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   三国(1541.4m) 

西側のピークから三国山を望む

/25000地形図  「石北峠」「十勝三股」

三国トンネル、上川側の向かって左手から入って行く
奥二股からは右股の小沢を進む
頂上から石狩岳方向を望む

石狩・十勝・北見の三国の分水嶺となっているのが、今回目指した三国山である。全国的にも多い山名である。西側の1530m峰の方が三国の分岐になっているが、三国山二等三角点(1541.4m)は東側のピークにある。三国トンネルの標高が1150mであるから、標高差は約400mであり、登山の対象としては少し物足りない。登山道は1/25000地形図にも載っていないし、各ガイドブックにも三国山は紹介されていないためか、登山者は少ない。

三国トンネルの上川側入り口の横から入り、沢沿いに進む。登山道はないものという前提で入ってみたが、だれでも考えるルートは同じなのか、沢沿いには踏み跡が続いていた。もちろん指導標はないので、慣れていなければ、少々不安になるかもしれない。沢に入って直ぐに二股となるが、左股へ進む方がよい。右股には雪渓が残っていて歩き易く、進むと稜線上へは楽に上がれるが、頂上へは藪漕ぎをしなければならなくなる。

パーキングから約40分で奥の二股に着く。下山時に判ったが、こちらの方は右股へ進むのが一般的であり、沢の中を進むと、稜線近くからは殆んど登山道と言ってもよいほどの踏み跡が出て来る。我々は二股からそのまま尾根に取り付いたため藪漕ぎとなるが、尾根上にも所々ではあるが踏み跡があった。地図が頼りの、特に決まったルートもない山では、どこでも登山ルートとなっているのだろう。稜線近くまで標高を上げると、前述の踏み跡へ出る。ここから程なく西側のピークである。三国山本峰へはこの踏み跡を辿れば約10分で到達することが出来る。頂上からの展望は素晴らしく、ユニ石狩岳、音更山、石狩岳が重なって、背比べでもしているように見える。また東大雪や表大雪の山々、北見周辺の山々等も見渡すことが出来る。

三国山の頂上に咲く"キバナシャクナゲ"  二等三角点「三國嶺」

【ヒグマ】

下山後、ホロカ山の北側尾根取り付きへ次回のための偵察に立ち寄った時のことである。国道273号線から林道へ入ると、すぐに河原へ降りる枝道があった。河原で車を降りて尾根の取り付きを偵察し、車に戻って振り返ると、私の立っていた場所に一頭の真っ黒いヒグマがいて、一気に尾根方向へ駆け上り、止まってこちらを振り返った。知識として知ってはいたが、藪を駆け上がるときの躍動感は黒ヒョウのようであり、また牛のような大きさを感じた。出没地点は鬱蒼とした樹林帯であり、昼間だったが雨天のため暗かったので夕暮れと思ったのかもしれない。ヒグマは私が車から降りて尾根を見ている間、じっと観察していたのだと思う。車に乗るのを見て(多分人間の臭いが薄くなった?)跳びだしたのだろう。こう考えると、よく言われているように、ヒグマは基本的には人間を避ける習性があるのだと思う。しかし、国道から近いからと、ヒグマへの注意を怠ることは禁物である。(2002.5.26)     

【参考コースタイム】三国トンネルパーキング7:42 →  奥二股 8:23 → 西ピーク9:15 → 三国山頂上 9:36、〃発10:00 →西ピーク10:11 → 奥二股 10:42 → 三国トンネルパーキング 11:16

【メンバー】saijyo、チロロ2

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