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       楽古岳(1471.9m) ・・・コイボクシュメナシュンベツ川から

1269m峰「ピロロ岳」から望む楽古岳

/25000地形図  「楽古岳」

770m二股からは滝の連続となる
770m二股からは滝の連続となる
話題のドラム缶を過ぎると、稜線は近い
下山後、十勝平野から見た楽古岳は格好が良かった
楽古山荘前に車を置く
メナシュンベツ川を快適に進む
途中現れる大滝  巻くことができる

楽古岳は南日高の中では神威岳と共に、よく登られている山である。十勝平野からは綺麗なピラミット形に見え、判りづらい日高山脈の山々の中では容易に指し示すことの出来る数少ない山の一つである。 以前はメナシュンベツ川沿いの急峻な登山道を辿って尾根に取り付いたが、平成8年春に350m二股(楽古岳登山口)に楽古山荘が完成し、車で容易に山荘まで入ることが出来るようになり、多くの登山者を迎え入れるようになった。

 コイボクシュメナシュンベツ川のルートは、楽古山荘からは一般登山道とは反対側の左股の林道を進む。途中から河原へ降り、約1時間で十勝岳南面直登沢出合に到着する。出合付近はナメ床となっていて美しい。ここを過ぎて間もなく、56mの釜を持った滝が現れる。正攻法で右岸を大きく高巻くことも考えるが、有名な沢でもあり、どこかに必ず巻きルートがあると考え探すことにする。ふと見ると、思った通り、左岸にしっかりとした低い巻きルートを発見する。ガイドブックに載っているコースでは、ついついこういったルートファインディングをしてしまう。ここを通過して間もなく、プールをもった3mの滝が現れる。右岸側から廻り込み水流の横に取り付くが、ここもしっかりとした手がかりがある。付近は開けていて明るく、南日高らしい様相である。次に出て来る1315mの大きな滝も右岸の枯れ沢から巻き道があり、このルートの人気の高さを窺わせる。

770m二股に近づくと水は伏流となって消える。三方向が崖となった地形の中、50m近い滝が右岸、左岸に現れ楽しませてくれる。770m二股の正面である左股は優に50m以上はありそうな見事な滝となっている。北面直登沢は南へ直角に曲がるが、出合から傾斜の緩い滝となっていて、その後も同様の滝が連続している。しっかりと確実に手がかりを辿って行けば難しくはないが、ちょっとした油断も大事に至る可能性があり、一つ一つを登り終えるまでは気が抜けない。その後、途中一ヶ所水流を横切る滝が現れ、全身水浸しになるが、面白い滝もここまでである。頂上から夏道があるのでこの沢の遡行は容易だが、一般的な沢のように下降しなければならないとしたら、ここから北面直登沢の出合までは、懸垂下降の連続となり、相当時間を要することだろう。

1040m二股は右に入る。最後の詰めは、狭い沢形にゴーロ状の岩が埋まっている。標高をぐんぐん上げて行き、頂上の肩付近で踏み跡から札楽古コースの夏道に飛び出す。(2003.9.21)

【ドラム缶】

 稜線が近づいた頃に、小さなドラム缶がチョックストーンのように沢形にはまり込んでいるところを通過する。このドラム缶はいったいどこから来たものなのか、何時のものなのか、つい考えさせられる。このルートを辿るパーティの間ではよく話題に上がるようである。私の推理では、おそらく登山道開削(新規開削もしくは整備)当時にチェンソーや笹狩り機用のガソリンを入れていたドラム缶であろう。現在ほど自然保護や不法投棄が騒がれていなかった時代で、処分のためにわざわざヘリをチャーターすることもなく、無造作に転がしたのではないだろうか。

 【参考コースタイム 】楽古山荘 6:15 → 十勝岳南面直登沢出合 7:20 → 770m二股 8:50 → ドラム缶 10:35 → 楽古岳頂上 10:55、〃発 11:50 → 楽古山荘 13:40  (登り4時間40分、登山道下り1時間50分)

メンバーsaijyo、チロロ2

**山行写真**

中流部の澱み

徐々に渓幅が狭まって行く

770m二股には50mを越える滝も見られる

メナシュンベツ川源頭付近

楽古岳頂上は登山者で賑わっていた

遠く広尾漁港が見える

 

 

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