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      迷沢山(1005.7m)

/25000地形図 「手稲山」

上平沢林道は約2kmの行程である
雪面を登るチロロ2さん
車の駐車スペースは一台分

 迷沢山はスキー登山の山として、無意根山や奥手稲山などとともに古くから人気の山である。通常コースは平和の滝から2本の送電線(新・旧)ルートのどちらかを通って稜線上へと上がる。この送電線ルートは傾斜も程よく、初心者の山スキーの練習には格好の場となっている。稜線上からは大きく左へ廻り込んで、頂上へと向かうのが一般的だ。十分に回り込まず、安易に頂上方向へ入り込んでしまうと、“迷沢”の名が示すように、コンタで表現されていない細かな沢形地形に方向感覚を麻痺させられてしまう。読図には慎重さが必要だ。また、以前のことだが、この沢形地形で仲間が雪崩に埋まっており、積雪の状態によっては雪崩の巣ともなりうるので要注意である。一方、楽しみ方としては、日程的に余裕がれば、奥手稲小屋を利用しての一泊山行がお勧めである。深いタンネの森の中での冬山の一夜は、冬山登山の楽しさを真に実感させてくれる。この山を含めて周辺一帯は、それぞれの力量に合わせて、いろいろな組み合わせでコースを設定することができ、スキー登山のメッカとなっていることが十分にうなずける。

今回はピークハンターにはお勧めの、最短ルートのトレースを試してみる。道道1号線(小樽〜定山渓線)・四ツ峰トンネルより少し国際スキー場寄りの上平沢川沿いの林道からだ。あまり記録に見ないルートなので、それだけ面白さには欠けるのかもしれないが、一度行ってみる価値はあるだろう。冬期間の林道入口は除雪の状況によって駐車のスペースが限られる。今回も、乗用車1台分の駐車スペースしかなく、もし先客がいる場合は別の除雪スペースを探して、そこから歩かなければならなかった。

標高900m付近でコンパスを切って右手に進む 迷沢山頂上から手稲山を望む

このルートからの登山者は少ないのか、スキーのトレース跡は見当たらない。林道を忠実に辿って行くと、途中で送電線の下を通過する。標高660mの右カーブ(一番明瞭)を曲がってから尾根に取り付くと、林道のショートカットは出来るが、労力的にはそのまま進んでも大差はないかもしれない。林道が大きく右側に回り込むと標高900m付近の二つ目の送電線が現れる。この付近の林道は積雪のために不明瞭であるが、迷沢山のすぐ西にある標高960mの緩やかな丘の北側を廻り込むように進むと、再び明瞭になってくる(地形図上は点)。そのまま進むとやがて平坦な樹林帯となるので、地形図で迷沢山の方向を確認して進まなければならない。迷沢山は木々の間に小さな丘となって現れてくる。

 迷沢山への登りは、やや傾斜はあるが、木々も密生しており雪崩れることはない。約10分で見慣れた頂上に到着である。以前に来た時(2年前)には頂上標識などなかったが、誰かの手によって樹木に付けられており、この山の変わらぬ人気の高さを感じさせられた。 下りについては、登り返しはほとんどなく、林道起点まで一気に滑ると3040分であった。時間的には速いが林道の滑りがほとんどなので、山スキーを楽しむには今一である。平和の滝に車を1台用意し、縦走して送電線コースを下るのが効率の良い楽しみ方と言えるだろう。(2003.3.9)

※この記録から13年経ったが、今はこの上平沢川林道を使って迷沢山へと向かう登山者が多いらしい。山スキーからスノーシューへと趣向が変わりつつある昨今、このルートが一般化するとは予想もしていなかった。(2016年夏)

コースタイム上平沢林道入口 9:11 → 2つ目の送電線 11:05 → 迷沢山頂上 11:57、 〃 発 12:01 → 頂上直下 12:10、 〃 発 12:18 → 上平沢林道入口 12:44

メンバーsaijyoチロロ2

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