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   仁頃山(829.2m)

富里大橋から望む仁頃山 (頂上は隠れてしまった)

 

1/25000地形図 花 園  

管理車道入口に車を止める
仁頃山にそっぽを向かれた「地図がガイドの山歩き」管理人
秋深まる中央道周辺
中央道稜線上に出ると分岐は近い

  仁頃山は北見市民にとって一番人気の山のようである。だが、1000mにも満たないとあっては、わざわざ札幌から訪れるには規模が小さく、この山を知らなければ第一選択とはならないのが普通である。初見の山とあっても、私も所用のついでであった。仁頃の起源はアイヌ語(ニコロ・樹木の多い沢、または川)で、どこにでもありそうな地名といえる。人気があるようなので、特に何も調べずに現地入りとする。登山口に到着してみると、雨模様にも関わらず既に数台の車が止まっていた。前夜は山仲間の慰霊で大樹町に泊まっており、北見到着は正午過ぎ。少々遅いスタートとなる。下山してきた登山者にコースとタイムを尋ねたところ、丁寧に教えてもらうことができた。いざ出発と用意を始めていると、いきなり大粒の雨。気持的には凹むが、この山を訪れるチャンスはそうそうないので車で待機することにする。

 雨が上がって仕切り直し。尋ねた登山者の話しでは、初めてであれば管理車道をそのまま登るのが良いとのこと。入口の案内板を見てみると@管理車道 3.240km A奥新道(ふれあい橋から) 3.050km B東新道(東新道 2.650+管理車道 1.550)4.20km。C 横断道 1.135km D中央道(東新道 1.223+管理車道 1.477) 2.670km E東尾根道(東新道 0.80+東尾根 4.94+管理道 0.24) 5.980km F西尾根道(東尾根 5.385+奥新道 0.386) 5.770km と、7つものコース案内がある。彼女らは中央道コースを下ってきたとのこと。時間的に多少の余裕はありそうなので、彼女らが下ってきたという中央道コースを登ることにした。いろいろルートがあり、札幌でいえば藻岩山的存在の山となっているのだろう。

 案内板をよく見ていなかったこともあって、中央道入口までの間で右往左往してしまう。妙に細い斜面の小道を進んで行くと立派な標識とあずま家のある入口に出る。登山口からはすぐに急な登りとなり、植林されたトドマツ林を見ながら、みるみる標高を上げて行く。人気の山と聞いていただけに誰もいない登山道は寂しさを感じるが、午後発ともなれば当たり前かもしれない。途中で下山してくる登山者とすれ違い何となくほっと一息。ひと登りで古い作業道に飛出す。梯子を登って再び尾根道へ。明瞭な登山道は快適そのもの、色づいた紅葉に深まる秋を感じながら稜線上へと出る。

稜線上でもさらに一組の登山者。風も強く、今にも降り出しそうなこんな天気にもかかわらず登山者がいたのはさすがである。左手には仁頃山の頂上部を望むことができるが、まだまだといった感じがする。そうこうしているうちに管理道との分岐となる。奥新道への連絡路があり、そちらへ行って見たい気もするが、北見でIkkoさんやmocoさんと待ち合わせていることもあり、今回はとりあえずそのまま管理道からピークを踏むことにしよう。見れば一見普通のダケカンバの木に「元気の木」? さらに、「仁頃山花園」「ほっと…坂」など、事細かに看板が掲げられている。山全体が公園のようで、この山をこよなく愛する人達にとっての共通のフィールドとなっているようだ。

一等三角点「似頃山」と金麦
一等三角点「似頃山」と金麦

 単なる道路歩きとなってしまったが、頂上に林立する電波塔が徐々に近づいて大きくなって行く。天気は下降気味、強風のため速い勢いでガスが鉄塔を通過して行く。何もこんな日に登らなくても・・・ つい、そんな気にもなるが、ここまで登って来たのだから頂上だけは見て帰りたい。仁頃山花園を通過、エゾタンポポの自生地とのこと。こんな時期ともなれば道路脇の草地に過ぎないが、開花期には憩いのスポットとなるのだろう。やはり、道路を歩くだけの登山はたとえ頂上に到着となっても興ざめしてしまうものである。頂上の建造物群に到着、奥のこじんまりとした一角が頂上のようだ。

 頂上には頂上ノート、スタンプなども置かれており、この山の人気の高さをうかがわせている。一等三角点「似頃山」の横には明治36年9月28日に設置、111年前とある。鉄塔を吹き抜ける風の音が凄く、とてもゆっくりとはしていられない雰囲気だが、意外にも凄いのは風音だけで、この一角は風もなく穏やかな頂上風景である。標石に金麦を置いて記念撮影、一人でゆっくりと頂上到着を祝う。しばらく待つが、北見市民の山「仁頃」は終始笑ってはくれなかった。ガスのために頂上展望は全くなしで、この山本来の素晴らしさを発見することは敵わなかった。もう一度、改めてこの山のみを目指して出直して来いということだろう。ついでに登る・・・仁頃山はそんな無礼な登山者にはそっぽを向いてしまったかのようだった。(2015.10.11)

参考コースタイム】管理車道入口 P 12:35 → 中央道登山口 12:50 分岐 13:25 仁頃山頂上 14:00 、〃発 14:15 管理車道入口 P 15:15  (登り1時間25分、下り 1時間)    

メンバーsaijyo   

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