中天狗(1317.0m)
|
![]() |
1/25000地形図 「島ノ下」「布部岳」
![]() |
正面の小沢が中天狗への直登沢 |
“中天狗”。「山」も「岳」も付いていないこの山名の由来は不明だが三角点の名前がそのまま地図に表記されたものと思われる。ネット上で中天狗の山名を検索にかけたところ、北海道関係のもので数サイト引っかかり、その中に尻岸馬内川からの山行記録を見つけた。直登沢出合まで約40分、頂上まではそこから1時間30分とあったので、そのルートを辿ってみることにする。私としては中天狗に向かうルートの中で尻岸馬内川からのものは急登すぎて、越えられぬ滝(岩壁)が出て来る恐れもあり考えてはいなかった。
![]() |
夕張山地には、この通称「中岳」はじめ急峻な山が多い |
数年前に開通して交通量も徐々に増えてきた美唄・富良野線(道道135号線)の札幌から向かって2つ目の長いトンネルを出て、約1km行った右側が尻岸馬内川林道入口である。この林道は日高の林道のように両岸が迫ってきて少し不安になるが、しっかりしている。林道終点は少し広くなっていてテントを張るには都合が良い。ここからは踏み跡を辿り入渓する。720m直登沢出会いまでは平凡な河原歩きで約1時間である。(途中スノーブリッヂが1ヶ所)
北東面直登沢出会は左岸唯一の水が流れる沢となっていて判りやすい。ここでスパイク地下足袋に履き替え、中天狗へ向かう。勢いよく流れる水も100〜200mも進むと湧水となっていて、この先に水はない。ここからは高度計が威力を発揮する。途中の分岐には、ピンクテープもあった。倒木に邪魔されながらも、どんどん高度を上げて行く。標高1100mを越えると沢形も判りづらくなり、帰路を考え2ヶ所ほど赤布を残して行く。泥が流れて積もっているため、スパイク地下足袋でさえよく滑る。高度計が1200mを越えると視界が開け、目指す中天狗の頂上が見えて来る。下降時を考え、ルート上に赤布を残そうと思いふと見ると、さすがに知る人ぞ知るルートなのか、ポイントにはピンクテープがしっかり残されていた。
樹林帯をぬけると程なく頂上に着く。頂上からの展望は芦別岳や中岳の鋭角的なシルエットが印象的である。また、遠く後方羊蹄山が富嶽三十六景の富士のように映っていた。
【参考コースタイム】
【メンバー】saijyo、チロロ2