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      1760m峰「ニセイチャロマップ岳」(1760m)

雲霧山から望む 1760m峰「ニセイチャロマップ岳」

/25000地形図  「上支湧別」

1380m二股を過ぎると1692mピークが見えてくる
林道途中の駐車スペース
この沢はナメ床もたびたび現れる
途中、一時水が枯れ、巨石帯の中を進む

「ニセイチャロマップ岳」の名称は現在の1/25000地形図上にはないが、以前の地形図には載っていたということを今回参加したメンバーから聞いた。石狩川の支流、ニセイチャロマップ川の源流に位置する1760m標高点である。以前発刊されていた「北の山脈」39号で北海岳友会の山行記録で紹介されていて以前から気になってはいたが、なかなか機会に恵まれず、登り残していたピークである。今回の山行は北見の熊プーさんことYOSIDAさんの呼びかけでHYML(北海道山メーリングリスト)のメンバーが全道各地から集まる。

 ートは熊プーさんが熟知している、支湧別川支流・石ノ沢川を遡る。石ノ沢川沿いの林道は普通であれば、見つけづらいが、今回は何も考えずに先頭車について行く。林道途中に車6台を置くが、この林道にこの台数が止められることは稀であるのか、先に入っていた軽トラックが驚いた様子で恐る恐る下っていった。林道を少し歩いて石ノ沢川に入渓する。辺りの鬱蒼とした樹林帯の中に細々と水流があるといった感じである。しばらくこの様子は続くが、地形図上等高線が混み出す標高880mたりで水流は枯れ、巨石帯となる。途中、水流があればみごとな滝となるであろう枯れ滝を右岸から高巻く。左岸側は切り立った崖となっていて、落下途中で引っかかった大きな樹木などが頭上遥か上部に見える。一ヶ所ゴルジュ状で狭くなったところがあるが、難なく通過する。

ニセイチャロマップ岳頂上に立つ 付近の岩場にはウラシマツツジが群生している

コンタ1020m付近から沢の傾斜も一旦緩み、再び水流が現れる。ナメ床もしばしば現れ、一ヶ所緩いナメ滝も現れるが、滑りやすいので慎重に進む。1300m二股は左へ入るが、水流は再び細くなる。この標高になると、見え隠れする斜面の木々の葉も色づき、早い紅葉を楽しむことができる。1380m二股は右に入るが、小滝があるくらいでさほど問題となるところはない。一ヶ所5〜6mのスラブ状の緩い枯滝が現れる。少し細かいが狭いこともあり意外に登りやすい。この枯滝は左岸からも容易に巻くことが出来る。頂上が近づくと藪漕ぎとなるが、密度は薄く難なく頂上岩稜の基部へ飛び出す。岩稜上の紅赤色に染まったウラシマツツジの群生が実に美しい。

頂上からはガスのため、眺望を楽しむことはできないが、ニセイチャロマップ川流域だけは望むことが出来た。この山域を訪れるのは14〜15年前のニセイチャロマップ川の遡行以来であるが、林業の衰退のためか少し緑が濃くなったように感じる。当時は網の目のような造材路や作業道のため、山肌が随所で剥き出しになっていた。それ以来その様子が目に焼き付いていたが、この緑の回復は意外であった。

【リーダー】

この山域を知り尽くしたリーダー

折しも東大雪・二ペソツ山の一般コースで、パーティから逸れたメンバーが転落して死亡するという遭難事故があった。リーダー1人、メンバー4人の山行である。詳しい状況は判らないが、パーティから離れてしまったために起こった遭難事故のようである。今回の我々のパーティでは先頭を進むリーダーの熊プーさんは、いつもメンバーやその力量を観察していた。パーティがばらばらにならないペースを維持し、休憩の間隔は基本通りで、ちょっとした難所では補助ロープをすかさず出して様子を窺っていた。12名もの参加人数であり、初顔合わせが多い今回のケースで、しかも沢登りという危険度の高い山行である。山をよく知り尽くしているリーダーとしては相当に神経を使ったに違いない。さりげないしぐさの中にも、リーダーの思いがひしひしと伝わって来る。そんな思いが各人に伝わったのか、自然にパーティ内がまとまって行った気がする。リーダーは山行遂行能力は言うに及ばず、パーティの性格もしっかり読んで、それを一つにまとめ上げる力量が必要とされることを実際の場で学ばせてもらった。(2003.9.6)

 

sakagさん@一人歩きの北海道100名山      名寄のEIZIさん@山の時計

【参考コースタイム】 林道車止め 6:50 → 1380m二股 10:27 → ニセイチャロマップ岳頂上 11:22、〃発12:05 → 途中、懸垂下降訓練 → 林道車止め 16:20

メンバー】熊ぷーさん、花sakagさん、EIZI@名寄さん、ogino@旭川さん、fusakoさん、inoue@北見さん、hujimuraさん、takayanagiさん、sakagamiさん、ひまわり麗子@北見さん、saijyoチロロ2

 

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