

Ikkoさんの立っているところが仁宇布山頂上
林道入口付近の雪が消えた路側帯に車を置く
頂上へはこんな登り

 仁宇布山の名をIkkoさんから聞いたときには北海道らしい地味な山といった印象だった。仁宇布という名は「にうぷ」と読みアイヌ語で森林を意味するとのこと。仁宇布は以前に赤字日本一と言われた美幸線の終着駅があったところ。この地区の景観を見れば地味で道内どこにでも見られる風景ばかりだが、その何もない地味さが村上春樹の小説「羊をめぐる冒険」の舞台となって以来、静かなブームとなっているらしい。本州の人たちから見ればある種の日本離れした魅力があり、探究心がそそられるのだろう。

 さてさて、森林を意味するこの山に早速チャレンジである。林道は国道から直ぐに積雪に埋まっており、車を止める場所は少し仁宇布側へと進んだ雪解けで広くなった路側帯とする。さすが、道北の遅い春で国道の側から雪がある。Ikkoさんは例によって長靴のツボ、私はスキーとするが、準備に時間を要している間にIkkoさんはアイヌネギを一抱えほど採取して林道で待っていた。昨日の入布山〜文珠山のような往復10kmを遥かに超える山行にはスキーが有効だが、こんな短い山行では長靴でパパッと行った方が速いのかもしれない。この日は前半の連休で降った雪もザラメとなり、スキーの滑りは快適、20分ほどで尾根の取り付きとなる。

 取り付いて直ぐに作業道が現れる。そのまま直進すると言うIkkoさん。だが、ウロコ板のみでシールを付けていなかった私には雪面とスキー板のフリクションが定まらず、それはとても無理な話し。次の待ち合わせは頂上でとの暗黙の了解。私は作業道を進むことにする。だが、頂上へはやはり斜面に入らねばならず、途中からは大きくジグをきりつつ少しずつ標高を上げる。林道上では快適に滑らせていたスキーもやや傾斜が増すと逆滑り、微妙な体重移動が必要だ。途中、小さな沢形を左に見ながら大きく右側へと迂回、徐々に平らになり、あとは直線的に進むと頂上である。回りの景色は単なる樹林帯のみで特筆するものなど何もない。

頂上に金麦を置く
頂上に金麦を置く

 こんな山では頂上の特定が難しく、どうしてもGPSに頼らざるを得ない。ふと見ればIkkoさんも左前方に。双方がGPSを見ながら進んでいるので、当然のことながらこんな広い樹林帯でも近づいてくるもの。前を行くIkkoさんの足が停止、頂上到着のようだ。正しくアイヌ語の「森林」通りの広い平坦地で、360°眺望はまるでなし。とりあえず頂上の写真のみ撮って、東側の開けた場所へ移動することに。こちらからはシアッシリ山や松山湿原のある松山がよく見える。

 すぐ眼下には何と綺麗な舗装道路が走っている。道道49号までは距離があり、この時は河川ではないだろうかとの結論となる。道路と確認できれば降りていたかもしれない。下山後に調べてみたところスバルの自動車テストコースとのこと。近かったので降りて調べてみたい衝動に駆られたが、結果的には止めて良かったようだ。地形図にはちゃんと載っていたのだが、突然に決まった山なので地形図はGPSの中のみだった。

 ツボなのでと、先に下山するIkkoさん。次の合流地点は林道だろう。こんな小さな山であれば、スキーがよほど上手でもなければツボとの差はない。ましてや行動の素早さでは定評のあるIkkoさん、下山してみると既に林道でアイヌネギ探しの続きをやっていた。この日は雨天予想だったので、小さな山でも登れればラッキーと思っていた。そんな意味ではこの特徴に乏しい仁宇布山も貴重な一山となった。(2016.5.4)

参考コースタイム】林道入口 P 7:05 → 仁宇布山頂上 8:20、〃発 8:40 林道入口 P 9:30  (登り1時間15分、下り50分 アイヌネギを採った時間も含む)    

メンバー】Ikkoさん、saijyo

 **山行写真**

頂上はこんな感じで樹林しか見えない

頂上付近から松山を望む (Ikkoさん提供)

シアッシリ山をズーム (Ikkoさん提供)

ご存知 アイヌネギ 今が旬

 

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