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 モラップ山(506.5m)

日没近いモラップ山 下山直後の1コマ

1/25000地形図 「支笏湖温泉

モラップ山、大成功!
頂上「金麦」 
工事現場の広い駐車スペースに車を止める
いよいよ斜面への取付き、さて?
長い尾根を登り切る面々 ロケーションも最高!
雪山ではこんな光景も

  近頃の登山ブームのあおりか、私の勤務先でも登山に興味を示す同僚が増え、昨年ついに“職場登山”に付き合うことになった。以前では考えられない時代となったものだ。砥石山、室蘭岳、盤渓山と続き、ついには冬山への突入となる。冬山は全く初めての面々、誰もが登っている札幌市内の藻岩山や円山ではつまらなく、この時期のみ一般登山者でも登ることの出来る支笏湖・モラップ山に白羽の矢を立てる。そもそも、この案は私の盟友であるmarboさんがFacebookに書き込んでくれたことによって考えついた一山だ。当のmarboさんも誘いたいところだったが、山が山だけにとても声を掛けるには申し訳なかった。もちろん足回りはスノーシュー、この道具は安価で、冬山を試してみる程度であれば、十分におつりがくる。仮に冬山にハマッたとなれば山スキーを試せば良い。ただし、こちらはお試しには高価過ぎるため、よくよく考えての判断となるだろう。

 勤務明けのメンバーもいるため、札幌市内の集合場所には11時の約束。一般的に考えれば山へと向かう時間帯ではないが、モラップ山であれば多少遅くなっても十分に我が地図がガイドチームでも対応できる。要は午後からの登山ということだ。札幌からは高速道路を利用、何とか昼前ぎりぎりの現地到着となる。現地入りしてホットしたのもつかの間、入口にはゲートがあって、しかも立入り禁止の看板。…どうしようか? 見ればゲートは置いているだけのもの、隙間も十分にある。参加メンバーによれば、ネットの情報ではここに車を置いて行ったとあったそうだ。でも、隙間から車が入れるのであれば入った方が良いに決まっている。ゲートをずらして中へ入らせてもらう。工事の邪魔とあれば無理に立入ることはしないが、休工日でもあり、ましてや危険などありゃしない。要は現場に立入られたくないだけの話。もちろんこちらはそんなものに全く興味はないし、そんな暇もない。200〜300mのところで除雪終点、広い除雪スペースに車を置かせてもらう。だが、目論見が外れ、ここからモラップ山までは除雪もトレースもない。人気の山かと思っていたが、ネット上に載っているだけでリピーターが少ないのか、そんなに人気があるわけでもないようだ。

 となれば、なるべく早く山に取付いた方が得策である。当初、少しでもトレース跡が残っていればワカンでトップをやろうと考えていたが、まっさらな雪面と距離を考えれば、私が先頭に立ってスキーでラッセルした方かよさそうだ。私以外は全員スノーシュー、手伝いで参加してくれたチロロ2さんに二番手を任せる。林道を少し進んで、いきなり一番近い尾根へと取付くことにする。夏であれば強烈な藪漕ぎとなり、参加の誰もが登山など二度とやりたくないと思うことだろう。だが、この時期であれば快適そのもの、こんなオフロード登山を楽しむには打って付けである。取り付き尾根がぐんと近づき、いきなりの急斜面となる。スキーのルートは大きくジグを切ることになるが、この日は可能な限り直登を試みる。だが、それも限界、続くスノーシュー組もジグを切るが、そもそもこの道具でのトラバースは難しい。ひと斜面越えるといよいよ核心部となる本格的な雪尾根登り、しかも長い。チロロ2さんから若手の参加メンバーに二番手が変わり、それでも全員が遅れることなく着いて来る。なかなか優秀だ。気が付くと支笏湖周辺の樹海が背後に広がりロケーションもなかなかである。

頂上グッズ …残念ながら、金麦の負け?

 長尾根の頭に近づく頃には積雪もかなり不安定となり、スキーでも怪しいのでスノーシューであればかなり沈みこんでいるだろうと想像する。頭の平坦地で待っていると次々とメンバーが上って来る。特に小学生のH君は元気が良い。ここからは遠く苫小牧市街も望むことが出来る。頂上台地上へは尾根も緩くなるが、どうやらシカの生活圏に入ったようで、シカの足跡による段差がスキーにはちょっと辛い。若手のH先生が先頭となり、私はツボで後を追うことにする。この日は国道453号線周辺でシカの狩猟が行われているようで、銃声が鳴り響いている。ろくでもないハンターどもの餌食となるエゾシカたちについては気の毒としか言いようがないが、人間中心の社会がある以上、そんな不条理も致し方ないのかもしれない。

 しばし悪戦苦闘の末、頂上台地上へと飛び出す。スノーシューでは簡単に跨ぐことのできる倒木もスキーではちょっと苦労させられる。少し遅れて頂上到着となるが、頂上には私製の頂上標識が付けられており、平坦な地形でもそれと判るようになっている。念のためにGPSのスイッチを入れ、2m以内に三等三角点「裳乱舞」が埋まっていることを確認する。とりあえず、冬山体験ツアーは大成功! 最初としてはまずまずの成果であり、まずは「金麦」だ。今日は三角点ではなく、頂上標識にそれを乗せて、とっておきの1枚。ところが、今回参加のTさんは頂上グッズを取り出し、それが見事に頂上標識とマッチしていた。やられた… 残念だが、今回は誰が見ても金麦の負けだった。とりあえずは運転がないので、持ってきた金麦2本をやっつけることにする。3本目、4本目はリーダーということでもあり、頑張ったメンバーへとプレゼント …それにしてもこの感性、年齢的なギャップではすまされないものを感じる。私ももっと感性を磨かなければならない。

 登りで使ったルートは積雪が不安定で深く刻まれたシカ道がスキー下降には辛い。以前はスキー場だったと言われている西側の緩い斜面を下ることにする。下りでのスキーはないようなもの。スノーシューの面々が止まっているかのようだ。スキー場跡西側の派生尾根は緩く、この尾根に乗ることにするが、実際入ってみるとブッシュだらけで、余計なところで苦労しそうである。見ればスキー場跡の斜面は樹木も疎林となっており、スキーには格好の斜面となっている。降り口だけがハーフパイプの上部状態だが、仮に転がり落ちたところで別に問題はなさそうだ。後続に斜面を下れるかどうか尋ねたところOKの返答、当然そう来なきゃ〜  スキーはひと滑りでハーフパイプの底へと到達する。ふと振り返れば皆転がったり尻滑りしたりと、それぞれに下降を楽しんでいる様子。これが冬山の楽しさ、正に下降方法は何でもありといったところだ。

 歩こうが転がろうが、どうであれ下りは速く、雪面によるクッション効果は大きなものがある。遠い子供の頃の雪遊びの光景を思い出しながら、当初予定していた取付き地点の林道へと到着する。車を止めた地点へと向かう途中、林道が長いとの声を耳にするが、普通はこんなものではない。まあ、今回は冬山入門でもあり、最初に一番近い尾根を使ったことは正解だったようだ。ともあれ、参加した面々に冬山登山の楽しさが伝わったのであれば、まずまずの成果だったと思っている。(2014.02.23)

  【参考コースタイム】 工事現場 P 12:30 →  モラップ山頂上 14:10、〃 発 14:30  工事現場 P 15:50  (登り 1時間40分、下り 1時間20分)

メンバー】Tanさん、H先生、hanada(姉)さん、hanada(妹)さん、Hiro君、toyoさん、  (地図がガイドチーム) …saijyo、チロロ2さん

      

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