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 丸(543m) 黒松内・礼文華

上来馬山から望む丸山 (中央)
上来馬山から望む丸山 (中央)

1/25000地形図 「礼文華峠」

本来は丸山だったと思われる524mピーク
丸山_山頂付近から長万部方面 (Ikkoさん提供)
作業道跡に車を入れる
丸山_刈り分けの斜面 (Ikkoさん提供)
笹薮を進むIkkoさん
丸山頂上にて

  googleマップの航空写真を使って、首尾よく二山(熊山、初子山)をゲットした先々週。これに味を占め、三匹目のどじょうを狙ったのがこの丸山であった。アプローチとなる林道は国道から直接入っており、しかも頂上へはかなり近いところまで伸びている。さらに植林地と思われる形跡が頂上付近にまで広がっているので、最悪でも林道歩きのみでの登頂も可能かもしれない。どんな山かは判らないが眺望が期待できる内浦湾沿いの山、早速この丸山を計画してみることにした。国道37号から航空写真の通りに入ってみたところ、旧37号線と思われる舗装道路があって、直ぐに行き止まる。航空写真ではここからが林道のスタートとなる。

 林道へと入るとすぐに分岐で、分岐の一方を見れば礼文華山道の標識がある。sakag氏のHPに載っていた行動記録を思い出す。最近人気の古道だが、一度自分の足で歩き、当時の旅人の苦労を味わってみるのも良いと思っている。今回は丸山を目指しており、礼文華山道の反対側の林道へと進んで行く。どこかでゲートが現れることを想定しつつ車を走らせるが、そのゲートがなかなか現れないまま標高をぐんぐんと上げて行けるのは意外だった。しかも、林道路面としては轍も浅くて走りやすい。そうこうしているうちに100mのスケールに拡大したカーナビ画面に丸山が現れた。ひょっとしたら登山にならないのでは… 別の意味で心配になる。とりあえずは予定の地点付近に車を置いて登ってみることにする。

 狭い林道で、車を止めておく場所にひと苦労するが、頂上までの距離が一番近いカーブ付近に廃道と思われる作業道跡が入っており、その入口に車を止めることにする。途中で丸い山容の山が見えたので、これを丸山だと勘違いしたが、これは524.1mのピークで、地形図上の丸山は東側の543mピークである。だが、524.1mの標石は三等三角点「丸山」で、そもそもはこちらが本来の丸山だったのだろう。知っていればこちらも登るべきだったが、それは次回としたい。それなりに標高を上げてしまったこともあって、気持的にはかなり軽いスタートとなる。

 航空写真で植林地として写っていたのは笹を刈った跡で、刈られた笹は既に枯れて薄茶色になっていた。その中に続く歩道を快適に543mピークとのコルを目指す。ただし、登山道とは違って荒削り、竹の根元は鋭く、それなりに注意しなければならないのは言うまでもない。ここまではとりあえず快適だったが、植林地の端から丸山頂上までは笹漕ぎとなりそうだ。先頭を進むIkkoさんが真っ先に藪に突入、赤い帽子が笹面に揺れ動いている。笹の高さは背丈ほど、まずまずの藪漕ぎである。

 最近は同様の山行が多いこともあって、藪漕ぎ自体は苦でもなくなった。ただ、籔に入ってしまえばどの山も同じで、ある意味単純作業の繰り返しである。新ピークを目指し続けているとそんな山行が多くなるが、私はよく言われているピークハンターとは違う。だが、その登頂最優先の考え方については好感を持っている。なぜなら、登山という行為そのものが登頂をもって完結するからである。ピークハンターと言えばピーク以外は関係ないと言わんばかりの業突張りを想像しがちだが、私はそうは考えない。取って付けた俄作りの自然愛好家よりは自然というものに対して「がっぷり四つ」で向き合っており、そんな人間だからこそ自然の素晴らしさも十分に理解することができるのだと思う。

最高地点の石の上に金麦を置く

  簡単に散歩程度というのはやはり甘かったようで、それなりの全身運動となる。前方には地形図上の丸山頂上台地が現れるが、単なるのっぺりとした台地状で、とても魅力的な山容とは言えない。ましてや、標石もないとなれば標高点のみが目指すゴールとなる。台地上へ上がった実感もないままに標高点への距離を縮めて行く。GPSがなければ、目測で一番高そうなところで終了となるところだが、この文明の利器を手にしているだけに、一番高いところを越えて、さらに10〜15m程の凹地で標高点到着となる。まあ、ここが丸山頂上ということで良いとしよう。とりあえず納得して、メンバーが待つ一番高い地点へと戻る。台地上の木々が邪魔するために期待していた頂上展望はないが、秋晴れの空は高く、それに向かって伸びる樺が実に美しい。その上空遥か高いところでは、鳶が3羽、気持良さそうに旋回していた。

 下りはそのまま一直線に車の止まっている方向へと笹薮を掻き分けて進む。途中、樹林が途切れた地点からは内浦湾に沿うかたちで、長万部の市街地やルコツ山付近の峰々、湾を挟んで駒ケ岳の雄姿も望むことができた。やはり、位置を変えれば眺望も一級品である。笹薮の急斜面の下降を終えて針葉樹林帯に突入、何本かの作業道を横断して車を止めたカーブ付近へと飛び出す。結果、25分程度の呆気ない下山となった。googleマップの航空写真による山行ではあったが、この一山と出会い、しっかりそれと向き合えたという意味では、十分に満足できる新ピークのゲットとなった。(2014.10.12)

【参考コースタイム】 林道 800 山頂上 900 、〃発 9:15 林道 940 (登り 1時間、下り 25分)

メンバー】Ikkoさん、saijyo、チロロ2

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